男装ホストは未来を見る

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暗闇の中で…

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「はぁ…はぁ…」

既に日が落ちつつある状況の中、森林深くにまで来ると辺りを見渡した。

「ひのちゃ~ん!どこ~!いたら返事して~!…はぁ…はぁ」

聞こえるのは草木から聞こえるの獣の声や虫の声ぐらいで肝心のひのちゃんの声は聞こえなかった。

「雨強くなってきたなぁ…」

別に自衛隊の人達を信用していないわけではないが、個人的にひのちゃんの心配でつい勢いで一人でここまで来たけど実際道なんて分かんないしどうしたら…

途方に暮れながらもひのちゃんを探しながら暗くなる森林を歩いていると小さな古ぼけた山小屋らしきものが見えた。

「山小屋…?」

近寄ってみると薄ら扉が空いており迷った末に中に入って見る事にした。

「お邪魔します…誰かいませんか?」

周りをみると窓も電気も一切なくただ暗く何も無い小屋みたいだった。

ベチャッ…

「ひっ…な、何!?」

足に何か液体のようなものの感触がしすかさず後ずさり恐る恐る確かめる。

「血…?」

赤い液体のようなものが足の裏についているのが見え先程いた位置の床を見ると暗くてあまりみえないが血のような液体が零れているのが見えた。

「これっていったい…」

バンッ!

「な、何!?」

後ろで大きな音がし振り返ると空いていたはずの扉が閉まっていた。

「やだ!開けて!!」

扉を開けようとしても何かで止められているようで開かなくて慌ててひたすら扉を叩く。

ドンドンドンドンドンドン!!

「何で開かないの!?そこに誰かいるなら開けて!助けて!!」

暗い…開かない…誰もいない…一人ぼっち…

 *

十年前…

ドンッ!

『…一生そこにいろ!もう俺にお前の顔など見せるな化け物!』

バタンッ!

『やだ…嫌だよ!開けて!開けてよ!』

ドンドンドンドンドンドンドン!

『…ここに誰も近づけるな!分かったな?』

『はい、仰せの通りに…』

ドンドンドンドンドン!!

『開けて!誰か…誰か助けて!!』

誰もこない…誰も助けてくれない…お母様…

 *

『今日からもう来なくていい』

『はぁ!?何ですか急に?』

『お前はクビだ』

『なっ…!?』

ジャリジャリ…

『ちっ…これっぽっちでどう生きていくんだっつーの!』

ピンッ!

十円玉を指で弾き上に上げる。

『あっ!やべっ!』

手の甲にやるつもりが地に落ちコロコロと扉の隙間に入っていった。

『んー!取れねぇな…』

辺りを見渡し誰もいない事を確認すると扉を止めていた鉄板を外し重い扉を開ける。

キー…

『えっと…俺の十円玉はっと…ん?』

暗い床を凝らして見るとそこには八歳か七歳くらいの痩せこけた女の子が倒れていた。

『お、おい!しっかりしろ嬢ちゃん!!』

三日間ぐらい何も口にしてない様子の意識のない女の子の体を慌てて抱き寄せ揺らす。

『…んっ…』

小さく漏れた女の子の声にほっと安堵する。

『まだ死んでねぇみてーだな…よかったぁ…』

女の子の手には必死に扉を叩いたせいか血が出るほど真っ赤に染まり、手足には何かしらの暴力を受けたような痣が無数にあった。

『誰がこんな真似を…』

このままにしておくのは危険だと悟り女の子を抱え扉を閉め直し再度周りに誰もいない事を確認し見つからないようその場を後にした…

 *

現在…

ピチャ…

「あいつ何処までいったんだ…?」

雨が強くなる中森林深くまで星那を追いかけて来ていた豹は辺りを見渡しながら必死星那の姿を探す。

「ん?…山小屋?」

不審に思い近づくと木板により扉が閉まっており怪しさしかないと感じながらも、もしもの可能性のため挟まっている木板を外し扉をゆっくり開ける。

キー…

目を凝らし暗い中を見ると倒れている星那の姿を発見した。

「おい!しっかりしろ!」

慌てて近寄り体を起こし揺さぶると意識はあるようで吐息と共に薄らと瞼が開く。

「…よかった」

「あれほど一人で行動するなといったろ!バカっ!」

「ごめん…」

「はぁ…とにかく帰るぞ」

「ま、待って…!ひのちゃんは…?」

「無事見つかって今は皆と一緒だ」

「よかった…うっ…さ、寒い」

真っ赤に染まっている頬に手を当てると高熱らしき体温を感じすぐにリュックを下ろし中から少し大きめのTシャツを取り出す。

「星那、今からする事を後で怒るなよ…?」

「何…?」

力なく見上げる星那のカッパを脱がせ、雨によって濡れていた服に手をかける。

「ちょっ…何するの!?」

「このままだと風邪ひくだろ?…今はこれしか手がない」

「うっ…絶対見ないでよ?見たら後で殺す」

「見ても興味ねぇから安心しろ」

そう言うと高熱で動かない星那を他所に濡れている服を脱がせ中の下着に手をかけようとした瞬間、横から力なく腕を掴まれた。

「こ、これは自分でする…!」

「馬鹿!体動かねぇくせに無理すんな」

「うぅ…」
 
ダルくて思うように動かない体に諦めじみた声で唸りゆっくりと両手で顔を覆う。

「ひゃっ…」

豹の冷たい指先が肌に触れ声をあげるも迷うことなく取り去られた下着に恥ずかしさで熱が益々上がる。

「これに腕通せ」

豹に言われるがままにTシャツに腕を通し着るとその上から豹が着ていたカッパが被せられその状態のまま横抱きに抱えられた。

「フードしっかり被っとけ」

「うん…」

フードを深く被せられ豹の顔が見えなくなりと豹は抱えたまま立ち上がり山小屋を出ようとした瞬間、扉下にて何やら紫色のプラスチックのリングが落ちている事に気づき拾う。

「これはまさか…」

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