70 / 655
仮初恋人遊戯
仮初恋人遊戯<26>
「……それとも、もう俺とはそういうことしたくなくなっちゃったのかな。だったら、残念だけど仕方ないか……」
他にもいくつか、彼女と彼氏彼女の距離感で接してみて初めてわかったことがあって――――。
そのうちのひとつとして挙げられるのが『この子との駆け引きは特に、引き際の見極めが重要になってくるらしい』ってこと。
具体的には一回思い切って押して、そのあとすぐに引いてみるのがちょうどいい塩梅で、今はその仮説を立証するために、しゅんとした顔で残念そうに呟いたところ。
「ううん! したいよ♡♡ したい…………けど……♡♡」
彼女は思った通りに自分の気持ちを打ち明けてくれた。
こんな小手先のテクニックを使ったのが申し訳なくなっちゃうくらいに正直でシンプルな回答だ。
「お名前呼ぶのは、まだ恥ずかしい……♡ ていうか……何回も連呼しなくても、もうなんの話かわかったから…………っ♡♡」
頬だけじゃなくて耳のほうまで染まっちゃってる。
だいぶ想像力が豊かなのは君も同じみたいだから、ベッドインしたら言葉でもたくさん辱めないといけないね♡♡
「先生プレイのときは『鏑木先生♡』でも『先生♡』だけでも好きにしてくれたらいいと思うけど、それ以外のときだったら、『千尋♡』って呼んでほしいんだけどな……♡♡」
今の俺は先生でもなんでもないけど、来るべきときのために今から教育しておくのも一手かもしれない。
「え? 呼び方気にするんだ? 意外!」
「そうだよ?♡ だから、俺のほうもなるべく希望に副いたいと思ってるんだよね。紗世ちゃんはなんて呼ばれたい?♡ いつもみたいに『紗世ちゃん♡』がいい?♡♡ それとも、エッチのときだけは呼び捨て希望?♡♡」
無邪気な彼女はただそれだけの質問にも照れて、ついに口を覆った。
いい感じにピン留めされてた視線も、助けを求めるみたいにあっちこっちに彷徨い出したから、顔をもっと近付けて、視線も意識も強引に独り占め。
「…………え♡ ええっと……♡」
「ああ♡♡ 急いで答え出さなくてもいいよ?♡ そのときになったら教えてくれれば♡ でも、それまでにちゃーんと考えておいてね♡♡」
「……うん。そのときは、ちゃんと言うね?」
頷いた彼女の中では、すでに明確な答えが出ているのかもしれない。
そう遠くないうちに来るであろうそのときを楽しみに、にっこり笑って頷き返した。
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった
くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。
血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。
夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。
「……涼介くん」
薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。
逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。
夜、来て。
その一言が——涼介の、全部を壊した。
甘くて、苦しくて、止まれない。
これは、ある夏の、秘密の話。