48 / 85
二章 《林間合宿編》
熱を帯びた湖は冷たい氷の戦場とかす
しおりを挟む
「まったく…何でこいつはこんなにもアホなんだ。勝手に言いたい事言って勝手に俺の前で落ちやがって!」
湖を泳ぎながら腕の中にいる桃に対し心配と怒りが入り交じっていた。
「はぁ…はぁ…‥おい!目を覚ませ!アホ!」
岸辺まで何とか辿り着き桃の体を揺さぶるが目が覚める気配はなかった。
「チッ…こうなったら人工マッサージしか……あー!こんな時に小さな事で迷ってられるか!絶対目を覚ませよ!」
*
暖かな光の中にエプロン姿の黒髪女性がいた。
あれは…‥
「…お母さん‥?」
そこに居たのは間違いなく桃の母。昔の頃の母だった。
「あら桃ちゃん!起きたの?」
「起きた?」
私、寝てたんだっけ?
「まだ寝ぼけているのね。早く顔洗って目を覚ましてきたら?」
「うん、そうする」
まだふわふわする感覚に足もおぼつかないまま洗面所へと向かう。
この時の母はちょうど父が出て行った後だったんだよなぁ…お世辞でもいいとは言えない古びたマンションに引っ越して母一人子一人の生活が始まって経済的にもギリギリだったけど毎日母との小さな出来事が幸せでずっとそれが続けばいいって…‥そう思って……‥あ…‥
洗面所の前まで何とか辿り着いた拍子に不意に頬に伝う涙に気づき足を止める。
「何で涙なんか…?」
続けばいいって思う幸せなんてずっと続くわけない。頭では分かっていてもそう願わずにはいられなかった。それは母も思っていた事。期待しても壊れる時は壊れ失くなる。それでも、そう分かっていても諦めないで頑張る人を私は知っている。それは…‥
「…‥‥お…‥‥…っ…」
え…‥?
「…‥‥起きろ…っ!」
誰…?
「起きろっ!桃!」
「ゴフッ!?ゴホゴホゴホッ!!!」
聞こえてくる声に重い瞼を開けると必死な顔で呼ぶ鳳梨 グアバの顔が飛び込みそれと同時に口から水を吐き出した。
「はぁ~~~~…‥まったく、貴様はどこまで世話を焼かせれば気が済むんだ!」
「すみません…助かりました。ありがとうございます」
何故か背を向け体育座りで怒りをぶつけるグアバを不思議に思いながらも素直にお礼を述べた。
それより、さっきこの人私の事を桃って言ったような…?
「あの会長」
「何だ?」
「さっき私の事を桃って言いませんでしたか?」
「なっ!?そ、そそんな事俺様が言うわけないだろ!アホ!」
「そうですよね」
うむ、きっと気のせいだ。んー、でも湖に溺れて気を失っていた私をどうやって助けたんだ?私が会長の立場ならまず人工マッサージでしょ?次に人工こ…‥
「か、かかか会長っ!」
「次は何だ?」
「私を助ける為にまさか人工呼吸とかしてませんよね?」
「そ、それは…‥‥き、気にするな。ただの治療だ。カウントはされん!」
耳まで真っ赤になって言ってる人が言っても説得力がないんだけど…っていうかまさか会長もファーストキスだったりして?いやいや、ヒロインとの関係が噂になるくらいの人だよ?ないない。それはない。
「会長、まさかとは思いますけどファーストキスだったりしませんよね?」
「そ、それは…」
「星七さんとの関係が噂になるくらいですもん。それはないですよね。すみません、冗談でもそんな事を聞いてしまって」
「うるさいっ!初ちゅーでも何でも構わんだろうが!助かったんだから一々細かい事を気にするな!」
あ、図星だったか
「そうですよね、もう言いません」
これ以上掘り下げたら彼のわずかなプライドが粉々に砕け散り灰になって消える気がしたので止めることにした。
「…き、貴様はどうなんだ?」
「は?」
「だからっ!貴様はどうなんだと聞いているんだ!?」
自身は何だって構わない、細かい事は気にするなとか言ってたのに私の事は気にするっておかしくないですかねグアバさん。
