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体感速度が異常に速いけど、時間の流れが私だけバグってたりする?
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そんなこんなで、あれから4年の月日が流れた。
リリアナを産んでから真っ先に行ったのは両親へ手紙を送る事だった。
内容としては私が下町の診療所に居て、そこでリリアナを出産した事。私にもしもの事があった時にリリアナを頼みたいので一度会って欲しいという内容を書いて送った。
我ながら自分勝手な内容に返事が来ないことも覚悟していたけど、意外にも返事は直ぐに届いて屋敷で逢う事になった。
(お母様に頬をぶたれたのはあれが最初で最後であって欲しいわね……)
帰ってきた私を見るなりお母様の平手打ちを貰った。
「一体どれほど心配したと思っているのですか!? 私達がどんな思いで貴方を探していたかなんて知らないで……っ! 」
そう言ってお母様は泣き崩れてしまい、リリアナを抱きかかえながら呆然とお母様を見ているとお父様が話しかけてきた。
「アシュリー、此処までの騒動を起こしたんだ。ちゃんと説明をしてくれるんだな? 」
「はい……。最初から全てお話をさせていただきます。」
それから、二人には全部話した。
デビュタントで起こった事とその後に私が何をしたのか、そして、自分の行い故の責任に耐えられず屋敷から逃げ出した事、下町の診療所での生活とこれからの事を。
(流石にジャックの事は言えないわね……)
私は前世の記憶があるからリリアナの父親が誰だか分かっているけど、実際は名前も教えて貰っていないので何の情報もない状態で探すのは難しいと思う。
(それに、今教えたらジャックの命が危ない気がする)
知らない男性と一夜を共にしたと話したあたりから、二人の顔が凄いことになっていた。二人には合意と伝えてはいるけど、どうやらそう言う話ではなかったらしい。
「傷ついている女性に付け入る男性なんてろくな奴じゃないわ。見つけ次第に去勢を命じましょう。命を取らないだけ慈悲を感じて貰わないと……。」
特にお母様のジャックに対する怒りがすさまじく、お父様に助けを求める視線を向けたけど期待はしてはいけない雰囲気だった。
話を変えようと思っていると、眠っていたリリアナが泣き出してしまったので二人の気もそちらに向かってくれた。
「お腹が空いているのかしら……。」
お母様の言葉に違うと思いますと伝えながらおしめが濡れていないかチェックする。
「此処に来る直前に授乳をしてきたのでそれではないと思いますし、おしりも濡れてないのでぐずって泣いているだけだと思います。」
数時間コースかなぁと少し遠い目をしながらもリリアナを抱えている腕を横に大きく揺らしたり背中をポンポンとしながらあやしているとお母様は目を見開きこちらを見ている。
「……もう、貴方は母親なのですね。」
そう呟くと、お母様はそのまま話をきりだした。
「あの手紙を読んで私はアシュリーの手には負えないから助けてほしいという意味だと思っていました。でも、今の貴方を見て考えが変わりました。」
本当に二人で生きて行くつもりなのですねとお母様の言葉に二人に会う事を決めた最大の理由を話し出した。
「親不孝者の自覚はございます。ですが、私が一番守りたいものはリリアナなのです。侯爵令嬢の不義の子として隠れて暮らすのではなく、この子が大手を振って歩けるのなら私は……『アシュリー・ルーマン』侯爵令嬢は死んだままでいいと思っております。」
隠れて暮らすぐらいなら違う誰かとして生きると言った私の言葉に二人は何も返さないので更に話を続けた。
「しかし、私がもしもの事があった場合にこの子には私以外頼る人間が居ないという状況にはしたくないのです。」
お願いしますと頭を下げると長い沈黙が続いた。それでも頭を下げ続ける私にお母様は大きくため息をついた。
「カトレアと言い貴方と言い私はこういう星の元に生まれてきたのかも知れませんね。」
そう言ったお母様に賛同するようにお父様も頷いてくれた。
「ただし、条件があります。それを全て飲めるのなら貴方達の後ろ盾になりましょう。」
「ありがとうございます、お母様!! ……私達?」
それからお母様の条件の一つのとある商人ギルドの金庫番として働きだしてから4年。私を取り巻く環境が沢山変わったけれど、一番変わった事と言えば---
「お母様!! 」
仕事が終わり、帰り支度をしていると私を待っていたのかギルドの玄関付近にいたリリアナが駆け寄ってきたので抱きしめるときゃらきゃらと笑った。
「もう、そんなに慌てなくてもケーキは逃げないわよ。」
「違うもん! 私はお母様に早く会いたかっただけよ!! 」
