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二章 ゲーム開始
天然?偽物?ヤンデレ先生の捕獲と記憶の喪失
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目が覚めたら白い空間にいて目の前に神だと名乗る白い人魂もどきがいて『貴方は、お亡くなりになりました』とか『転生して頂きます』とか非現実的な台詞を聞かされるなんて話がまた……あったら良かったのに。
「あれれ~?もう目が覚めたの?平気?頭大丈夫?」
目が覚めて飛び込んで来たのは神だとか名乗る人魂もどきではなく、天然だと称される我が担任の棗 杏子の姿だった。
「頭大丈夫かと聞きたいのは私の方です」
現在、私は腹痛で気を失った為か薬品が香る保健室のベッドの上にいた。そして、何故か目の前にいる棗 杏子の他攻略対象者と同じく私が見える現象については薄々予想はしていた。四人が見えるのなら残りの攻略対象者が見えないとかありえないからね。
「良かったぁ~!元気そうで何よりだ」
あの、人の話聞いてました?頭大丈夫かって聞いたのに人の話スルーですか?
「あ!そうそう、今ね~同僚の先生に苺貰ったから食べようと思ってた所だから一緒に食べよ?ね?」
あ、駄目だ。この人話通じない。
「はぁ……あの、腹痛で苦しんだ生徒に食べ物はないと思います」
深い溜息をつき意を決して真顔でさらりといい返すと目をぱちくりさせ不思議なものでも見るかのような謎過ぎる反応が返ってきた。
「え?何で~?」
よし、もう知らない。私はこいつと話す事に匙を投げる。
「よっと…」
「え…ほしのん?」
「授業に戻ります」
「えぇ!?ちょっと待ってぇぇぇぇ!!」
「へ…うひゃんっ!?」
真っ直ぐに出口へと向かう足を引っ掛けられ前のめりにコケるとそこからダイブするように覆い被さってきた。
「つ~かまえたっ!」
ガキか!少しは成人男性に下敷きにされる小柄な女子高生の気持ちも考えろっ!
「早くどいて貰えませんか?」
「お断りしますっ!」
「なっ…」
「僕ね~、ほしのんにお願いがあるんだ。だから、それを叶えてくれるまで離したくないんだよね~」
お願い?何だそれ?つい数分前まで存在自体知らなかった私にお願いなんてする事自体ありえないんだが…それに、ほしのんってなんだ?あだ名か?いい迷惑だ
「叶えてくれないかな~?叶えてくれるよね?ほしのん」
はぁ…毎度毎度お願いって…
「…お断りします」
「え!?何でなんで??」
「何でも何も内容も分からないようなお願いを叶える道理などないです。それに、内容を聞いたとしても私じゃなくても叶えてくれる人なんて周りにいくらでもいると思いますけど…?」
「ふふんっ!他の人じゃ駄目なのだよ~、ほしのん」
「っ…あのですね!お願いもそうですけど、ほしのんほしのんってやめて貰えませんか?遥かに不愉快です」
「え~?じゃあ、もものん?」
変わってねーよ!
「だから、あだ名ではなくて普通に星野でいいです」
「え~!それじゃ、可愛くないじゃん!」
「あのですね…可愛いとかいう問題ではなくて先生として普通に星野とかでいいと思います。私としてもあだ名とか求めてませんから」
「もうっ!もものんは、見かけによらず辛辣なんだから…ん?あれ?これ前にも似たような事を言ったような…」
突然頭を抱えて眉間にシワを寄せる棗の様子に私は五歳の頃の記憶を思い出していた。五歳の頃、棗と一緒に商店街へ行った際に棗は今と同じ事を言っていた。『桃ちゃんは見かけによらず辛辣だなぁ』という言葉を…それらの記憶は彼ら攻略対象者達から消えていたのかどうか確証はないが今の様子を見る限りそれは確かなのだろう。
ま、一先ず今はここからの脱出!
