同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第一九三話 親の許可と青春の宿──その反応は想定外

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 リビングの空気がようやく落ち着いてきたころ。

 俺はふと、ずっと気になっていたことを訊いた。

「……ところでさ、みんな……家の人にはなんて言ってるの?」

 一瞬、空気が固まった。
 が——すぐに、ひよりが静かに口を開いた。

「私は問題ありません。任務ですので」

「えっ、任務?」

「“弘弥の生態観察及び接触記録”……個人研究の一環として、親にも提出済みです」

「え、なにそれ逆に怖い……」

 ひよりは真顔でうなずいた。

「母も『あなたの研究テーマ、ちゃんと支えてあげるのよ』って」

「教育方針どうなってんだよ……」

 すると、ルナが手を挙げてニッと笑った。

「うちはねー、『売れっ子作家を物にしなさい!』ってノリノリだったよ!」

「恋愛を推奨してるの!?」

「うん! 『孫の顔が早く見たいわ~』とか言って、泊まりの荷物まで持たされた」

「お、お母さん……寛容すぎるだろ……」

 続いて、すみれがやや恥ずかしそうに頬を染めながら答えた。

「私は……正直に言いました。“弘弥くんの家で勉強合宿します”って。そしたら父が、『青春だなぁ~』って……しみじみ」

「いやいやいや! 親御さんたち、全員ぶっ飛びすぎじゃない!?」

「私も“恋と将来の修行”って言ったら、うちのじーちゃんが大喝采だった」(瑠衣)

「なにその文化系武者修行みたいな扱い!?!?」

「私も……“お兄ちゃんの隣にいたい”って言ったら……ママ、黙ってうなずいてくれた」(碧純)

 俺は全身で震えながら、天を仰いだ。

「おい、全国のお父さんお母さんたち……娘さん、大事にしてよおおおおお!!」

 けれどその声は、誰にも届くことなく、静かに夜に溶けていった。

(つづく)

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