同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第二一七話 ネモフィラが見たい!──テレビの誘惑と乙女たちの決起

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 午後、執筆の合間にふと聞こえてきたテレビの音。
 俺の背後でヒロインたちが集まって、ワイワイと画面を見ていた。

「見て見て! ひたちなか市のネモフィラ! これやばくない? 青の海だよ青の海!」(ルナ)
「わぁ……本当に綺麗……絵本の中みたいですね」(すみれ)
「観察対象の反応、視認ゼロ。集中しすぎ」(ひより)
「お兄ちゃん! こういうとこ、行ったことある? 行ってみたくない?」(碧純)

 モニター越しの国営ひたち海浜公園。
 青い花の絨毯が風に揺れ、家族連れやカップルが楽しそうに歩いている。

「弘弥様、ああいう場所で散歩など……素敵ですわよね?」(イザベラ)
「私は……人混みは苦手だけど……でも、弘弥となら……」(りあ)

 五方向からの視線が俺に突き刺さる。
 ついにルナが大きく伸びをしながら宣言した。

「はいっ決まりっ! 明日はネモフィラツアーで決定!」

「は? 明日!? 原稿……あるんだけど……」

「執筆なんて帰ってからでもできるでしょ!」(ルナ)
「お兄ちゃん、花の命は短いんだよ?」(碧純)
「このままだと本当に、布団詫び第2弾あるかもしれませんわよ?」(イザベラ)

 そんな脅しのような微笑みに、俺は観念するしかなかった。

「……分かったよ……行こう、ネモフィラ、見に」

 その瞬間、全員の顔がぱっと輝いた。

「よっしゃーー! 春の思い出追加!!」(ルナ)
「ちゃんとお弁当も持っていきましょうね♡」(すみれ)
「天候、交通、観察ルート、全てチェック済」(ひより)
「……明日は、特別な一日になる気がする」(りあ)

 こうして、突然決まったネモフィラ遠足。
 次回、俺たちは“青春の青い丘”を目指す——!
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