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Unhappy Halloween?
Unhappy Halloween?【5】
しおりを挟む「小道具まで用意してるの神じゃん。でも、ゴミ拾いにくいんで、悪いんだけど取ってもらえます?」
「あはは、ごめんね。……はいっ、取~れた!」
ひとつ訂正をば。対応も神だったわ。イケメンってなんで大多数が中身までイケメンなんだろうね。イケてるメンズ、基本的にイケメンタル説を提唱する!
イケメンの文字列がゲシュタルト崩壊しそう。
実際どうなんだろうね。周囲の人に大切にされてきたから温和に育つのか、それとも内面の美しさが外見に顕れるのか。鶏が先か、卵が先かってやつ。
どっちにしろ人間ってやだなぁ。残酷だ。見てくれを重視しすぎじゃない?
私だってイケメン美女大好きだし、他人の事言えないかもだけど、容姿で露骨に対応変える事はないよ。こんなんただの皮だしね。
「こっちこそ、逮捕されたいなんて言っといてすいません。心の声がつい」
「いいのいいの! せっかく持ってきたのに出番ないとか悲しいし」
対応も完璧か? 実はガチアイドルだったりしません?
手錠をしまう様子を凝視していたら、少し遅れて気付いた。彼がばっちりハロウィンネイルをしている事に!
……ったく、このポリスけしからんな……。いいぞもっとやれ。
「おにーさん優しいね。ハオすぎ」
「さーんきゅ。俺もキミみたいな可愛いコが大好き!」
なんて言いながら投げキッスを飛ばすのは反則でしょ。逮捕してやろうか!
いや、警察はそっちだったな。やれやれ、罪なおまわりさんだぜ……。ファンサ手厚すぎて不安になってきた。
「あ、やっぱさっきのナシで。チャラ男は元カレで懲りてます」
またも本音が転び出る。不安度に応じて卑屈さが増してくのよくないね。
推しの彼には悪いことしちゃってるけど、この人たちの前だと肩肘張らずにいられて楽だ。
こんなイケてるメンバーが私みたいなのに構うなんてトッポも仰天、最後まで怪しさたっぷりだけど。さて、いつ壺や絵画のセールスに突入する……?
それももう古いのかな。アムウェイ……も十分古そう。最新の詐欺(または勧誘)トレンド is 何。
「急に辛辣モードじゃん」
「ヴィニーは言動ほど不真面目な人間ではないですよ。……念のため」
「フォローさんきゅね。でも、パック。俺たち人間じゃないってば」
この二人はかなり長い付き合いと見た。さっきから息ぴったりだしね。阿吽の呼吸ってやつ?
「ああ、確かに。うっかりしてましたね」
「…………ん?」
少し遅れて、おかしなセリフに首を傾げる。さっきも変な事言ってた気するけど、なんだったっけ。
でも、考えてみれば彼らは仮装中だ。きっと深い意味はないんだろう。中身までなりきってるなんてすごいなぁ。レイヤーの鑑じゃん。自ジャンルにいてほしいタイプのレイヤー。むしろいまからでも来い。
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