「はぁ……会長」
「何だ?」
「そんなんだから星七さんに振り向きもされずちゅーもまだないんですよ」
「なっ!?それとこれとは関係ないだろ!」
「いやいや、そうは言ってもですね…ハッ!クシュンッ!!!」
言い返そうと言葉を並べるが夜中のびしょ濡れ状態の体のせいで寒さも伴いくしゃみが出た。
「あ、すまん。先にタオルを持って来るべきだったな」
「いえ、会長が気が回らない程のダメ男なのは知ってますのでお気にせず。会長も濡れている事だし、ここは私が持ってきますから会長は大人しくここで…」
「待て」
早々にタオルを取りに行こうと足を向けたと同時にプルプルと震えた手が腕を掴む。
「お、俺が行く」
「でも、会長もびしょ濡れなんだからここは私が行った方が…」
「貴様はダメだ!」
「え、何で?」
「貴様はその…‥目のやり場に困るからだっ!」
「は?」
グアバの言葉に私の脳内は一時フリーズした。
目のやり場に困る?・・・
「うひゃっ!?」
視線を下に巡らせるとびしょ濡れのせいで中の下着が透けて見えていた。
「か、かかか会長!一体どこ見てるんですか!?このヘタレ変態!!!」
「馬鹿言え!見たくて見てるわけあるか!見たくなくても見えてるんだから仕方ないだろ」
「まぁ確かに、真っ赤になりながら後ろ向いて必死に見ないようにしている初な会長がそんな邪な行動ありえないですよね。ましては私になんかないですよね」
「あ、当たり前だ!お前の体など微塵も興味ない!」
それはそれで少し傷つくけど…ま、いっか。ヒロイン一筋じゃなきゃ私が困るし。
「じゃあ、会長に任せます」
「ああ。大人しくそこで待っていろ」
「はい」
そう言って、びしょ濡れ状態の会長を見送ると私は少しでも寒さをなくすように体を抱き締め体育座りをすると湖を眺めぼーっとする事にした。
「はぁ~~~…‥ある意味これって死亡フラグだったんじゃないか?ん~、まぁ助かったしよしとするか」
助かったのだから全てよしとそう自分に言い聞かせていると後ろの茂みの方から誰かの声がした。
「…待って!」
女性の声?
反射的に身を隠そうと草木に身を潜めるとその誰かの声に聞き耳をたてる。
「待っててば!りょんくん!」
りょんくん?
「煩い、離せ」
この冷た過ぎる言い方ってもしかして…
「いいじゃん!皆いないんだし」
「いなくても不愉快だ。苺」
やっぱりか~~~~!
その正体は甘ったるい声の持ち主のヒロインこと星七 苺と冷たく突っぱねる冷酷男こと桜桃 凌牙だった。
こんな夜更けに2人っきりでなんて何かあるとしか思えない。林間合宿で桜桃 凌牙のイベントなんて明日の就寝前におきる誘うキスしかな…‥
「りょんくんこっち向いて?」
「だから、何度も…んっ……」
そのキスイベとやらは今目の前で起きているものだと私は身をもって経験した。
あー、どうしよう。まさか目の前でキスシーンを見ることになるなんて…‥こんなのあのヘタレ王子が見たら大変な事にな…
バサッ…
何かが落ちる音に思わず身が強ばり恐る恐る横を見ると物陰に棒立ちで固まるヘタレ王子こと鳳梨 グアバがいた。
なんてバットタイミングなんだ…‥
湖を泳ぎながら腕の中にいる桃に対し心配と怒りが入り交じっていた。
「はぁ…はぁ…‥おい!目を覚ませ!アホ!」
岸辺まで何とか辿り着き桃の体を揺さぶるが目が覚める気配はなかった。
「チッ…こうなったら人工マッサージしか……あー!こんな時に小さな事で迷ってられるか!絶対目を覚ませよ!」
*
暖かな光の中にエプロン姿の黒髪女性がいた。
あれは…‥
「…お母さん‥?」
そこに居たのは間違いなく桃の母。昔の頃の母だった。
「あら桃ちゃん!起きたの?」
「起きた?」
私、寝てたんだっけ?
