男装ホストは未来を見る

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疑惑の二人

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その後、男子の試合は豹の圧倒的な強さにより女子ともに五組の準決勝進出が決まり次の試合がある前に休憩時間と称してお昼ご飯タイムとなった。

「井川さんもよかったら一緒に下で豹やまひるも入れて食べない?」

「え?でも…お邪魔にならないかしら?」

「全然!むしろ大歓迎!ね?理沙」

「うんうん!一緒に食べよう?」

「そういうなら…お言葉に甘えて」

嬉しそうに微笑む井川に内心ある疑問が浮かんでいた。

メイドカフェではあんなに明るいのに何で学校ではいつも周り気にしたり少し遠慮がちなんだろ…?

今の井川とメイドカフェでのまりりんの違いに不思議に思いつつも下にいるまひる達に合流するため隆二さんに作って貰ったお弁当や水筒を手に一階へ降りると何故かまひると豹の周りに男子達が待ってました!と言わんばかりに集まっていた。

ナニコレ…

あからさまに顔が引き攣っていると理沙が我慢しきれず前に乗り出した。

「あんた達邪魔!私達はまひると宮端くんに用があるの!部外者はどいてよ!」

理沙の言葉に集まっていた一人である太田くんが詰め寄った。

「あん?部外者は平戸もだろ!俺達だって星那さんに用があるからいるんだっつーの!平戸なんかに用はねぇんだよ!」

「なんだとコラァ…!」

「ちょっ…落ち着いて二人とも!」

何とか間に入ろうとした所、それまで後ろで黙って聞いていた井川さんが太田くんに近寄った。

「龍也!少しは美嶋さんの気持ちも考えたらどうなのよ!こんな大勢に囲まれてご飯すら食べられないじゃない!」

「ま、万理!?何でお前が星那さんと一緒にいるんだよ!?」

「私の事は今はいいのよ!それより今は…」

「ちょっ…井川さんと太田くんっていったいどんな関係なの?」

慌てて中に入りおずおずと二人に問いかけると二人とも苦虫を噛み潰したような顔で口を開いた。

「…中学が一緒なだけの関係ですわ」

「えっと…それは幼馴染って事?」

するとその言葉にすかさず太田くんの突っ込みが入る。

「ちげーよ!ただの腐れ縁だ!」

それは幼馴染と変わらないんじゃ…?

「星那~!いいから早く食べようよ~!」

いつの間にか集まっていた男子達を蹴散らしまひると豹の隣に座っていた理沙が見え両隣にいる二人に声をかける。

「井川さん、早く食べよっか?太田くんもよかったら一緒に食べませんか?」

「えっ…いいんですか?よっしゃぁぁぁ!!」

バシッ

ガッツポーズで喜ぶ太田くんにすかさず井川さんの鉄拳が振り下ろされた。

「いてっ…!何すんだよ!」

「あんたの期待してるような事が絶対に起こらないから釘を刺しただけよ!」

「なっ…何だと万理のくせに…!」

パンッ!

慌てて二人の間で手を叩き止める。

「はい!喧嘩やるならご飯の後ね!早く食べよ?」

いがみ合う二人の腕を掴み座らせると袋に入れていたお弁当と水筒を取り出し床に並べる。

「星那、今日はお弁当か?」

焼きそばパンを頬ばりながら問いかけるまひるに笑顔で答える。

「ふふっ…一緒に暮してるバイトの先輩が作ってくれたの!」

今日はクラスマッチだって言ったら隆二さんが朝作ってくれたんだよね…

「いいな~!早く中身見てぇ…」

まひるの言葉に包んでいた花柄の風呂敷を取り去り蓋を開けると中にはパンダの顔が描かれたおにぎりに卵焼きやササミのグリルなど野菜たっぷりのヘルシーなキャラ弁だった。

「うわぁ…」

「すげぇ…パンダのキャラ弁とか凝ってるなぁ」

まひるが横から感嘆の声をあげているとすぐ隣で理沙の声があがった。

「うわっ!?宮端くんのもキャラ弁だぁ!!黒猫可愛い!」

その声に豹の顔を見ると引き攣り気味にお弁当の中身を見る姿がみえた。

そういえば豹のも隆二さんが作ったんだっけ?中身はっと…

中を覗き込むと星那のと異なり黒猫をかたどったおにぎりに同じような卵焼きに照り焼きチキンなど肉をたっぷり使った黒猫キャラ弁だった。

確かに豹にはそぐわない可愛さかも…

つい口元が緩み小さく笑うとそれに気づいた豹の視線が突き刺さる。

「うっ…」

目だけで何も言うなと鋭く訴えられすぐ様口を閉じる。

「…また購買のパンで済ませて栄養が偏るわよ!」

「うるせぇ!俺は購買のパンが好きだから食ってんだ!万理にとやかく言われる筋合いはねぇ!」

「なっ…私は心配して…」

「ちょっ…二人ともそのへんにして!」

慌てて間に入り言い合いを止め二人に向き直る。

「ずっと気になってたんだけど…二人って何で喧嘩ばっかりしてるの?」

「喧嘩っつーか…万理がいちいち俺のやることなすこと口挟むからその度にカッとなって…」

「私はただ龍也の事を心配して…」

そう言う井川さんの顔は少し照れくさそうでその様子にある疑問が浮かんだ。

もしかして…

「井川さんって太田くんの事好きなの?」

「なっ…”絶対違う!!”」

二人揃って否定する言葉に内心先程の理沙のようにニヤニヤ顔が浮かんだ。

「星那、これってもしかして…」

横から服の袖を掴み小さな声で耳打ちする理沙に頷く。

「もしかしなくてもそうだね…ふふっ」

理沙と二人で隠れてニヤニヤ顔をし二人の様子を影で楽しむ事にした。





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