異世界に飛ばされたけど『ハコニワ』スキルで無双しながら帰還を目指す

かるぼな

文字の大きさ
87 / 94

87.善戦

しおりを挟む
「ぐっ!」

 シーナを背後から襲った人物は、完全に不意打ちの死角からの攻撃が届かなかったことを悟る。
 さらに追撃を喰らわせようとするも、ネネが追いつき魔力刀を振るう。
 その人物はその攻撃に対処せざるを得ない。

「ちっ!」

 何とか弾き返し距離をとる。 

(今のはレンヤさんの魔力!)

 シーナを凶刃から守った盾の魔力はレンヤの物であったとネネは理解した。
 ネネが感じた通りシーナを守ったのはレンヤのスキルだ。

 以前に四星魔と言われる魔人のグエン=ドンナーと対峙する前に準備していた。
 複合のスキルで、それがシーナに『付与』されている。
 攻撃を受けた際にスキルで反撃が出来る『受動』に『風盾』と『光盾』がセットされており今の攻撃を防いだ。

 前回は発動することがなかったので、そのままの状態だった。
 結果的にシーナの命を救えたのだからレンヤの狙い通りといえばそうなのだろう。
 もちろんネネにも同じ物が付与されている。

 攻撃してきた人物はまさか防がれるとは思わなかった。
 この人物は先程の魔人の兄であり名前をゲオン=ドンナーという。
 弟と同じ主に使える四星魔の一人だ。

 **************************
 名前:ゲオン=ドンナー(四星魔)
 種族:魔人

 LⅤ :699
 HP :29000/29000
 MP :33000/33000
 攻撃力:25600
 防御力:17000
 魔力 :16500
 俊敏 :6000
 
 ―スキル―
 『探知』『炎纏』『炎塊』『炎盾』『炎牙』

 ―特別スキル―
 『影動』
 **************************

 弟と同じような強さであるが人間と比べれば遥かに強い。
 特別スキルも持っている。
 先程空から落とした炎の岩は『炎塊』のスキルだ。

 シーナは何とか全てを打ち落としネネに問う。

「なんなんですのアイツは?」
「分かりません。でもレンヤさんのスキルでシーナ様は助かりました」
「えっ! そうなのですわね」

 守られていたんだという嬉しさを感じつつも、目の前の強敵にどう立ち向かうかでシーナは頭をフル回転させる。
 シーナとネネもレンヤに鍛えられたとはいえ、さすがにここまでのレベルには達していない。

 シーナ達に声をかけてきた盗賊達も、魔人の一睨みで蜘蛛の子を散らすように去っていく。
 
「まあ防がれたのは仕方がない」

 魔人ゲオンは長距離用転送魔導具で先程この街についたばかりだ。
 その時にちょうど盗賊達といた、ネネの高い魔力を感じたのでこの場にきた。
 そこで運よく目的であるターゲットがいたのだからゲオンは歓喜する。

 ゲオンは『炎塊』で倒せればよかったが、それがダメでも背後から仕留めればいいぐらいに考えていた。
 まさかその一撃も防がれ計算が狂う。

 ネネに迷いはない。
 レンヤのスキルがなければシーナの命はなかった。
 何も出来なかった自分の不甲斐なさに怒りが湧き、目の前の強敵に全力をぶつける。

「『風纏』!!」
「!? お前本当に……人間か?」

 ネネの全力の『風纏』はゲオンをも驚かせるものだった。

「はあああああ!」

 高めた魔力で全力で斬りつける。
 それでもステータス的には魔人の方が上だ。

 しかしネネは俊敏さ、剣技、魔力刀の性能、そしてシーナのサポートにより
魔人とも互角に戦えている。
 シーナもサポートと防御主体だが攻撃の魔法を混ぜながらゲオンの体力を削っていく。

「ふざけんなお前ら!」
「!?」
「消えた!」

 移動したのではなくシーナとネネの見ている前でゲオンは消えた。

「ガキン!」
「くっ!」

 またしても背後に現れたゲオンの剣戟をシーナは『光盾』で受けとめる。
 今や単独で魔人に勝るシーナの魔力により生成された『光盾』はゲオンの攻撃を通さない。
 来ると分かっていれば防げる。
 
 特別スキルであるゲオンの『影動』は探知内ならMP5000で影の中を移動できるスキルだ。
 それを駆使して隙を狙うも二人のコンビネーションは崩れない。
 少しでも間違えれば一気にやられてしまいそうだが、なんとか対処していく。

 埒が明かないとゲオンは最後の手段に出る。
 『炎塊』を三か所同時に空から落とす。

「「なっ!」」

 無差別に狙った攻撃は二人を狙ったものではない。
 対処しなければ一般人に被害が出てしまう。
 ゆっくりと落ちて来るそれをどうするか、シーナとネネに焦りが浮かぶ。

 しかし今、魔人から目を話すことは出来ない。
 
「調子に乗り過ぎたな! どうするんだお前達!」

 いやらしい笑みを浮かべ叫ぶゲオン。
 周りの者たちを巻き込みシーナとネネを屠る作戦だ。

 選択を迫られたこの時、シーナとネネの体は光に包まれる。

「!? これは」
「あっ!」

 急激に力がみなぎったことを感じた二人は迷いなくゲオンの元に向かう。
 そして落下してくる炎の岩の対処に向かうはずと、高をくくっていたゲオンの隙をつきネネは一撃をくわえる。

「ぐっあ!」

 ガードするも深手を負わされるゲオン。
 空にあった炎の岩も全て消えている。

「ば、ばかな!」

 ゲオンは混乱する頭の中でどういう事か考えるも納得いく答えはでない。
 するとその男は突然現れる。

「お待たせ! 二人とも」
「「レンヤさん!」」

 レンヤがシーナとネネの背後に降り立った。
しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

処理中です...