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●REC
●REC<34>
しおりを挟む(私はナマでも全然問題なかったんだけど――――って、なんでそんな残念がってるの……!! ちゃんとしてくれてたおかげで鏑木くんのこと信じられたんだから、私は素直に感謝だけしてればいいでしょ!?)
転び出た本心を口に出さずに済んでよかったと心から思う。首を横にぶんぶん振ることがなかったのも然り。
「よし、完成~♡♡ 待たせてごめん。破れないように気遣ってたら、思った以上に時間かかっちゃった。寝てるからあんまり関係なかったかな?♡ ……途中で起きてくれないかなって期待してたけど、仕方ないか……。久々に熟睡出来て気持ちよさそうだし、起こすこともないね♡」
(叩き起こしてくれてもよかったんだけどなあ。……ていうか、私、鏑木くんに寝不足だったこと話してたっけ? たぶん話してたよね。鏑木くんにはなんでも話してたからなあ。そのせいで傷付けちゃってたところも絶対ある……)
「もし二回目があるとしたら――――――♡ そのときまでにはもっとスムーズに着けられるようにしとかないとね♡♡ エッチってテクニックどうこうより『いかに変な間を作らないか』のほうが大事みたいなとこあるもんね?♡♡ 今日が最後にならないことを祈るよ。……切実に」
彼は言葉の通り、祈りを捧ぐように目を閉じた。
(言うほど待たされてないと思うけど…………。もしかして、鏑木くんも元カノさんとなんかあったのかな?)
「でも、紗世ちゃんはこれ着けるのに俺が手間取ってても、キスしたり他のとこいじってくれたりしそう♡♡ というか、着けるの手伝ってくれるかもしれないな…………って、本人の前で何痛い妄想語ってるんだって感じか♡」
(確かにだれやすいタイミングではあるけど、少し待つくらい全然構わないし、着けてるとこ見るのも楽しいのに♡♡ さすがにここまで話したことなかったと思うけど、鏑木くんはお見通しなんだね♡)
彼はいつ行動を起こすつもりだろう。
(ちゅーしたりさすさすしたりして妨害するのも、口で着けてあげてギンギンになっちゃったとこ見るのも好きだし♡♡ このあとどっちかしちゃおっかなあ♡♡ 今のうちにどっちがいいか決めておいてね、鏑木くん……♡)
次、映像に大きい動きがあるまで、あれこれ妄想でもしていようかと思ったちょうどそのときだった。
「じゃ、行くね♡♡」
彼は前触れもなく立ち上がって、カメラに背を向けた。
(え♡♡ 急に?♡ しかも、そのまま……?♡ 寝かせるか自分の上に座らせるかすると思ってたんだけど……♡ 鏑木くんは動きにくくないのかな?)
彼はソファに背中を預けた私に覆い被さり、ものすごい角度のモノをあてがった――と思いきや、少し腰を進めたところで動かなくなってしまった。
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