344 / 551
恋人遊戯
恋人遊戯<121>
しおりを挟む「…………ごめん。言っていい? ――じゃあ、その時点でわかれよ♡」
口調こそいつもの彼と同じだったけれど、つっけんどんな感じではなく外国土産で適当に見繕ってきたチョコレートのごとくざらついた舌触りのとびきり甘い声で囁かれてしまい、手持ちの語彙では表現出来ない感情に直面した。
(千尋くんってこんなにかっこよかったっけ?♡♡ ……私、今からこんなかっこいい人としちゃうの?♡)
押し倒されて身動きの取れない状態でさえなければ、虫嫌いの人間に殺虫スプレーを大量に吹き付けられてのたうち回る無様な害虫のような醜態を晒していたことだろう。
「私も思ったけど……♡ 見たかったんだもん、千尋くんの立派なおちんちん♡♡」
「…………がっつり映してはなかったけど、映り込んではいたよな?」
「映像でも見えてたけど、もっとちゃんと見たかったし――……♡♡ 見るだけじゃなくて触りたかったし、挿れてほしかったし♡♡」
今しがた発した台詞の信憑性を少しでも高めるべく、すらっと伸びた脚に自分の脚をそーっと巻き付けた。
(千尋くんの脚好きだなあ♡♡ 見てるだけでも満足感高いけど、触るともっと……♡♡)
「何にやにやしてるの?♡♡ 『顔に似合わないサイズであればあるほどいい』って?♡♡ 紗世ちゃんがここまで救いようのないスケベ女だなんて初めて知ったよ♡ ――それで?♡♡ 俺のちんぽはご期待に添えそう?♡」
ちょっとした悪戯を受けた彼は声を弾ませた。この調子で息も弾ませてもらいたいところだ。
「うん♡ 私が好きなとこ全部気持ちよくしてくれそう……♡♡」
本当は彼の性器ではなく脚にときめいていたのだけど、いい気分に水を差すこともない。迷わず肯定した。
「あはは♡ そうだといいね♡♡ …………ああ、もうコレ以外見えてなかったりする?♡♡」
すると、彼は性器同士をぴったりくっつけ、彼自身に割れ目の上を移動させた。
「ぁ……っ♡♡」
「いい声♡ 俺、元々紗世ちゃんの声可愛くて大好きなんだけど、ベッドの上だともっと可愛い声になっちゃうんだね♡♡ 今日はたくさん啼いてくれるといいなあ♡♡」
不意打ちを食らって声を上げてしまうと、にやついた彼が同じ動きを繰り返し、追い打ちをかけてきた。
「ん……♡♡ 私がたくさん声出しちゃうかどうかは…………、千尋くんの腕次第……じゃない?♡」
足指で通気性のいいスウェット生地を撫でた。誘惑にしては控えめすぎただろうか。
(もう!! 私の馬鹿……!! 『たくさん啼いてあげるから、ちゃんと聴いててね?♡♡』とか言えたら、もっと可愛いと思ってもらえたかもしれないのに……!)
「あはははは! 言うねえ、紗世ちゃん♡♡ …………声出なくなるまで啼いてもらうから、覚悟は今のうちに済ませておきなね?♡」
彼にしては優しい口調がかえって不安を刺激した。しかし、不安以上に大いに高まったのは期待と興奮だった。
(私、これからどうなっちゃうんだろう……♡♡)
ぞくぞくして鳥肌が立ってしまいそうなのをなんとか抑えようと、身を固くした。
0
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
不埒な社長と熱い一夜を過ごしたら、溺愛沼に堕とされました
加地アヤメ
恋愛
カフェの新規開発を担当する三十歳の真白。仕事は充実しているし、今更恋愛をするのもいろいろと面倒くさい。気付けばすっかり、おひとり様生活を満喫していた。そんなある日、仕事相手のイケメン社長・八子と脳が溶けるような濃密な一夜を経験してしまう。色恋に長けていそうな極上のモテ男とのあり得ない事態に、きっとワンナイトの遊びだろうとサクッと脳内消去するはずが……真摯な告白と容赦ないアプローチで大人の恋に強制参加!? 「俺が本気だってこと、まだ分からない?」不埒で一途なイケメン社長と、恋愛脳退化中の残念OLの蕩けるまじラブ!
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛
冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる