リアルの恋は卒業したのですが猫系エリート商社マンの元カレと駄犬系後輩に迫られて困っています

たまりん

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なんなのでしょう?

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「泉、13階にいたよね? 何で?」

そう驚きを隠せない私に対して、泉にはいつもの砕けた様子は無かった。

「何で……?それは、言葉ですね? 何すか?その恰好?」

そう言われて顔が引き攣った。

「え……。やだっ、やっぱり変? そんな怖い顔して止めに来るくらい変だった??」

カバンの中から小さなミラーを取り出して、今更どうしようかとオロオロする私に、苦虫を噛み潰したような泉は続けた。

「そ~いうこと、言ってるんじゃなくて、って何ですか?その気にし方??らしくないでしょ?」

「だ、だって、らしくないところ行くんだから、らしくするしかないかと思って……」

「チッ…………」

「……泉?」

その瞬間、舌打ちの音と共に泉の視線が突き刺さった。

「へっ……、なっ。何?」

戸惑う私に泉は低い声で問いかける。

「どこに……、いえ、行くんですか?」

「えっ………」

「答えられないんですか?」

「そっ、べつにそうじゃないんだけど……」

でもなんでだろう。
答えてはいけない気がするのは何故なのか……。

「いっ、泉には、か、関係ないよね……?」

そう躊躇いの中で思わず出た言葉に、泉は不機嫌に顔を歪めた。

「関係……ない?」

その普段は絶対見せない薄暗い表情に私は一歩後ずさった。

「ちょ……、泉、そうじゃなくて、でもそんなプライベートな事までさ、後輩にいちいち報告しないよね?」

その瞬間、泉の目尻がピクリとヒクついた。

「後輩……?」

互いに引き攣った顔で見つめ合う。
泉とこんな雰囲気になる事は初めてだった。

「へぇ…、莉子先輩にとって、俺はただの後輩なんですか?」

「泉…?」

その瞬間泉は俯いた。

「……あいつに、会ったからですか?」

掠れたような薄暗い声に戸惑う。

「あいつ…?」

会社のエントランスの隅で、まるでその薄暗さに囚われるように壁に押し付けられる。

「い、泉?」

こんな私たちの光景が異様に映るのだろう。
周りもヒソヒソとこちらの様子を伺っている。

「ちょ、泉、変だよ…?」

そう言いかけた時Limeが何やらメッセージを告げる。同時にホールの時計を見て私は慌てた。

約束の時間の少し前。
おそらく着いたのを知らせるメッセージだろう。

「とっ、とにかくゴメン、泉。私、急いでるんだ。話があるんならまた聞くから…」

何故か泉に見つめられるのがいたたまれなかった。
こんな慣れない格好をしているせいだろうか?

きっと痛い女だって思われているのだろう。

そのまま会社を出た私の前に丁度会社の人が乗ってきたタクシーが到着した。

「莉子先輩…」

そう私の名を呼ぶ泉の声に振り返るのが何故か怖かった。

理由など分からない。

(ゴメン…、泉…)

心で泉に詫びた私はタクシーに乗り込んだ。

何故か心が痛かった。











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