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幼馴染
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七月の暑さの中で学校のグランドではサッカー部が太陽の下で汗をかきながらひたすら練習をしていた。
「皆、凄いなぁ…」
放課後、まひるの練習を見にグランド場で一人ベンチに座り見ていると寧々ちゃんの片思い相手である比留間くんと話す先日のクラスマッチで会った太田 龍也くんの姿があった。
え!?太田くんってサッカー部だったの!?
思わぬ所で驚きの真実を知り驚いていると私に気づいた比留間くんが真っ直ぐに近寄って来た。
「…美嶋さん、見てたんだ」
「うん、まひるの練習見に来たの」
「そうなんだ…えっと、今日は寧々ちゃんは?」
少し照れくさそうに質問する比留間くんにニヤニヤ顔で返答する。
「今日はひのちゃんとカラオケ行くっていっていないよ」
「そ、そっか…」
「あ!でも、寧々ちゃんが比留間先輩に会ったら”頑張れ”って言ってたよ?」
「っ…そ、そうなんだ」
嬉しながらも恥ずかしそうに照れる比留間くんに更にニヤニヤ顔が止まらなかった。
この二人どこまで進展してるのか気になるなぁ…今後が楽しみ♪
「あ、比留間くんって太田くんと仲いいの?」
「え?龍也?まぁ、仲いいけど…何で?」
「ちょっと聞きたい事あってさ…」
「う~ん…じゃ、龍也呼んでくるわ」
「うん、ありがとう」
そういうとキック練習をしていた太田くんの方に走って行き何やら話し込んだ末に今度は太田くんが真っ直ぐ走って来た。
「は、えっと…話って何かな?星那さん」
恥ずかしそうに戸惑いながら言う太田くんに前のめりになりながらもおもむろに問いかける。
「実は、井川さんについて教えて欲しくて…」
「万理?何で俺に?」
「だって太田くんと井川さんって幼馴染なんでしょ?だから一番井川さんの事知ってると思って…」
「まぁ、万理とは中学の時からの付き合いだけど幼馴染といえる程の仲は良くないっすよ?」
「でも井川さんの事一番知ってるのは太田くんでしょ?」
「まぁ、それなりに万理の事は分かるけど…」
「じゃあ、井川さんを一番知ってる人として教えてくれないかな?」
「ん~…万理は中学の時は今と違って周りに明るくて友達とよく遊んでるって感じだったんですけど…」
「へ~…今の井川さんと真逆だ」
「中学三年の初めくらいから親が教師ってのもあって高校受験のためにって友達との付き合いを禁止して塾に行かせて勉強だけを考えさせられていつしか周りから距離を置かれるようになって万理自身もどう接していいか分からなくなったって…んで親の期待とは裏腹に高校受験失敗して見放されちまって…」
「そんな事があったんだ…」
人との距離感に親との関係…井川さんが周りを気にするのも仕方ないよね…
「でも高校二年くらいだっけな?バイトでメイドカフェで働くようになって少しだけ自分に自信が持てるようになったって言ってて…だけど最近の万理は少し心配なんですよね…」
「心配?」
「何か年上の男に入れこんでるらしくて、そいつのために金を稼ぐんだって働き詰めで…正直その男に騙されてるんじゃないかって心配で…」
心配そうに俯く太田に笑顔で覗き込む。
「っ…な、なんすかっ!?」
「…太田くんって井川さんの事好きでしょ?」
「なっ…俺が万理を!?な、ない!絶対ないって!俺はその…星那さんの方が」
「私に対しての気持ちは恋愛としての好きじゃなくて憧れとしての好きの間違いとかだったりして?」
「っ…そ、それは」
言い淀む太田くんに図星だと感じ寧々ちゃんの時みたく応援したくなった。
「ふふっ…とにかく今は井川さんの事は私に任せて!」
胸元に右手を当て自信満々に笑顔を向ける。
「えっ…任せてって何するんすか?」
「ひ・み・つ♪でも井川さんを思うなら…私を信じて!」
真剣な顔でそういうと、太田くんは重々しく頷いた。
私が絶対何とかしてみせるっ!
