異世界に飛ばされたけど『ハコニワ』スキルで無双しながら帰還を目指す

かるぼな

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88.食人

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 本来なら竜人のライドのところで食事をご馳走になるつもりだった。
 しかし虫の知らせじゃないけど『ハコニワ』の知らせでシーナとネネに良からぬことが起きているのを感じた。

「ライドすまん急用ができた! 行かないといけない!」
「!? そうなのか」
「ええー。レンヤいっちゃうのー」
「いっちゃうのー」

 駄々をこねるナリーとマリーを、また来るからとなだめるのは大変だった。
 随分と気に入られたものだ。

 急いでマジックバッグからシーナとネネの魔力を探し付近に『転移』してきた。
 見上げた空には炎の岩が三つ。
 そしてシーナとネネは戦いの最中だった。

<『ハコニワ』より『分解』スキルが届きました。使用可能です>  

 このタイミングで届くってことは使えってことだろう。

 『分解』魔法を分解吸収できる。(デフォルト:ワールド2)
 
 なるほど、デタラメな能力だ。
 俺は『光弾』に『分解』を『付与』して炎の岩に打ち込む。
 着弾と同時に『分解』を発動。

 さらにシーナとネネには『光纏』と『光盾』をかける。
 
 そして敵であろう相手に『看破』付きの『鑑定』をかけた。

 『並列』スキルにより全て同時におこなえるのだから凄い事だ。

 鑑定結果はなるほど、魔人か。
 四星魔っていうとグエン=ドンナーと同じ強さ級の魔人だろう。
 名前も似ているし兄弟なのかもしれない。
 シーナとネネの本国からの追手ってことだな。

 しかし随分と早くここに、たどり着いたものだ。
 スカーレット王国は商人のマルティーロさんの話によると物凄く距離が離れており、情報も少ない国のはず。
 いくら俺達が船旅をしてのんびり来たとはいえ、そこから来たとするのは早すぎる気がする。
 まあそこら辺は捕まえて話させるとしよう。

 分解された魔法も無事に吸収されたようだ。
 跡形もなく消えた。

「お待たせ! 二人とも」
「「レンヤさん!」」

 シーナとネネはほっとした表情を見せる。

「お前が報告にあったレンヤとかいう奴か」

 ネネに斬られた傷が塞がっていく。
 回復を使っていないので自己治癒能力なのだろう。
 この世界すごい生き物が多いな。

「あんたグエン=ドンナーの知り合いか?」
「ああ……なるほど。『鑑定』持ちか。これは報告しないとな。そうさ俺はあいつの兄だ」
「それでシーナを狙いにきたのか」

「突然背後から現れましたけど、レンヤさんのスキルのお陰で助かりましたわ」

 ぴくりと俺の体は反応する。

「へえ……お前あれを発動させたのか」
 
 俺はゲオンにいう。
 俺から漏れた殺気により3メートルほどゲオンはその場から飛びのく。
 ゲオンの顔からは汗が落ちるのが見える。

 あの付与されたスキルは今の二人なら発動されないはずだと思っていた。
 それだけシーナが追い込まる状況になったということだ。
 発動しなければ命に係わるほどに。

「お前、人の女に何してんだ! ただで済むと思うなよ」

 俺の殺気を一身に浴びたゲオンは『影動』を発動させて逃げようとする。

(『雷纏』!)

 雷を纏った俺は影の中に逃げ込もうとするゲオンを蹴り上げる。

「ぐえっ!」

 顔面を蹴られたゲオンは影から強制的に出される。
 雷で痺れて動けないようだ。

「おらあああああ!」

 俺は追撃を喰らわせる。
 雷系のスキルは優秀だ。
 面白いように連撃が入る。

「れ、レンヤさん!」
「レンヤさん!」

 やばっ、頭に血が上り少しやり過ぎたか。
 ゲオンはズタボロになっている。 

 とりあえず『束縛』で縛り上げておく。
 あっさりと捕まえられた。

 ゲオンは、ぐがががと意味不明な言葉を発している。
 ……しかしこいつどうしたもんかな。

 と、思っていたら天の声がこんなことを言ってくる。

<『ハコニワ』ワールド2《処分場》に送りますか?>

 うわっ、なんすかその物騒な物は!

 《処分場》情報、能力等を全て抜き取ってから解体、焼却する場所。

 ……物騒過ぎる場所でした。
 ま、まあ他にあてもないのでお願いしてみようとおもう。

<『ハコニワ』ワールド2を発動してください>

(ワールド2発動!)

 小さなキューブが俺の前に浮かび上がる。

「……ひ、ひぃ。な、何をするつもりだ!」

 ゲオンは身の危険を感じたのか恐れおののく。
 意識が戻ってきたようだ。
 しかしなかなか察しのいいやつだな。
 ただでは済まないことを感じ取っている。
 
<『処分』と唱えれば《処分場》に転送されます> 

 了解。

「『処分』!」
「うわあああああああ……」

 小さなキューブは突然大きくなったと思ったらゲオンを飲み込む。
 まるで一口で食べられるかのごとく……。

「え、えげつない……」
「ひ、ひどいですわ……」
「こ、こわいです……」

 襲ってきたのはあいつだけど、なぜか罪悪感を感じてしまう。
 それほどインパクトがあった。
 しばらく俺達は呆然とする。

「た、助けていただきましてありがとうございました。レンヤさん」

 シーナが助け船を出してくれたのでそれに乗ることにした。

「ああ、間に合ってよかったよ」

 結構危ない状況だったみたいだからな。

「でも、わたくしやっぱりレンヤさんの女だったのですわね」

 人の女って言ったからか。

「ん、でもそれは言葉のあやってやつじゃないか?」
「ふふ、そういうことにしておきますわ」

 シーナは、にこにこしているので嬉しかったのだろう。
 まあ、シーナもネネも大切な存在だ。
 
「でもこんな奴に苦戦しているようじゃまだまだだな。二人共俺の鍛え方がたりなかったみたいだ。すまん!」
「ちょ、ちょっとレンヤさん、何を謝っているのですか」

「いや、甘すぎたんだ」
「な、何の話ですの?」

「これからもっと厳しく指導する!」
「き、聞いてますか?」

「任せてくれ! 徹底的に追い込んでやる!」
「「ひぃぃ!」」

 シーナとネネの口から悲鳴がもれた。
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