「すぅ~…はぁ……あ!窓の外に宇宙人がいる!?」
幼稚的な発想だが裏を見せていない今の彼なら引っ掛かるだろう。
「えぇ!?宇宙人!?どこ?どこどこ??」
…ほらね
まんまと引っかかった棗が窓際へと向かった隙に私はすかさず保健室から脱出した。
…バタンッ
「ねぇ、宇宙人なんてどこにも…あれ?あ~、逃げられちゃったか……変わってなくて安心したよ、桃ちゃん」
まるでこうなる事が分かっていたかのように棗 杏子は桃が出て行った先を見ながら口元を上げた。
「あれれ~?もう目が覚めたの?平気?頭大丈夫?」
目が覚めて飛び込んで来たのは神だとか名乗る人魂もどきではなく、天然だと称される我が担任の棗 杏子の姿だった。
「頭大丈夫かと聞きたいのは私の方です」
現在、私は腹痛で気を失った為か薬品が香る保健室のベッドの上にいた。そして、何故か目の前にいる棗 杏子の他攻略対象者と同じく私が見える現象については薄々予想はしていた。四人が見えるのなら残りの攻略対象者が見えないとかありえないからね。
「良かったぁ~!元気そうで何よりだ」
あの、人の話聞いてました?頭大丈夫かって聞いたのに人の話スルーですか?
「あ!そうそう、今ね~同僚の先生に苺貰ったから食べようと思ってた所だから一緒に食べよ?ね?」
あ、駄目だ。この人話通じない。
「はぁ……あの、腹痛で苦しんだ生徒に食べ物はないと思います」
深い溜息をつき意を決して真顔でさらりといい返すと目をぱちくりさせ不思議なものでも見るかのような謎過ぎる反応が返ってきた。
「え?何で~?」
よし、もう知らない。私はこいつと話す事に匙を投げる。
「よっと…」
「え…ほしのん?」
「授業に戻ります」
「えぇ!?ちょっと待ってぇぇぇぇ!!」
「へ…うひゃんっ!?」
真っ直ぐに出口へと向かう足を引っ掛けられ前のめりにコケるとそこからダイブするように覆い被さってきた。
「つ~かまえたっ!」
ガキか!少しは成人男性に下敷きにされる小柄な女子高生の気持ちも考えろっ!
「早くどいて貰えませんか?」
「お断りしますっ!」
「なっ…」
「僕ね~、ほしのんにお願いがあるんだ。だから、それを叶えてくれるまで離したくないんだよね~」
お願い?何だそれ?つい数分前まで存在自体知らなかった私にお願いなんてする事自体ありえないんだが…それに、ほしのんってなんだ?あだ名か?いい迷惑だ
「叶えてくれないかな~?叶えてくれるよね?ほしのん」
はぁ…毎度毎度お願いって…
「…お断りします」
「え!?何でなんで??」
「何でも何も内容も分からないようなお願いを叶える道理などないです。それに、内容を聞いたとしても私じゃなくても叶えてくれる人なんて周りにいくらでもいると思いますけど…?」
「ふふんっ!他の人じゃ駄目なのだよ~、ほしのん」
「っ…あのですね!お願いもそうですけど、ほしのんほしのんってやめて貰えませんか?遥かに不愉快です」
「え~?じゃあ、もものん?」
変わってねーよ!
「だから、あだ名ではなくて普通に星野でいいです」
「え~!それじゃ、可愛くないじゃん!」
「あのですね…可愛いとかいう問題ではなくて先生として普通に星野とかでいいと思います。私としてもあだ名とか求めてませんから」
「もうっ!もものんは、見かけによらず辛辣なんだから…ん?あれ?これ前にも似たような事を言ったような…」
突然頭を抱えて眉間にシワを寄せる棗の様子に私は五歳の頃の記憶を思い出していた。五歳の頃、棗と一緒に商店街へ行った際に棗は今と同じ事を言っていた。『桃ちゃんは見かけによらず辛辣だなぁ』という言葉を…それらの記憶は彼ら攻略対象者達から消えていたのかどうか確証はないが今の様子を見る限りそれは確かなのだろう。
ま、一先ず今はここからの脱出!
「すぅ~…はぁ……あ!窓の外に宇宙人がいる!?」
幼稚的な発想だが裏を見せていない今の彼なら引っ掛かるだろう。
「えぇ!?宇宙人!?どこ?どこどこ??」
…ほらね
まんまと引っかかった棗が窓際へと向かった隙に私はすかさず保健室から脱出した。
…バタンッ
「ねぇ、宇宙人なんてどこにも…あれ?あ~、逃げられちゃったか……変わってなくて安心したよ、桃ちゃん」
まるでこうなる事が分かっていたかのように棗 杏子は桃が出て行った先を見ながら口元を上げた。
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