yours-夢の罪過-

片喰 一歌

文字の大きさ
92 / 655
仮初恋人遊戯

仮初恋人遊戯<48>


「わかってるって♡♡ 紗世ちゃんのタイミングで大丈夫だし、俺はせいぜい断られる心配だけしとくよ♡ そしたらそしたで、傷心旅行にでも付き合ってもらおうかなあって考えてるけどね♡」

「断る意味!! 確かに私は断らないけど…………じゃなくて! OKしたらどうなるのか教えてほしいな?♡♡ 旅行は誘ってくれないの?♡」

 彼女との会話は、内容もさることながらテンポ感も最高だ。

 うっかり『断らない』って最後まで言い切っちゃったのも含めて満点♡♡ 可愛すぎ♡♡ 採点が甘すぎるんだとしても、好きな子甘やかさなくて誰に優しくするの? 依怙贔屓も上等じゃん。

「紗世ちゃんは俺と旅行行きたいの?♡ 別に行きたくなかったとしても俺は行きたいし誘うつもりでいたけど、そっちは名目までちゃんと考えてたわけじゃないしな~……。……強いて言えば、婚前旅行とか?♡♡」

「!」

 時間が止まっちゃったみたいにくりくりのおめめでしばらく俺の顔を見つめていた彼女は、やがてその瞳を蕩かして、もじもじし始めた。

「もう♡ 気が早いんだから……♡♡ 私たち、まだ一回もしてないんだよ?♡ キスより先のこと……♡」 

 でも、視線が合ってない気がすると思ったら、目じゃなくて口元を見てるみたい。物欲しそうな目をしたって、ここじゃキスしてあげられないのに。

「大人のキス……だって、一回しかしてないし…………」

 続く言葉で鼻の下を伸ばしそうになった。『大人のキス』って♡♡
  
 君も俺も色んな意味で大人になってしばらく経つし、そんなの君は死ぬほどしてきてるはずだけど、俺とのそれはちゃんと特別だよって言われてるみたいで。

 でも、一回――間違っても一発ではなかったけど、ベットイン自体は一回だから便宜上はそうカウントしておこう――寝たことあるよね?
 
「鏑木くん?」

 『思い出して♡』って念を込めて可愛い顔を覗き込んだけど、彼女はきょとん顔のまま。
 
 ――――ああ、そっか。この子はまだ知らないんだった。君は睡眠のほうの意味で寝てたんだったね。その間に俺が君をおいしくいただいちゃったことなんて知ってるはずなかったね♡♡ 
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。