「まだ寝ぼけているのね。早く顔洗って目を覚ましてきたら?」
「うん、そうする」
まだふわふわする感覚に足もおぼつかないまま洗面所へと向かう。
この時の母はちょうど父が出て行った後だったんだよなぁ…お世辞でもいいとは言えない古びたマンションに引っ越して母一人子一人の生活が始まって経済的にもギリギリだったけど毎日母との小さな出来事が幸せでずっとそれが続けばいいって…‥そう思って……‥あ…‥
洗面所の前まで何とか辿り着いた拍子に不意に頬に伝う涙に気づき足を止める。
「何で涙なんか…?」
続けばいいって思う幸せなんてずっと続くわけない。頭では分かっていてもそう願わずにはいられなかった。それは母も思っていた事。期待しても壊れる時は壊れ失くなる。それでも、そう分かっていても諦めないで頑張る人を私は知っている。それは…‥
「…‥‥お…‥‥…っ…」
え…‥?
「…‥‥起きろ…っ!」
誰…?
「起きろっ!桃!」
「ゴフッ!?ゴホゴホゴホッ!!!」
聞こえてくる声に重い瞼を開けると必死な顔で呼ぶ鳳梨 グアバの顔が飛び込みそれと同時に口から水を吐き出した。
「はぁ~~~~…‥まったく、貴様はどこまで世話を焼かせれば気が済むんだ!」
「すみません…助かりました。ありがとうございます」
何故か背を向け体育座りで怒りをぶつけるグアバを不思議に思いながらも素直にお礼を述べた。
それより、さっきこの人私の事を桃って言ったような…?
「あの会長」
「何だ?」
「さっき私の事を桃って言いませんでしたか?」
「なっ!?そ、そそんな事俺様が言うわけないだろ!アホ!」
「そうですよね」
うむ、きっと気のせいだ。んー、でも湖に溺れて気を失っていた私をどうやって助けたんだ?私が会長の立場ならまず人工マッサージでしょ?次に人工こ…‥
「か、かかか会長っ!」
「次は何だ?」
「私を助ける為にまさか人工呼吸とかしてませんよね?」
「そ、それは…‥‥き、気にするな。ただの治療だ。カウントはされん!」
耳まで真っ赤になって言ってる人が言っても説得力がないんだけど…っていうかまさか会長もファーストキスだったりして?いやいや、ヒロインとの関係が噂になるくらいの人だよ?ないない。それはない。
「会長、まさかとは思いますけどファーストキスだったりしませんよね?」
「そ、それは…」
「星七さんとの関係が噂になるくらいですもん。それはないですよね。すみません、冗談でもそんな事を聞いてしまって」
「うるさいっ!初ちゅーでも何でも構わんだろうが!助かったんだから一々細かい事を気にするな!」
あ、図星だったか
「そうですよね、もう言いません」
これ以上掘り下げたら彼のわずかなプライドが粉々に砕け散り灰になって消える気がしたので止めることにした。
「…き、貴様はどうなんだ?」
「は?」
「だからっ!貴様はどうなんだと聞いているんだ!?」
自身は何だって構わない、細かい事は気にするなとか言ってたのに私の事は気にするっておかしくないですかねグアバさん。
「はぁ……会長」
「何だ?」
「そんなんだから星七さんに振り向きもされずちゅーもまだないんですよ」
「なっ!?それとこれとは関係ないだろ!」
「いやいや、そうは言ってもですね…ハッ!クシュンッ!!!」
言い返そうと言葉を並べるが夜中のびしょ濡れ状態の体のせいで寒さも伴いくしゃみが出た。
「あ、すまん。先にタオルを持って来るべきだったな」
「いえ、会長が気が回らない程のダメ男なのは知ってますのでお気にせず。会長も濡れている事だし、ここは私が持ってきますから会長は大人しくここで…」
