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第六話「共存の拒絶」
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最初の“知らせ”は、道場の母親からだった。
「先生、うちの猫が……」
朝、玄関前で出迎えたあかりの母親が、申し訳なさそうに言う。娘の着替え袋を提げた肩の力が落ちている。
「病気ですか?」
思わず訊いた美沙に、彼女は小さく首を振った。
「昨日の夜から急に。ずっと隅に隠れて出てこなくなって……今朝になって、もう冷たくなってて」
美沙は黙ってうなずいた。死因は問えなかった。
それは初めてではない。
昨日は涼太の家でも、似た話を聞いた。
「最近、うちの犬が……夜中に吠えて、何かに向かって唸るんです」
「白い子に近づけると、すごく怯える」
“白い子”、つまりエキドナ。蓮の“しろ”と同じペットを、多くの家庭が飼い始めていた。静かで手がかからず、癒やしになる――はずだった。
けれど近頃は「猫が隠れる」「犬が吠え止まない」「昔からの動物が落ち着かない」という話が重なる。どの家にも“白いペット”がいた。偶然と言い切れない。
道場の入り口を閉めると、美沙は正面鏡の前で立ち尽くした。
外から子どもたちの声。あかりの笑い声も混じる。猫の死を彼女の母は「まだ子どもには話していません」と言っていた。
その子はいま普通に笑っている。
(知らないって、強い)
自分が知る“現実”と、子どもたちの世界が、少しずつ重なりを失っている気がした。蓮を見ていると、特に。
彼の言葉、行動、視線――すべてが“読めない”ものに変わりつつある。だがそれは蓮ひとりの問題ではない。
白いペットが家に入ってから、子どもたちの見ている風景が変わっていく。蓮だけでなく、涼太も、あかりも。
今朝の稽古でも、三人は同じタイミングで「よろしくおねがいします」と頭を下げた。声の高さ、語尾、姿勢まで完全に一致していた。
――あれが“偶然”で済むのは、あとどれくらいだろう。
午後、美沙は近所のスーパーへ。冷蔵庫が寂しかったのと、頭を冷やしたかった。
レジ前の掲示板には「迷子ペットのお知らせ」。
「茶トラ猫2歳・名前みかん」「シェルティ行方不明」「うさぎが小屋から抜け出しました」。
どれにも“白いペット”の名はない。
買い物袋を提げ、角を曲がる。
前方に母子。子の手にはリード。つながれているのは白くて丸い“あれ”。
歩道を進むそのペットは、リードに反応せず、子どもの歩調に自然に合わせて進む。
(リードは“飾り”か)
そう思ったとき、白いペットがふいに後ろを振り向いた。誰かに呼ばれたわけではない。母子も気づかない。
ただ、美沙が“見ている”という事実に反応したように。
目が、合った。
何も感じないのに、何かが流れ込む感覚。
すぐ視線を逸らし、歩を早める。
(何かが、変わってきてる)
その“変化”は静かすぎて言葉にならない。けれど確実に“拒絶”が始まっている。同じ空間にいながら、相容れないものとして。
道場の休憩時間。今日の稽古は三人だけ――あかり、涼太、蓮。無言で肩を並べ、初動を揃えて打ち続ける。
「――うちの猫、押入れから出てこなくなっちゃって」
「うちも。柴犬が震えて、獣医でも原因不明」
「ねえ、あかりちゃんのとこもエキドナ飼ってるのよね?」
あかりの母がうなずく。
「白い子。“もも”。おとなしくて可愛いと思ったんだけど……」
言い淀む声に、他の母親も神妙になる。
「最近、子どもが“同じ夢”を何度も見るって。白い場所でみんな並んで立ってるとか、ペットがたくさんいるとか」
美沙は無意識に膝を握りしめた。
(“しろ”と出会ってから、蓮も……)
蓮も夜中の寝言が増えた。「だいじょうぶ。みんな、いるから……」。あの顔が脳裏に残る。
「気になることがあって」
涼太の母が声をひそめる。
「実家の老猫を預かってたけど、このあいだ――死んじゃって。外傷はないのに、朝ソファの下で。獣医は年齢と言うけど……あの夜、家が妙に静かで、子どもたちも声を出さなかった」
――静かすぎる夜。動物の気配だけが“消える”。
「それって……うちは別のペットだけど、近づけたら吠えちゃって」
「うちも!」
“偶然”が重なっていく。
美沙は冷水を一口。喉の奥は乾いたまま。
(たまたま? そんなわけない……)
言えば場の空気が変わる。だから沈黙を選ぶ。
けれど耳に残る“共通の言葉”――「静かでいい子」「ぬいぐるみみたい」。どの母親も同じ。
