“Boo”t!full Nightmare

We hope your Halloween is a ”Treat”!

We hope your Halloween is a ”Treat”!【28】

　だって、諸悪の根源はポイ捨て奴！

　……の中の、携帯灰皿を使いこなせないダメダメスモーカーのせいなわけだし！

「いまさらなに言ったって、しょうがないしね。いまは帰るためにできることをするほうが……あーっと、じゃなくて、もしかして逆？　余計なことしないように気を付けてるほうが大事？」
　
「一応、訊いておきましょうか。カリンの思う『余計なこと』とはなんでしょう？　答えるのはそれからです」
　
「え？　内容までは考えてなかったな……。えっと……あ、わかった！　『冥界のものに干渉する』とか？」

「タイムリープものではお決まりですね。過去を改変した結果、未来までもが変わってしまう……。最悪の場合、タイムリープ者自身の存在が消失してしまったりもしますよね」

　パック、めちゃくちゃ人間界に馴染んでてウケるな。でも、尊敬する。

　海外で生計立ててる人とかと同じだよね。

　思考停止で郷に入って郷に従ってるだけじゃなくて、そこから現地の人に合わせた目線に自分の感覚をチューニングしていって、トレンドまで含めた需要の分析をし続けてるってことだもん。

「パックのサブカルへの造詣の深さ！　ちゃっかりトレンドも押さえてるし。まあアニメだけじゃなくて、ドラマとかでも人気の題材だよね。私個人の好みはともかく。……うん、そっか。そうだった。言われてみれば、干渉が改変に繋がるのは異世界ものよりタイムリープ系か……」　

「でも、異世界の事情にだって、干渉しないで済むんだったらしないに越したことないと思うな～？」

「なるほどねぇ。他の世界のものに影響を与えたり、他・の・世・界・の・も・の・を・取・り・込・ん・じ・ゃ・っ・た・り・したら、ただじゃ済まなそうだよねぇ……。うふふふふ……」

　考え込んでいると、ヴィニーとチルから特大のヒントが降ってきた。

　異世界のものを取り込んじゃう代表例って言ったら、あれしかないでしょ。

「…………ヨモツヘグイ！」

「なんだっけ、その単語？　どこかで聞いたことあった気がするんだけど、パック知ってる？」

　って、ヴィニーはきょとん顔で隣のパックの服引っ張ってる。

　ヒントのつもりなかったの！？　いいけど。あと、かわいいな。

「『黄泉の国の竈で煮たり焼いたりしたものを食べること』、ですね。漢字で書いてもそのまま『黄泉』に『竈』、そして『食』です」

　パックは辞書さながらの解説を淡々とこなした。

「『黄泉の国』とは『死者の国』のことを指すんだったか？」

　けど、意外にもスーはそこがうろ覚えだったっぽい。

「ええ」　

「そうそう。……ってことは、『冥界ココ』とおんなじだねぇ。黄泉の国……。ぼくは黄泉国ヨモツクニって呼び方がいちばん好きかなぁ」

　何気に頭脳派の片鱗を見せてくるチルは渋好みらしい。ナイスギャップ。