「待て」
早々にタオルを取りに行こうと足を向けたと同時にプルプルと震えた手が腕を掴む。
「お、俺が行く」
「でも、会長もびしょ濡れなんだからここは私が行った方が…」
「貴様はダメだ!」
「え、何で?」
「貴様はその…‥目のやり場に困るからだっ!」
「は?」
グアバの言葉に私の脳内は一時フリーズした。
目のやり場に困る?・・・
「うひゃっ!?」
視線を下に巡らせるとびしょ濡れのせいで中の下着が透けて見えていた。
「か、かかか会長!一体どこ見てるんですか!?このヘタレ変態!!!」
「馬鹿言え!見たくて見てるわけあるか!見たくなくても見えてるんだから仕方ないだろ」
「まぁ確かに、真っ赤になりながら後ろ向いて必死に見ないようにしている初な会長がそんな邪な行動ありえないですよね。ましては私になんかないですよね」
「あ、当たり前だ!お前の体など微塵も興味ない!」
それはそれで少し傷つくけど…ま、いっか。ヒロイン一筋じゃなきゃ私が困るし。
「じゃあ、会長に任せます」
「ああ。大人しくそこで待っていろ」
「はい」
そう言って、びしょ濡れ状態の会長を見送ると私は少しでも寒さをなくすように体を抱き締め体育座りをすると湖を眺めぼーっとする事にした。
「はぁ~~~…‥ある意味これって死亡フラグだったんじゃないか?ん~、まぁ助かったしよしとするか」
助かったのだから全てよしとそう自分に言い聞かせていると後ろの茂みの方から誰かの声がした。
「…待って!」
女性の声?
反射的に身を隠そうと草木に身を潜めるとその誰かの声に聞き耳をたてる。
「待っててば!りょんくん!」
りょんくん?
「煩い、離せ」
この冷た過ぎる言い方ってもしかして…
「いいじゃん!皆いないんだし」
「いなくても不愉快だ。苺」
やっぱりか~~~~!
その正体は甘ったるい声の持ち主のヒロインこと星七 苺と冷たく突っぱねる冷酷男こと桜桃 凌牙だった。
こんな夜更けに2人っきりでなんて何かあるとしか思えない。林間合宿で桜桃 凌牙のイベントなんて明日の就寝前におきる誘うキスしかな…‥
「りょんくんこっち向いて?」
「だから、何度も…んっ……」
そのキスイベとやらは今目の前で起きているものだと私は身をもって経験した。
あー、どうしよう。まさか目の前でキスシーンを見ることになるなんて…‥こんなのあのヘタレ王子が見たら大変な事にな…
バサッ…
何かが落ちる音に思わず身が強ばり恐る恐る横を見ると物陰に棒立ちで固まるヘタレ王子こと鳳梨 グアバがいた。
なんてバットタイミングなんだ…‥
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
花嫁召喚 〜異世界で始まる一妻多夫の婚活記〜
文月・F・アキオ
恋愛
婚活に行き詰まっていた桜井美琴(23)は、ある日突然異世界へ召喚される。そこは女性が複数の夫を迎える“一妻多夫制”の国。
花嫁として召喚された美琴は、生きるために結婚しなければならなかった。
堅実な兵士、まとめ上手な書記官、温和な医師、おしゃべりな商人、寡黙な狩人、心優しい吟遊詩人、几帳面な官僚――多彩な男性たちとの出会いが、美琴の未来を大きく動かしていく。
帰れない現実と新たな絆の狭間で、彼女が選ぶ道とは?
異世界婚活ファンタジー、開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる