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理沙の計画
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夏休み最後の三十一日の前の日、星那の一番の心友であり裏の秘密を知る平戸 理沙はこの日ある家に訪れていた。
「今日は宜しくお願いします!皆さん」
「宜しく、理沙ちゃん」
誰もが見惚れるような笑みを向けた蓮に一瞬ときめきながらもこれから始まる計画にニヤリと内心ほくそ笑む。
「しかし、タイミングよくせなが居なくて良かったな」
珈琲を口に含みながら呟く隆二に共鳴するようにウンウンと頷く。
そう、今日は偶然にも星那はメイドのバイトに行っており家を空けていた。んでもって、前もって豹を通して話をしていた蓮と隆二に集まってもらい星那宅…ではなく蓮宅にてある計画を行う為に訪れていたのだ。
「では、さっそくですが明日の計画にて再度確認しますね」
蓮・隆二・豹の三人が頷くの見計らうと持って来ていた手帳を取り出し開くと上から順に読み上げる。
「まず午前十時にひのちゃんと寧々ちゃんが星那をショッピングに連れ出す。その間に家にいる隆二さんと宮端くんが料理を開始する。隆二さんに宮端くん、お願いしますね?」
「任せて」
「おう」
「次に、蓮さんは親族である弟さんと妹さんを含めひのちゃんのお兄さんである明さんを連れて来てください」
「椿や菫を連れてくるのは癪に障るがせなの為なら仕方ないか」
「椿くんはともかく菫ちゃんはせなを見ると危ないからね」
苦虫を噛み潰したように渋々答える蓮さんに隆二さんは苦笑いを浮かべ付け加えた。
「菫だけじゃねぇ、椿の方が尚タチが悪い。あいつ前にせなを奪い取るような話してたんだぞ?あの時はせなが男だと思ってたからまだ安心出来たが今じゃ正真正銘の女なんだから安心なんて出来るか!」
「大丈夫ですよ、星那はそう簡単になびきませんから」
「確かに、そんな奴ではないが…」
それでも心配なのか不安そうな顔をする蓮さんに内心クスリと小さく笑みを零す。
星那ったら相変わらず隅に置けないわね!
「では、次に午後十五時ぐらいに時間稼ぎの為に星那達の元にまひるが向かいますのでその時点には蓮さん達を含めた皆さんで室内の飾りを終わらせてください。一時間後には私がベリーさんと井川さんを連れて到着する予定です」
「万理ちゃんはともかくベリーさんまで呼んでいいの?理沙ちゃん」
半ば引き攣り気味の隆二さんに胸を張って頷く。
「大丈夫です!何よりベリーさんには星那の衣装を用意してもらう事になってるので重要すぎる人物ですよ!」
「確かに、ベリーさんのデザインした服をせなが着るのは可愛いと思うがせな本人が受け付けるか分からないね…」
隆二さんいわくトラウマを植え付けられ苦手な人ランキング一位のベリーさんに星那が受け付けるか不安なようだ。
まぁ、星那が嫌でも無理矢理でも着てもらうつもりだけどね♪
ここまで来たら星那の意思より計画の方が大事だと思っている理沙に本人以外の皆は気づかなかった。
「そして最後に、午後の十七時に星那達が帰宅と同時に電気を付けクラッカーの突撃です!…ここまでが計画の流れなのですが疑問な点はありますか?」
「いや、ないよ。さすが、せなの心友の理沙ちゃんだね」
「ここまでせなの為に計画するなんて理沙ちゃんは優しいな~」
「い、いえ…っ!それほどでも~…えへへっ」
隆二さんと蓮さんの褒め言葉に照れつつも直ぐに気を引き締める。
あ、駄目駄目!まだ計画も何も始まってないのに気を緩めてたら足元掬われちゃうわ!
「いいですね、皆さん!一番の注意事項はこの計画を星那本人にバレない事です。バレては何もかもお仕舞いなんですからねっ!」
「分かってる。失敗はしない」
「心配せずともこのお兄さん達に任せなさいな!大船に乗ったつもりでね?」
「いや、蓮の場合は小舟が一番だろ」
「なっ、俺だってやる時はやるんだよ!?なめんなよ、隆二!」
「はいはい、今回は期待しとくわ」
…この三人なら大丈夫そう
不思議と安心出来る三人に理沙は小さく笑みを浮かべたのだった。
「今日は宜しくお願いします!皆さん」
「宜しく、理沙ちゃん」
誰もが見惚れるような笑みを向けた蓮に一瞬ときめきながらもこれから始まる計画にニヤリと内心ほくそ笑む。
「しかし、タイミングよくせなが居なくて良かったな」
珈琲を口に含みながら呟く隆二に共鳴するようにウンウンと頷く。
そう、今日は偶然にも星那はメイドのバイトに行っており家を空けていた。んでもって、前もって豹を通して話をしていた蓮と隆二に集まってもらい星那宅…ではなく蓮宅にてある計画を行う為に訪れていたのだ。
「では、さっそくですが明日の計画にて再度確認しますね」
蓮・隆二・豹の三人が頷くの見計らうと持って来ていた手帳を取り出し開くと上から順に読み上げる。
「まず午前十時にひのちゃんと寧々ちゃんが星那をショッピングに連れ出す。その間に家にいる隆二さんと宮端くんが料理を開始する。隆二さんに宮端くん、お願いしますね?」
「任せて」
「おう」
「次に、蓮さんは親族である弟さんと妹さんを含めひのちゃんのお兄さんである明さんを連れて来てください」
「椿や菫を連れてくるのは癪に障るがせなの為なら仕方ないか」
「椿くんはともかく菫ちゃんはせなを見ると危ないからね」
苦虫を噛み潰したように渋々答える蓮さんに隆二さんは苦笑いを浮かべ付け加えた。
「菫だけじゃねぇ、椿の方が尚タチが悪い。あいつ前にせなを奪い取るような話してたんだぞ?あの時はせなが男だと思ってたからまだ安心出来たが今じゃ正真正銘の女なんだから安心なんて出来るか!」
「大丈夫ですよ、星那はそう簡単になびきませんから」
「確かに、そんな奴ではないが…」
それでも心配なのか不安そうな顔をする蓮さんに内心クスリと小さく笑みを零す。
星那ったら相変わらず隅に置けないわね!
「では、次に午後十五時ぐらいに時間稼ぎの為に星那達の元にまひるが向かいますのでその時点には蓮さん達を含めた皆さんで室内の飾りを終わらせてください。一時間後には私がベリーさんと井川さんを連れて到着する予定です」
「万理ちゃんはともかくベリーさんまで呼んでいいの?理沙ちゃん」
半ば引き攣り気味の隆二さんに胸を張って頷く。
「大丈夫です!何よりベリーさんには星那の衣装を用意してもらう事になってるので重要すぎる人物ですよ!」
「確かに、ベリーさんのデザインした服をせなが着るのは可愛いと思うがせな本人が受け付けるか分からないね…」
隆二さんいわくトラウマを植え付けられ苦手な人ランキング一位のベリーさんに星那が受け付けるか不安なようだ。
まぁ、星那が嫌でも無理矢理でも着てもらうつもりだけどね♪
ここまで来たら星那の意思より計画の方が大事だと思っている理沙に本人以外の皆は気づかなかった。
「そして最後に、午後の十七時に星那達が帰宅と同時に電気を付けクラッカーの突撃です!…ここまでが計画の流れなのですが疑問な点はありますか?」
「いや、ないよ。さすが、せなの心友の理沙ちゃんだね」
「ここまでせなの為に計画するなんて理沙ちゃんは優しいな~」
「い、いえ…っ!それほどでも~…えへへっ」
隆二さんと蓮さんの褒め言葉に照れつつも直ぐに気を引き締める。
あ、駄目駄目!まだ計画も何も始まってないのに気を緩めてたら足元掬われちゃうわ!
「いいですね、皆さん!一番の注意事項はこの計画を星那本人にバレない事です。バレては何もかもお仕舞いなんですからねっ!」
「分かってる。失敗はしない」
「心配せずともこのお兄さん達に任せなさいな!大船に乗ったつもりでね?」
「いや、蓮の場合は小舟が一番だろ」
「なっ、俺だってやる時はやるんだよ!?なめんなよ、隆二!」
「はいはい、今回は期待しとくわ」
…この三人なら大丈夫そう
不思議と安心出来る三人に理沙は小さく笑みを浮かべたのだった。
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