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第二章 ドラゴン討伐と異世界生活

サラリーマンです。

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「お、俺はな極々普通なサラリーマンなんだよ~、き、貴様みたいな、ば、化け物を正々堂々斬れるか」

もう、やけっぱちだ。

斬ってしまった、表舞台に出てしまったなら取り合えず、この翼の付けたティラノサウルスだけは倒さなきゃ。

かっこ悪いが威勢の良いことを叫ぶ。

化け物の影で見えない女だけは助けないと、俺は男だ男だ男だ。

男女共同参画基本計画がなんだ、男女雇用機会均等法がなんだ、女より筋力が通常はある男が女を守らねば、うん、たまに世界大会にすげー女子見かけるけど・・・・・・あの女子には勝てる気がしない。

『ヒャハハハハハ、なんだそのサラリーマンとは?ん?なんだ貴様振るえてるのか、ヒャハハハハハ、今の一撃はまぐれか?ヒャハハハハハ、貴様の愚行は万死に値する、焼け死ね~丸焼きにして食ってくれる』

ブワァァァァァァァァ~

吐かれた火はまるで火炎放射機、丸焼きにしても美味しくないよ、俺。俺は恐くて恐くて正眼の構えから動けない。

俺に届く火は異世界転生初期装備、オリハルコン製の日本刀に当たると左右に分かれていく。

なんとか直に火炎が来ることはないが熱いものすごく熱い、真夏の太陽に焼かれたアスファルトに何分寝れるかと子供の頃競ったのを思い出す。

うん、良い子は真似しちゃダメだよ。火傷するから。

このままでは焼け死ぬ、考えろ考えろ考えろ、指から火が出せたのだから水だって出せるはず。

いや、今は出したとしても焼け石に水、そもそも魔法ってなんなんだ?

想像したものが出せるならなにか手はあるはずだ。

戦うのに強いイメージは俺の中では戦国武将、戦国武将で魔法に使えそうなフレーズとかなにかあったか?なんだなにかないか?

『なかなかしぶといな、ならば風もくれてやる』

そう、火を吐きながら器用に話す羽付きティラノサウルスが羽を羽ばたかせて風も俺に集まる。

すると、火炎が勢いを増す、熱い、熱い、熱い、火に風・・・・・・風、火、我武者羅に考えると一つの言葉が浮かび上がった。


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