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第二二一話 阿字ヶ浦温泉でほっこり──乙女たちの美肌自慢と春の夜
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温泉は、民宿から歩いてすぐの場所にあった。
阿字ヶ浦温泉のぞみ──海風に包まれた、地元でも評判の天然温泉。
俺たちはチェックイン後、すぐに着替えて向かうことにした。
もちろん、男湯と女湯は別々。
俺のほうは割愛するとして……そのころ、女湯では──
「わぁ……広いっ。それに、天井が高い……!」(すみれ)
「見て見てこの壁! すごい、ガラス張りで海見えるじゃん!」(ルナ)
「塩分を含んだ泉質……なるほど、“熱の湯”と呼ばれる理由が分かりますわね」(イザベラ)
湯は無色透明ながら、肌にぴたりと密着するようなとろみがあった。
ナトリウム塩化物泉の効果は、保温・保湿・疲労回復。
まさに今日一日歩き疲れた彼女たちにはぴったりだった。
「はぁ……極楽極楽……」(りあ)
「お兄ちゃんには見せてあげたくないけど……この湯、すごくいい……」(碧純)
「肌のすべすべ具合、帰ったら触らせたら驚くかしら」(ひより)
ゆったりと身体を伸ばし、湯の熱と塩気をじんわり感じながら、少女たちは穏やかな時間を過ごしていた。
……そして。
温泉から上がった後、彼女たちは揃って部屋へ戻ってきた。
浴衣姿で、頬がほんのり赤く、髪はまだほんの少し湿っている。
「ただいま~、弘弥くん♪」(ルナ)
「お兄ちゃん、お風呂上がりって最高だね」(碧純)
そう言いながら、彼女たちは次々と俺の周囲に集まり始めた。
「ねぇ、弘弥くん……見てくれない? この肌」
ルナが袖をたくし上げ、二の腕をにこっと笑いながら差し出す。
「ほら、つるつるでしょ? 触ってもいいよ~?」
「わ、私はいいけど……弘弥くんなら、ちょっとくらい……」(すみれ)
「この温泉、なかなか侮れませんわよ。感触、まるで絹のようですの」(イザベラ)
「観察対象、動揺中。汗腺活動、上昇確認」(ひより)
浴衣のすそがふわりと揺れて、視線のやり場に困る。
「……ちょ、ちょっと待って。何、この急なボディタッチ大会?」
「せっかく綺麗になったんだし、見せなきゃもったいないでしょ~?」(ルナ)
「お兄ちゃんが変な顔するの、ちょっと好き……」(碧純)
俺は座布団を持ち上げて顔を隠した。
けれど、彼女たちのくすくすと笑う声は、今夜の潮騒よりも近くで、甘く響いていた。
(第二二二話へつづく)
阿字ヶ浦温泉のぞみ──海風に包まれた、地元でも評判の天然温泉。
俺たちはチェックイン後、すぐに着替えて向かうことにした。
もちろん、男湯と女湯は別々。
俺のほうは割愛するとして……そのころ、女湯では──
「わぁ……広いっ。それに、天井が高い……!」(すみれ)
「見て見てこの壁! すごい、ガラス張りで海見えるじゃん!」(ルナ)
「塩分を含んだ泉質……なるほど、“熱の湯”と呼ばれる理由が分かりますわね」(イザベラ)
湯は無色透明ながら、肌にぴたりと密着するようなとろみがあった。
ナトリウム塩化物泉の効果は、保温・保湿・疲労回復。
まさに今日一日歩き疲れた彼女たちにはぴったりだった。
「はぁ……極楽極楽……」(りあ)
「お兄ちゃんには見せてあげたくないけど……この湯、すごくいい……」(碧純)
「肌のすべすべ具合、帰ったら触らせたら驚くかしら」(ひより)
ゆったりと身体を伸ばし、湯の熱と塩気をじんわり感じながら、少女たちは穏やかな時間を過ごしていた。
……そして。
温泉から上がった後、彼女たちは揃って部屋へ戻ってきた。
浴衣姿で、頬がほんのり赤く、髪はまだほんの少し湿っている。
「ただいま~、弘弥くん♪」(ルナ)
「お兄ちゃん、お風呂上がりって最高だね」(碧純)
そう言いながら、彼女たちは次々と俺の周囲に集まり始めた。
「ねぇ、弘弥くん……見てくれない? この肌」
ルナが袖をたくし上げ、二の腕をにこっと笑いながら差し出す。
「ほら、つるつるでしょ? 触ってもいいよ~?」
「わ、私はいいけど……弘弥くんなら、ちょっとくらい……」(すみれ)
「この温泉、なかなか侮れませんわよ。感触、まるで絹のようですの」(イザベラ)
「観察対象、動揺中。汗腺活動、上昇確認」(ひより)
浴衣のすそがふわりと揺れて、視線のやり場に困る。
「……ちょ、ちょっと待って。何、この急なボディタッチ大会?」
「せっかく綺麗になったんだし、見せなきゃもったいないでしょ~?」(ルナ)
「お兄ちゃんが変な顔するの、ちょっと好き……」(碧純)
俺は座布団を持ち上げて顔を隠した。
けれど、彼女たちのくすくすと笑う声は、今夜の潮騒よりも近くで、甘く響いていた。
(第二二二話へつづく)
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