井川さんの辛そうな表情を思い出し太田くんの気持ちも含め尚更そう思う気持ちが強くなった。
「皆、凄いなぁ…」
放課後、まひるの練習を見にグランド場で一人ベンチに座り見ていると寧々ちゃんの片思い相手である比留間くんと話す先日のクラスマッチで会った太田 龍也くんの姿があった。
え!?太田くんってサッカー部だったの!?
思わぬ所で驚きの真実を知り驚いていると私に気づいた比留間くんが真っ直ぐに近寄って来た。
「…美嶋さん、見てたんだ」
「うん、まひるの練習見に来たの」
「そうなんだ…えっと、今日は寧々ちゃんは?」
少し照れくさそうに質問する比留間くんにニヤニヤ顔で返答する。
「今日はひのちゃんとカラオケ行くっていっていないよ」
「そ、そっか…」
「あ!でも、寧々ちゃんが比留間先輩に会ったら”頑張れ”って言ってたよ?」
「っ…そ、そうなんだ」
嬉しながらも恥ずかしそうに照れる比留間くんに更にニヤニヤ顔が止まらなかった。
この二人どこまで進展してるのか気になるなぁ…今後が楽しみ♪
「あ、比留間くんって太田くんと仲いいの?」
「え?龍也?まぁ、仲いいけど…何で?」
「ちょっと聞きたい事あってさ…」
「う~ん…じゃ、龍也呼んでくるわ」
「うん、ありがとう」
そういうとキック練習をしていた太田くんの方に走って行き何やら話し込んだ末に今度は太田くんが真っ直ぐ走って来た。
「は、えっと…話って何かな?星那さん」
恥ずかしそうに戸惑いながら言う太田くんに前のめりになりながらもおもむろに問いかける。
「実は、井川さんについて教えて欲しくて…」
「万理?何で俺に?」
「だって太田くんと井川さんって幼馴染なんでしょ?だから一番井川さんの事知ってると思って…」
「まぁ、万理とは中学の時からの付き合いだけど幼馴染といえる程の仲は良くないっすよ?」
「でも井川さんの事一番知ってるのは太田くんでしょ?」
「まぁ、それなりに万理の事は分かるけど…」
「じゃあ、井川さんを一番知ってる人として教えてくれないかな?」
「ん~…万理は中学の時は今と違って周りに明るくて友達とよく遊んでるって感じだったんですけど…」
「へ~…今の井川さんと真逆だ」
「中学三年の初めくらいから親が教師ってのもあって高校受験のためにって友達との付き合いを禁止して塾に行かせて勉強だけを考えさせられていつしか周りから距離を置かれるようになって万理自身もどう接していいか分からなくなったって…んで親の期待とは裏腹に高校受験失敗して見放されちまって…」
「そんな事があったんだ…」
人との距離感に親との関係…井川さんが周りを気にするのも仕方ないよね…
「でも高校二年くらいだっけな?バイトでメイドカフェで働くようになって少しだけ自分に自信が持てるようになったって言ってて…だけど最近の万理は少し心配なんですよね…」
「心配?」
「何か年上の男に入れこんでるらしくて、そいつのために金を稼ぐんだって働き詰めで…正直その男に騙されてるんじゃないかって心配で…」
心配そうに俯く太田に笑顔で覗き込む。
「っ…な、なんすかっ!?」
「…太田くんって井川さんの事好きでしょ?」
「なっ…俺が万理を!?な、ない!絶対ないって!俺はその…星那さんの方が」
「私に対しての気持ちは恋愛としての好きじゃなくて憧れとしての好きの間違いとかだったりして?」
「っ…そ、それは」
言い淀む太田くんに図星だと感じ寧々ちゃんの時みたく応援したくなった。
「ふふっ…とにかく今は井川さんの事は私に任せて!」
胸元に右手を当て自信満々に笑顔を向ける。
「えっ…任せてって何するんすか?」
「ひ・み・つ♪でも井川さんを思うなら…私を信じて!」
真剣な顔でそういうと、太田くんは重々しく頷いた。
私が絶対何とかしてみせるっ!
井川さんの辛そうな表情を思い出し太田くんの気持ちも含め尚更そう思う気持ちが強くなった。
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