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第97話「体育後、ルナの全開アプローチ!」
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放課後のグラウンド裏。
陽が落ち始めた空の下、熱気が地面にこもり、空気がねっとりとまとわりついてくるような時間帯だった。
僕は、水筒を片手にベンチに腰掛けていた。
そのとき。
バタバタと駆けてくる足音──
そして目の前に、ルナが現れた。
「しろいくーんっ!」
額に汗を浮かべ、体育ジャージ姿。
ポニーテールが汗で湿って、頬に張りついている。
「ほらっ、今のうちに嗅いどかないと、超レアだよっ?」
そう言って、彼女はTシャツの裾をつまんで、バサバサと扇ぎ始めた。
「ちょ、ちょっと待ってルナ!落ち着いて──」
「やーだ☆ だってうち、ちゃんと勝負しないとって思ってさ~」
「“香りの正妻戦争”でしょ? だったらさ、こういう“天然の香り”が一番インパクトあると思って♪」
汗+ミント系ボディミスト+日焼け止め+女子の熱気──
その香りが一気に僕の嗅覚を蹂躙する。
(……ま、まぶしい、匂いがッ!)
ルナはにかっと笑って、僕のすぐ隣に腰を下ろす。
「正妻とかさ、なんかみんな難しいこと考えてるみたいだけど──」
「うちは、“今の自分”で白井に好きになってもらいたいだけなんだよねっ」
そう言って、彼女は僕の肩に頭を預ける。
(えっ、近い。っていうか、濡れた髪が……香りが……)
「……この匂い、どう?」
不意に囁かれたその一言で、僕の理性は一瞬、意識の縁を踏み外した。
「……ッ、いい香り、すぎる……」
息が浅くなる。
思考がまとまらない。
ルナは僕の顔を見て、ふふんと勝ち誇ったように笑った。
「よっしゃ♪ しっかり“焼きついた”ね、うちの香り」
「この夏の汗も、ミストも、全部“うち”だから。忘れないでね?」
夕暮れの空に、蝉の声がかすかに残っていた。
だけど、僕の頭の中では、ルナの香りだけが残響のように渦巻いていた。
──記憶に残る香り。
それは、香水でもお香でもない。
その瞬間、そこにいた彼女そのものだった。
陽が落ち始めた空の下、熱気が地面にこもり、空気がねっとりとまとわりついてくるような時間帯だった。
僕は、水筒を片手にベンチに腰掛けていた。
そのとき。
バタバタと駆けてくる足音──
そして目の前に、ルナが現れた。
「しろいくーんっ!」
額に汗を浮かべ、体育ジャージ姿。
ポニーテールが汗で湿って、頬に張りついている。
「ほらっ、今のうちに嗅いどかないと、超レアだよっ?」
そう言って、彼女はTシャツの裾をつまんで、バサバサと扇ぎ始めた。
「ちょ、ちょっと待ってルナ!落ち着いて──」
「やーだ☆ だってうち、ちゃんと勝負しないとって思ってさ~」
「“香りの正妻戦争”でしょ? だったらさ、こういう“天然の香り”が一番インパクトあると思って♪」
汗+ミント系ボディミスト+日焼け止め+女子の熱気──
その香りが一気に僕の嗅覚を蹂躙する。
(……ま、まぶしい、匂いがッ!)
ルナはにかっと笑って、僕のすぐ隣に腰を下ろす。
「正妻とかさ、なんかみんな難しいこと考えてるみたいだけど──」
「うちは、“今の自分”で白井に好きになってもらいたいだけなんだよねっ」
そう言って、彼女は僕の肩に頭を預ける。
(えっ、近い。っていうか、濡れた髪が……香りが……)
「……この匂い、どう?」
不意に囁かれたその一言で、僕の理性は一瞬、意識の縁を踏み外した。
「……ッ、いい香り、すぎる……」
息が浅くなる。
思考がまとまらない。
ルナは僕の顔を見て、ふふんと勝ち誇ったように笑った。
「よっしゃ♪ しっかり“焼きついた”ね、うちの香り」
「この夏の汗も、ミストも、全部“うち”だから。忘れないでね?」
夕暮れの空に、蝉の声がかすかに残っていた。
だけど、僕の頭の中では、ルナの香りだけが残響のように渦巻いていた。
──記憶に残る香り。
それは、香水でもお香でもない。
その瞬間、そこにいた彼女そのものだった。
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