yours-夢の罪過-

恋人遊戯

恋人遊戯＜78＞

（見るからに小さいし見てるだけで庇護欲そそられるけど、力もよわよわなんだね♡♡ 捩じ伏せる気なくても力任せにしちゃいそうでちょっと怖いけど――……。まあ、紗世ちゃんには強引なくらいのほうが受けるかもだから問題ないか♡♡）

「そ……っ、れはわかってたけど…………！　普通、こういうのって許可取ってからするでしょ！？」

　しかし、次の瞬間にはもうぷりぷり怒って大ブーイング。勝手にしておいてあれだけど、そんな間抜けな恰好で抗議されても迫力に欠ける。やっぱり小型犬がキャンキャン吠えるのに似てるかも♡♡

「まあ、一般的には？♡ 常識的に考えればって言ったほうがいいかもね？♡♡ でもさあ、昏睡レイプとハメ撮りのコンボキメた俺にする抗議としては不完全すぎない？♡♡」

「そこ絶っっっっ対威張るとこじゃないと思うなあ！！！　私と法廷でも会いたいの！？　そっちがその気なら私だって――！」

　彼女は捨て台詞を吐いて退場する悪役がごとく、鼻息荒くのたまった。こういう血気盛んなところも可愛いんだよね♡♡ 
　
「あっははははは♡♡ おっしゃる通り♡ 法廷に立つ紗世ちゃんもかっこいいだろうけど、どうせなら今みたいにベッドの上で乱れちゃってるお色気ムンムンな紗世ちゃんとか――♡♡ こないだみたいにお出掛けした先ではしゃぐ可愛い紗世ちゃんに会うほうがいいなあ♡♡ 塀の中じゃ好きに会えないし、スキンシップなんて夢のまた夢だし？♡♡」

「……千尋くんってほんとにずるいなあ。どういう風にしたら私が黙るか把握してるもん……。順・番・が・前・後・す・る・な・ん・て・今・ま・で・も・よ・く・あ・っ・た・ことだし、別に最初から訴えるつもりないけど？♡♡」

（俺も結局はその他大勢と一緒か……。――いや、卑怯な手使って強引にこんな関係になってるって考えれば、訴えられる可能性がなくなっただけで御の字か。俺には二十年以上前から紗世ちゃんしかいないのに…………）

　想いの強さが全然違うのは承知の上で付き合い始めたはずだけど、彼女の口から代替可能な存在であることを匂わされると虚しくなって、他の男との愚痴の皮を被った惚気や相談を聞いていたときと同じところが偏頭痛のひどいときのように痛んだ。

「でも、だからって、こんな……♡♡ この前よりすごいことする許可まではまだ出してないもん♡♡ エ・ッ・チ・っ・て・二・人・で・す・る・も・の・じゃないの？」

　しかし、小さなお口から出てきたのは、俺と同程度に寂しさを滲ませた声だった。