そう言いながら手をつないで二人で家路に向かう。
---小説とは違い、横で楽しそうに笑うリリアナが4歳になった事だろうか。
リリアナを産んでから真っ先に行ったのは両親へ手紙を送る事だった。
内容としては私が下町の診療所に居て、そこでリリアナを出産した事。私にもしもの事があった時にリリアナを頼みたいので一度会って欲しいという内容を書いて送った。
我ながら自分勝手な内容に返事が来ないことも覚悟していたけど、意外にも返事は直ぐに届いて屋敷で逢う事になった。
(お母様に頬をぶたれたのはあれが最初で最後であって欲しいわね……)
帰ってきた私を見るなりお母様の平手打ちを貰った。
「一体どれほど心配したと思っているのですか!? 私達がどんな思いで貴方を探していたかなんて知らないで……っ! 」
そう言ってお母様は泣き崩れてしまい、リリアナを抱きかかえながら呆然とお母様を見ているとお父様が話しかけてきた。
「アシュリー、此処までの騒動を起こしたんだ。ちゃんと説明をしてくれるんだな? 」
「はい……。最初から全てお話をさせていただきます。」
それから、二人には全部話した。
デビュタントで起こった事とその後に私が何をしたのか、そして、自分の行い故の責任に耐えられず屋敷から逃げ出した事、下町の診療所での生活とこれからの事を。
(流石にジャックの事は言えないわね……)
私は前世の記憶があるからリリアナの父親が誰だか分かっているけど、実際は名前も教えて貰っていないので何の情報もない状態で探すのは難しいと思う。
(それに、今教えたらジャックの命が危ない気がする)
知らない男性と一夜を共にしたと話したあたりから、二人の顔が凄いことになっていた。二人には合意と伝えてはいるけど、どうやらそう言う話ではなかったらしい。
「傷ついている女性に付け入る男性なんてろくな奴じゃないわ。見つけ次第に去勢を命じましょう。命を取らないだけ慈悲を感じて貰わないと……。」
特にお母様のジャックに対する怒りがすさまじく、お父様に助けを求める視線を向けたけど期待はしてはいけない雰囲気だった。
話を変えようと思っていると、眠っていたリリアナが泣き出してしまったので二人の気もそちらに向かってくれた。
「お腹が空いているのかしら……。」
お母様の言葉に違うと思いますと伝えながらおしめが濡れていないかチェックする。
「此処に来る直前に授乳をしてきたのでそれではないと思いますし、おしりも濡れてないのでぐずって泣いているだけだと思います。」
数時間コースかなぁと少し遠い目をしながらもリリアナを抱えている腕を横に大きく揺らしたり背中をポンポンとしながらあやしているとお母様は目を見開きこちらを見ている。
「……もう、貴方は母親なのですね。」
そう呟くと、お母様はそのまま話をきりだした。
「あの手紙を読んで私はアシュリーの手には負えないから助けてほしいという意味だと思っていました。でも、今の貴方を見て考えが変わりました。」
本当に二人で生きて行くつもりなのですねとお母様の言葉に二人に会う事を決めた最大の理由を話し出した。
「親不孝者の自覚はございます。ですが、私が一番守りたいものはリリアナなのです。侯爵令嬢の不義の子として隠れて暮らすのではなく、この子が大手を振って歩けるのなら私は……『アシュリー・ルーマン』侯爵令嬢は死んだままでいいと思っております。」
隠れて暮らすぐらいなら違う誰かとして生きると言った私の言葉に二人は何も返さないので更に話を続けた。
「しかし、私がもしもの事があった場合にこの子には私以外頼る人間が居ないという状況にはしたくないのです。」
お願いしますと頭を下げると長い沈黙が続いた。それでも頭を下げ続ける私にお母様は大きくため息をついた。
「カトレアと言い貴方と言い私はこういう星の元に生まれてきたのかも知れませんね。」
そう言ったお母様に賛同するようにお父様も頷いてくれた。
「ただし、条件があります。それを全て飲めるのなら貴方達の後ろ盾になりましょう。」
「ありがとうございます、お母様!! ……私達?」
それからお母様の条件の一つのとある商人ギルドの金庫番として働きだしてから4年。私を取り巻く環境が沢山変わったけれど、一番変わった事と言えば---
「お母様!! 」
仕事が終わり、帰り支度をしていると私を待っていたのかギルドの玄関付近にいたリリアナが駆け寄ってきたので抱きしめるときゃらきゃらと笑った。
「もう、そんなに慌てなくてもケーキは逃げないわよ。」
「違うもん! 私はお母様に早く会いたかっただけよ!! 」
そう言いながら手をつないで二人で家路に向かう。
---小説とは違い、横で楽しそうに笑うリリアナが4歳になった事だろうか。
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