廊下の隅のケージが視界の端に入る。蓮の“しろ”のキャリーバッグ。
中の白い塊は動かない。ただ黒い瞳だけが、こちらを見ている。まばたきしたように見えても、錯覚かもしれない。
(見てる……)
ざわり、と肌を冷たい風が撫でた感覚。美沙は首筋を押さえ、視線をそらす。だが“視線”は残り続けた。
「そういえば……あの白いペット、どこの店?」
「駅前モールのメゾン・ラミア――」
その名を聞いた瞬間、何かが結びつく。
最初に入った、あの店。ふとした違和感、曖昧な微笑み。最初から導かれていたかのような。
(違う。偶然じゃない……)
頭ではそう思うのに、胸の奥は認めたがらない。
誰も疑っていないものを、ひとりで疑う孤独を美沙は知っている。
稽古を終えた蓮が戻ってくる。足を引きずるような歩き方だが、口元に微かな笑み。美沙は声をかけそびれた。
そのとき、ケージの中でしろが――まばたきをした。
それは、確認だった。「わかってる」と。
何を、だ。なぜ「答えた」と感じたのか――。
夜。美沙は携帯を握ったまま迷っていた。
蓮はもう寝息を立てている。道場の居間は静まり返り、テレビには消音のニュース。特集は「癒し効果」「新しい家族」「共生のあり方」。
“癒し”か。美沙は小さくため息。
(違う……ただの癒しなんかじゃない)
しろが来てから、蓮は変わった。言葉数は減り、視線はいつもしろ。何を言っても届かない。壁に向かって話しているようだ。今朝も、あかりの家の猫が怯えた。あの家も白い球体を迎えたばかり。
「――やっぱり、おかしい」
言葉にした瞬間、背中に冷たいものが走る。自分だけではない。違和感は周囲にも広がっている。
誰に話す? 警察? 保健所? 相手にされないだろう。
(燈子さんなら……)
久世燈子の顔が浮かんだ。学生時代、柔道部と空手部の合同練習で顔を合わせた。掃除、帰り道、奇妙に心地よい間合い。
文化祭の“都市信仰”“失われた祈り”のパネル前で、彼女は真剣に語っていた。抽象的で難解な話を、誰よりも熱を込めて。
(変わってるよな……でも、筋は通ってた)
今は都内の大学で民俗学を教えるという。古い信仰や土地の記憶、失われる風習を掘り起こし、繋ぐ仕事。聞いたとき驚いたが、すぐ納得した。
学術の繋がりも豊富。専門外でも、彼女のネットワークなら糸口が掴めるかもしれない。あのときと同じように“都市の祈り”を見ているなら、この白いペットにも見立てが立つはず。
結婚して子どももいたはず。数年前、連絡が途絶えた時期に何かあったと噂で聞いたが詳しくは知らない。
だからこそ――今の彼女なら、育児がただの作業ではないと知っている。言葉なく通じること、言葉があっても通じないこと。親子がいかに危ういか。
今の美沙には、その眼差しが必要だった。
意を決して発信。三度のコールで繋がる。
『……もしもし?』
いつもより少し疲れた声。時刻はすでに十時過ぎ。
「ごめん、遅くに。いま大丈夫?」
『ええ。どうしたの、美沙さん』
「実は……ペットのことで相談したくて」
最近起きていることを話す。白いペット、他の動物の異常、家庭に広がる共通点。蓮の変化も、できる限り具体的に。
『……興味深いわ。こっちにも似た話が来てる。“白い無音の動物”の報告が、大学の複数の研究室に散発的に』
「大学って……どの分野?」
『主に動物行動学、神経生理学。分類学でも少し。まだ“都市伝説”扱いだけど』
美沙は唾を飲み込む。
「詳しい人、紹介してもらえる?」
『もちろん。連絡を取ってみる。ただ、まだ材料が少ない。ペットの名称は?』
「“エキドナ”。白くて丸く、声を出さない。まるで……」
『“視線”だけで関係を作ってくる感覚、でしょう』
その一言に、美沙は息を呑む。(まさに、それ)
『共生が成り立たない動物は、他を“排除”する仕組みを内在している場合がある。進化で獲得も、人工改変でも。――』
「つまり、他の動物と共存できないよう“作られている”可能性?」
『ある、とだけは言える。けれど“作り方”を知るには、もっとデータが要る』
メモの音。
『心当たりに照会する。返事がどれだけ来るか分からないけど、進展があればすぐ知らせる』
「ありがとう、燈子さん」
『こちらこそ。……それと、美沙さん』
「なに?」
『そのペット、あまり“見つめすぎないで”。目は、ただ“見る”器官じゃない――“通路”にもなるの』
突然の言葉に、美沙は口を閉じた。
通話が切れても、携帯を握ったまま動けない。
