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●REC
●REC<32>
しおりを挟む(鏑木くんの息がかかるのは別にいいんだけど、私、お酒臭くなかったかな……!? 臭くないはずないよね!? ダメダメダメ、それ以上近付かないで~……!!! ――――って、潮浴びたいって何事? 本気? だとしたら、どこに!?)
今になって心配してもどうしようもないことを気にしてみたり、彼の卑猥な発言にのぼせそうになったりと、私の情緒はしばらくブラック企業並みの連勤が続きそうだ。
「試してみてもいいけど、吹いちゃったのを恥ずかしがったり引っ掛けちゃったのを申し訳なさそうにしてるとこ見るのが目的みたいなとこあるから、また今度かな♡♡ とりあえず、紗世ちゃんのここはとっくに準備は出来てるはずだから、挿れてあげないとクレームきちゃうよね♡ 彼氏と別れて、相当溜まってたんじゃない?♡♡」
彼は腕を伸ばし、吹きさらしになっている秘部を撫で、指を二本ほど浅く挿入した。そのあと、引き抜いた指を口元に持っていったかと思うと、舌を這わせ始めた。
「……ちょっと味変わったね?♡♡ たくさん感じてもらえて嬉しいなあ♡ ココロもカラダも俺のこと受け入れる気満々みたい♡♡ 寝ちゃってても正直な紗世ちゃん、ほんとに可愛い……♡♡」
愛液を纏っている二本の指先をぱくっと咥え、ちゅうちゅう吸ってちゅぽっと離す彼はとても官能的で、教育によろしくなさそうだった。
「あ~あ…………。もう舐め終わっちゃった。つまんないの。もっと飲みたいな……。でも、また舐め始めちゃってたらいつまでも挿れられないし、また今度舐めさせてね♡♡」
(鏑木くん、言ってることもやってることも出してる音もエッチすぎるよ……♡♡♡ 私ももう我慢出来ないんだけど、襲ってくれる気ないの?♡♡)
背後の彼の様子を窺おうにも、振り返った途端――ではなく、身動ぎしようものなら、あっという間に今の平和(?)な観賞タイムは終わりを告げるだろう。
(私ばっかりしたいみたいで悔しいんだけど…………。今まで告白何回も断っちゃってたから。鏑木くんは鏑木くんで私の好意をまだ信じ切れてない感じするし。……なんとなく)
私だって待ちきれないのは同じだし、今更彼相手に純情ぶっても意味がないことは百も承知だけれど、彼は強い好意を見せるわりに私のカラダを求めてきていない気がした。
――――もし彼が私のカラダに毛ほども興味がないのであれば、現在流れている映像の中の彼の行動が理解不能なものになるということもわかっているけれど、自信というものはつけるまでには時間がかかるくせに、喪失するのは一瞬だから。
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