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アフター・アフター・レイン・トーク
アフター・アフター・レイン・トーク<XCVII>
しおりを挟む(うわぁ、大胆…………!! 男の人もまんざらじゃなさそう……。でも、こんなかわいい子にリードされたら誰だって嬉しいか…………。参考にしていいか迷うなぁ。ホラー映画なんて参考にしてどうするのって感じもするけど。……下のほうは映ってないけど、やっぱりいじってるのかな……?)
「ダメなんて言うはずないでしょ♡♡ なんなら俺の膝乗る?♡♡ 最初からもっと限界までくっついてればよかったのかな?♡ 気が利かなくてごめんね♡」
愛情の行き交っている様子がはっきりわかるキスに見惚れていたら、待ち望んでいた返事が返ってきた。
「ううん。くっつかせてくれるならいいよ……♡♡ それと、わたしこそ元から甘えさせてくれるつもりだったって気付かなくてごめんね?」
膝の上に載せてくれるつもりなら、脚のあいだにいては邪魔になるだろう。横にずれると、行動から意図を察した彼が膝を揃えて座り直した。
「ううん♡ そこがきみのかわいいところでもあると思うよ♡♡」
「そこってどこ?」
「俺の下心に気付かないくらい純粋なところ♡♡ 彼氏から『ホラー観たい』って言われたら、大抵の女の子はああいうことと結び付けて考えるんじゃないかと思うけど、きみは映画楽しもうとしてくれたもんね♡ 怖いのに頑張ってくれて嬉しかったなぁ♡♡」
画面を眺める彼が頭を撫でてきた。
『あっ♡ そこ、イイ……っ♡♡』
『動き止まってんだけどー?♡♡ 腕治るまでオマエがするっつったよな?♡♡』
視線を追いかけてみると、ふたりは髪と息を乱して激しく身体を揺らしていた。
(さっきよりすごいことになってる…………! 彼の声ばっかり聴いてて気付かなかった……♡)
下半身はもちろんのこと、デコルテから下はちらとも見えないにもかかわらず、ふたりが絡み合うさまは見ている側が恥ずかしくなってしまうほど濃厚だった。
「……どうせ鈍感だもん」
子ども扱いされたようで悔しくて、つーんとそっぽを向いてしまう。
「きみがちょっと鈍くなるのは恋愛絡みだけでしょ?♡ 普段は全然鈍感じゃないし、気にすることじゃないと思うよ?♡♡ 無垢な感じでかわいいし、俺は好きだな♡」
(でも、わたしがそういうことに疎いせいで、彼がえっちなことしたいサイン出してても気付けないかもしれないし…………。いままでにも何回もスルーしてきちゃったかもしれないし…………。わたしってつくづくだめだなぁ……)
「ほーら♡ 機嫌直して♡♡」
「……有耶無耶にしようとしてない?」
無言でいたのはいままでの自分の行いを反省していたからなのだけれど、彼はわたしが黙っているのを剥れているせいだと思っているらしく、ひょいっと持ち上げられて膝に乗せられた。
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