酒涙雨で終わりにしようか?君の心臓を天に捧ぐから。

蘇 陶華

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時を超えても愛しさは、変わらないから。

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「行ってしまった・・・」
犀花は、ポツリと呟いた。どうして、自分が泣いてたのかは、わからなかったが、自分の中にあった絡みつくような憎しみは、消えていた。
「どうして?」
先の白夜狐に、尋ねてみた。
「こうなる事を聖女は、知っていたのだろうか。何かが、足りなかったのは、キリアスが目覚めた時からだったのかもな」
先の白夜狐は、キリアスに何が、起きたのかは、知っていた。自分の本の少しの間違いで、キリアスが生まれるきっかけになったのも。
「だから・・・犀花。僕は、帰らない」
「白夜狐・・・」
「何も知らないとはいえ、僕は、規律を破った。お鏡様をきちんと、主に渡すよ」
「そんな事は、できるわけがないでしょ?こうして、彼女を助けたのも、あなたが、逢いに行ったからで」
「僕の中には、たくさんの後悔がある。一番最初は、彼女と出会った事。先に彼女を逝かせた事。そして、現代で、君に声をかけた事」
「私は、あなたに逢えて、良かったと思ってる」
「ありがとう。犀花。でも、結局、僕らは、いつの時代でも、逢う事は許されないんだ」
先の白夜狐の腕の中で、巫女が目を覚ます気配があった。そっと、目で合図を行い、巫女の体を犀花に預けた。
「犀花・・・もう帰った方がいい。僕は、自分の世界を閉じるよ。帰れなくなる前に戻るがいい」
「一緒に戻ろう」
「だめだ」
巫女が、目を覚ましたので、先の白夜狐は、フードを深く被り、顔を背けた。
「あぁ・・・結局、ここに戻ったのね」
神殿の床を見下ろす。
「えぇ。無事に戻る事は出来ました」
「結局、私にできる事なんて、そんなにないのね」
「そんな事はありません。あなたの残した能力は、代々、私達に、引き継がれ、人の世を影から、支えています」
犀花は、巫女の体を起こした。
「この流れは、変えられないし、決して、無駄ではないと思うんです。必ず、意味があると。だから、自分で自分の命を断つ事はやめて下さい。本来の流れを変えてしまった原因は、あなたが、自分の命を絶ってしまう事なんです」
犀花は続ける。
「思い出してください。どんなに、大勢の人が、あなたを支えようとしているのか・・・白夜狐もきっと」
犀花は、言いかけてハッとした。先ほど、まで、そこにいた白夜狐の姿がない。
「白夜狐は?」
「控の間にいるのでは?」
「いいえ・・・」
そこにいるのは、過去の白夜狐。先の白夜狐は?
「全てを消し去る・・・神。火の神といえば・・・」
犀花は、ゾッとした。先ほどの噴火口に、向かう白夜狐の姿が浮かび上がったのだ。
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