“通路”。
しろの瞳が、いつか蓮を通じて“何か”と繋がる――そんな予感が離れなかった。
「先生、うちの猫が……」
朝、玄関前で出迎えたあかりの母親が、申し訳なさそうに言う。娘の着替え袋を提げた肩の力が落ちている。
「病気ですか?」
思わず訊いた美沙に、彼女は小さく首を振った。
「昨日の夜から急に。ずっと隅に隠れて出てこなくなって……今朝になって、もう冷たくなってて」
美沙は黙ってうなずいた。死因は問えなかった。
それは初めてではない。
昨日は涼太の家でも、似た話を聞いた。
「最近、うちの犬が……夜中に吠えて、何かに向かって唸るんです」
「白い子に近づけると、すごく怯える」
“白い子”、つまりエキドナ。蓮の“しろ”と同じペットを、多くの家庭が飼い始めていた。静かで手がかからず、癒やしになる――はずだった。
けれど近頃は「猫が隠れる」「犬が吠え止まない」「昔からの動物が落ち着かない」という話が重なる。どの家にも“白いペット”がいた。偶然と言い切れない。
道場の入り口を閉めると、美沙は正面鏡の前で立ち尽くした。
外から子どもたちの声。あかりの笑い声も混じる。猫の死を彼女の母は「まだ子どもには話していません」と言っていた。
その子はいま普通に笑っている。
(知らないって、強い)
自分が知る“現実”と、子どもたちの世界が、少しずつ重なりを失っている気がした。蓮を見ていると、特に。
彼の言葉、行動、視線――すべてが“読めない”ものに変わりつつある。だがそれは蓮ひとりの問題ではない。
白いペットが家に入ってから、子どもたちの見ている風景が変わっていく。蓮だけでなく、涼太も、あかりも。
今朝の稽古でも、三人は同じタイミングで「よろしくおねがいします」と頭を下げた。声の高さ、語尾、姿勢まで完全に一致していた。
――あれが“偶然”で済むのは、あとどれくらいだろう。
午後、美沙は近所のスーパーへ。冷蔵庫が寂しかったのと、頭を冷やしたかった。
レジ前の掲示板には「迷子ペットのお知らせ」。
「茶トラ猫2歳・名前みかん」「シェルティ行方不明」「うさぎが小屋から抜け出しました」。
どれにも“白いペット”の名はない。
買い物袋を提げ、角を曲がる。
前方に母子。子の手にはリード。つながれているのは白くて丸い“あれ”。
歩道を進むそのペットは、リードに反応せず、子どもの歩調に自然に合わせて進む。
(リードは“飾り”か)
そう思ったとき、白いペットがふいに後ろを振り向いた。誰かに呼ばれたわけではない。母子も気づかない。
ただ、美沙が“見ている”という事実に反応したように。
目が、合った。
何も感じないのに、何かが流れ込む感覚。
すぐ視線を逸らし、歩を早める。
(何かが、変わってきてる)
その“変化”は静かすぎて言葉にならない。けれど確実に“拒絶”が始まっている。同じ空間にいながら、相容れないものとして。
道場の休憩時間。今日の稽古は三人だけ――あかり、涼太、蓮。無言で肩を並べ、初動を揃えて打ち続ける。
「――うちの猫、押入れから出てこなくなっちゃって」
「うちも。柴犬が震えて、獣医でも原因不明」
「ねえ、あかりちゃんのとこもエキドナ飼ってるのよね?」
あかりの母がうなずく。
「白い子。“もも”。おとなしくて可愛いと思ったんだけど……」
言い淀む声に、他の母親も神妙になる。
「最近、子どもが“同じ夢”を何度も見るって。白い場所でみんな並んで立ってるとか、ペットがたくさんいるとか」
美沙は無意識に膝を握りしめた。
(“しろ”と出会ってから、蓮も……)
蓮も夜中の寝言が増えた。「だいじょうぶ。みんな、いるから……」。あの顔が脳裏に残る。
「気になることがあって」
涼太の母が声をひそめる。
「実家の老猫を預かってたけど、このあいだ――死んじゃって。外傷はないのに、朝ソファの下で。獣医は年齢と言うけど……あの夜、家が妙に静かで、子どもたちも声を出さなかった」
――静かすぎる夜。動物の気配だけが“消える”。
「それって……うちは別のペットだけど、近づけたら吠えちゃって」
「うちも!」
“偶然”が重なっていく。
美沙は冷水を一口。喉の奥は乾いたまま。
(たまたま? そんなわけない……)
言えば場の空気が変わる。だから沈黙を選ぶ。
けれど耳に残る“共通の言葉”――「静かでいい子」「ぬいぐるみみたい」。どの母親も同じ。
廊下の隅のケージが視界の端に入る。蓮の“しろ”のキャリーバッグ。
中の白い塊は動かない。ただ黒い瞳だけが、こちらを見ている。まばたきしたように見えても、錯覚かもしれない。
(見てる……)
ざわり、と肌を冷たい風が撫でた感覚。美沙は首筋を押さえ、視線をそらす。だが“視線”は残り続けた。
「そういえば……あの白いペット、どこの店?」
「駅前モールのメゾン・ラミア――」
その名を聞いた瞬間、何かが結びつく。
最初に入った、あの店。ふとした違和感、曖昧な微笑み。最初から導かれていたかのような。
(違う。偶然じゃない……)
頭ではそう思うのに、胸の奥は認めたがらない。
誰も疑っていないものを、ひとりで疑う孤独を美沙は知っている。
稽古を終えた蓮が戻ってくる。足を引きずるような歩き方だが、口元に微かな笑み。美沙は声をかけそびれた。
そのとき、ケージの中でしろが――まばたきをした。
それは、確認だった。「わかってる」と。
何を、だ。なぜ「答えた」と感じたのか――。
夜。美沙は携帯を握ったまま迷っていた。
蓮はもう寝息を立てている。道場の居間は静まり返り、テレビには消音のニュース。特集は「癒し効果」「新しい家族」「共生のあり方」。
“癒し”か。美沙は小さくため息。
(違う……ただの癒しなんかじゃない)
しろが来てから、蓮は変わった。言葉数は減り、視線はいつもしろ。何を言っても届かない。壁に向かって話しているようだ。今朝も、あかりの家の猫が怯えた。あの家も白い球体を迎えたばかり。
「――やっぱり、おかしい」
言葉にした瞬間、背中に冷たいものが走る。自分だけではない。違和感は周囲にも広がっている。
誰に話す? 警察? 保健所? 相手にされないだろう。
(燈子さんなら……)
久世燈子の顔が浮かんだ。学生時代、柔道部と空手部の合同練習で顔を合わせた。掃除、帰り道、奇妙に心地よい間合い。
文化祭の“都市信仰”“失われた祈り”のパネル前で、彼女は真剣に語っていた。抽象的で難解な話を、誰よりも熱を込めて。
(変わってるよな……でも、筋は通ってた)
今は都内の大学で民俗学を教えるという。古い信仰や土地の記憶、失われる風習を掘り起こし、繋ぐ仕事。聞いたとき驚いたが、すぐ納得した。
学術の繋がりも豊富。専門外でも、彼女のネットワークなら糸口が掴めるかもしれない。あのときと同じように“都市の祈り”を見ているなら、この白いペットにも見立てが立つはず。
結婚して子どももいたはず。数年前、連絡が途絶えた時期に何かあったと噂で聞いたが詳しくは知らない。
だからこそ――今の彼女なら、育児がただの作業ではないと知っている。言葉なく通じること、言葉があっても通じないこと。親子がいかに危ういか。
今の美沙には、その眼差しが必要だった。
意を決して発信。三度のコールで繋がる。
『……もしもし?』
いつもより少し疲れた声。時刻はすでに十時過ぎ。
「ごめん、遅くに。いま大丈夫?」
『ええ。どうしたの、美沙さん』
「実は……ペットのことで相談したくて」
最近起きていることを話す。白いペット、他の動物の異常、家庭に広がる共通点。蓮の変化も、できる限り具体的に。
『……興味深いわ。こっちにも似た話が来てる。“白い無音の動物”の報告が、大学の複数の研究室に散発的に』
「大学って……どの分野?」
『主に動物行動学、神経生理学。分類学でも少し。まだ“都市伝説”扱いだけど』
美沙は唾を飲み込む。
「詳しい人、紹介してもらえる?」
『もちろん。連絡を取ってみる。ただ、まだ材料が少ない。ペットの名称は?』
「“エキドナ”。白くて丸く、声を出さない。まるで……」
『“視線”だけで関係を作ってくる感覚、でしょう』
その一言に、美沙は息を呑む。(まさに、それ)
『共生が成り立たない動物は、他を“排除”する仕組みを内在している場合がある。進化で獲得も、人工改変でも。――』
「つまり、他の動物と共存できないよう“作られている”可能性?」
『ある、とだけは言える。けれど“作り方”を知るには、もっとデータが要る』
メモの音。
『心当たりに照会する。返事がどれだけ来るか分からないけど、進展があればすぐ知らせる』
「ありがとう、燈子さん」
『こちらこそ。……それと、美沙さん』
「なに?」
『そのペット、あまり“見つめすぎないで”。目は、ただ“見る”器官じゃない――“通路”にもなるの』
突然の言葉に、美沙は口を閉じた。
通話が切れても、携帯を握ったまま動けない。
“通路”。
しろの瞳が、いつか蓮を通じて“何か”と繋がる――そんな予感が離れなかった。
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