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第二の試練
第二の試練<74>
「ああ、そこまでわかっちゃうんだ?♡♡ そりゃあ、どこにされたいかって言ったら――……ねえ?♡♡ されたいでしょ、唇にキス。やっぱり特別だよ、唇にされるのは。大事なとこにされたほうがエッチだけど、どこにされるのが一番嬉しいかって話なら断然唇でしょ♡♡ 無駄に主語広げるのは趣味じゃないけど、こればっかりは俺個人の考えじゃなくて、全世界の共通認識じゃない?♡ キスハメが大人気なのも絶対そのへん関係してると思うよ」
「やっぱり……♡♡ そこまで特別なら、最初から指定してくれればよかったでしょ……♡♡ してほしかったのに言わないで、私の解釈に任せて、思い通りになったらそれ取り上げてからかうとか――……」
目の縦幅が徐々に減少していくのと、声が低くなっていくのとは見事に連動していた。
「うん、ごめん」
「……そんなあっさり謝られると、調子狂うんだけど」
彼女は、心臓の上を一度だけ軽く小突いた。
開いていても小さい手を丸めてされたそれは、やはり威力に乏しい猫パンチだ。
「要求すればいいじゃん♡ 慰謝料請求するみたいにさ♡ 俺、なんでも用意してあげられるよ?♡♡ お金とか手間かかることでも大抵のものなら♡ 人間版ランプの魔人かも♡ 本家と違って、ご主人様は紗世ちゃんだけだし、願い事に回数制限ないけどね♡♡」
「そうだね。千尋くんなら、私がする可能性のあるお願いならなんでも簡単に叶えちゃうだろうなあ。
……でも、私のワガママは普段から……付き合う前から叶えてもらってるし、キスは私もしたかったから……♡♡ あと、千尋くんの背の高さも、素直にしゃがんでくれない意地悪なとこも好きだから、もういいの……♡ 多少イラッとはしたけど!」
彼女の右手が頬を軽く抓った。指先に力はこもっていない。
「――――計算高い男は嫌い?」
「……別に嫌いじゃないよ?♡ 計算高いのは私もだし」
「よかった。…………じゃあさ、俺が『もう一回キスして』って言ったら、紗世ちゃんはどうする? してくれる? ……紗世ちゃんも『またしたいな』って思ってくれてる?」
「……唇でいいの?」
「唇がいいの♡♡」
「じゃあ、もうちょっと屈んでくれる? ……脚酷使しちゃうと、このあとあんまり動けなくなっちゃうから♡」
「このくらいでいい?」
という問いに彼女は答えず、胸のあたりの生地を引っ張って俺を引き寄せ、唇を重ねた。
「……さっきよりキスっぽいキス出来た……よね? さっきのは正直キスじゃなかったもんね……」
「気にしてたの? 俺が悪いんだから、紗世ちゃんは気にすることなかったんじゃない? むしろあそこまで頑張ってくれてありがとうって思ったけどな。俺は」
今度は体勢をキープすることに成功した彼女に、ちゃっかりフードを被せた。
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