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恋人遊戯
恋人遊戯<233>
「………………なあ♡ 俺のしたいこと、なんとなく想像付いてるだろ?♡♡ じゃなきゃ、そんな訊き方してこないよなあ……?♡ 俺ははっきり言ってもいいと思ってるんだけど、それ聞いた紗世ちゃんは平気じゃないだろうなと思って言ってないだけだってわかってる?♡♡ それでも言葉にされたい?♡ ……すでにぽろっと言っちゃったような気がしなくもないけどさあ……♡」
ふくらはぎを最初になぞったのは爪先だった。
指先を丸めているのだろう。エナメル質――いや、マニキュアが塗ってあるはずだから厳密には違うけどなんでもいいか――の硬さに息を呑んだのは、どこもかしこも柔らかいと思い込んで崇めていた彼女の身体にも俺と同じに硬い部分があるのだということを、たぶんこのとき初めて実感したからなんじゃないかと思う。
――――足。特に爪先はどこに位置付けたらいいか困るパーツだと俺は思っている。
夏場は惜しげもなくさらされる場所。座敷に通されたりなんかしたら、顔見知り程度の間柄でも容易に見ることのできる場所。
春とか秋とか消滅しかけた季節なんかはストッキングから小さい爪が透けてるのがまたいい――みたいなのはまた別の話か。(濃い色のネイルとかしてあるとめちゃくちゃときめくよね。ストッキングなしだとどんな色で柄なのかなって想像しちゃうじゃん。)
でも、足というパーツがどういう立ち位置なのかを論ずるうえで、今の俺の性癖バレを含んだ若干恥ずかしいフェティシズム的な話も完全に無関係とも言い切れないんじゃないかと俺は思う。
だって、ストッキング越しに見える足の爪って、画像とか映像で例えるならボカシがかかってるけど色合いとかなんとなくの様子とかは十分伝わる――みたいな状態なわけでしょ。隠してはいるけど十分に隠されているとは言えない。
だから、足は首とか肘から下とかみたいな『誰に見せても恥ずかしくないし、出してもみっともなくない場所』なのかと思いきや、寒い季節になると様子が変わってくる。
末端が冷えやすい女性は少なくない。彼女たちは分厚い靴下を履いたり薄いのを重ね履きしたりして爪先の厳重な保護あるい保温に努めている。――そうすると、一緒にベッドやお風呂に入る関係の奴でもない限り、その御御足を見ることはかなわなくなるわけで。
(今は夏だから、紗世ちゃんの可愛いあんよは俺だけのものじゃない。……今やってるネイルアートも、サンダル履いたときのお洒落以上の意味はないのかもしれない。でも、これから彼岸過ぎて暑さが落ち着いて、季節が深まったあとは――――。俺しか見ることの出来ない場所になるし、そのときにも可愛いネイルがしてあったらそれは紗世ちゃん自身のためと――俺に見せるためってことになるよな、きっと)
彼女も俺の脚の感触が気に入ったのか、ただの愛撫の一環としてかはわからないけど、緩やかなアーチや思わず掴みたくなるつるつるの踵がふくらはぎの上を行き来している。
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