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DESTINY CHAIN
DESTINY CHAIN<V>
しおりを挟む(『彼の手は大きい』ってずっと思ってたけど、本当はそうじゃないのかも…………。わたしの手に比べたら大きいのはそうなんだけど、彼の手が大きいというより、わたしの胸が小さいだけ……みたいな)
彼の手にすっぽり覆われてしまった貧しい胸を一瞥し、自嘲した。
「でも、おっぱいは前にも触らせてもらったことあるんだよね♡ きみだって、今日はここを好きにされる以外の……いや、以上のことをする覚悟で来てくれてるんだもんね♡♡ そういうわけで、この綺麗な脚…………開いてもらってもいい?♡♡」
上半身から下半身へ、するする滑り下りてきた手が止まったのは、太腿の上だった。
「んっ♡♡」
「あ、ごめんね。急に触ってびっくりし…………もしかして、きみって脚も性感帯だったりする?♡♡」
予期せぬ刺激に驚いて声を出してしまうと、彼が声を潜めて訊いてきた。
わたしたちの他に誰もいないのに気を遣ってくれているのがおかしくて、嬉しくて、口元から上のほうに順に表情が緩んだ。
「…………そう、なのかも♡ でも、わたし……どこでも君に触ってもらうと気持ちよくなっちゃうから、どこが気持ちいいところでどこがそうでもないところなのか、わからない……♡ 全部優しく触ってくれるからかな……?♡♡」
彼に触れられた部分に残った熱を追いながら、先日のことを振り返った。
先日というのはもちろん、大雨に濡れて、うちで雨宿りがてら一緒に入浴したときのことだ。
(一緒にお風呂に入ったとき、洗われてたらどうなっちゃってたんだろう……?♡♡ いまみたいなえっちな気分になって、彼のこと…………♡♡)
「それって、指とか手で触られることを言ってる?♡♡」
「……えっと? どういうこと……?」
「ふふふ♡♡ さっき、きみが毎日の保湿ケアをサボってないか、確かめさせてもらったでしょ?♡ ……そのとき俺が使ったの、手と指じゃなかったから♡」
彼は含み笑いののち、舌先を覗かせた。
「!」
「思い出してくれた?♡♡ 俺になにをされたか♡ どんなふうに確認されたか♡ 思い出してくれてるなら、少しは想像もしやすいんじゃないかな?♡ ……もちろん両方選んでくれてもいいけど、きみはどんなふうに鎮めてほしい?♡♡ おなかとお股、まだむずむずしてるよね?♡」
「……えぇっと……♡ 『舌のほうが痛くなりにくそう』って言ってたっけ……?♡♡」
確信を持った声に煽られて、より大胆な答えを選びたくなってきた。
――――いや、そうではない。わたしはきっと、最初から彼に――――。
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