同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第二六一話 「夜の添い寝戦争──位置取りと心理戦と青春の距離感」

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夕暮れ。

海の家での一日が終わり、夕食を終えた後、
俺たちは宿の広間──つまり、全員同じ部屋で寝る“修学旅行方式”の部屋に戻ってきた。

もちろん、敷かれている布団は──

ずらりと並んだ、キングサイズ布団×ヒロイン数+1枚。

そして、既に始まっていた。

“誰が弘弥の隣を取るか”戦争が。

「今日は、私が“右側”ね」
すみれがスッと座布団を置いて、涼しい笑顔で宣言。

「は? いやいや、右は“恋人枠”だよ? わたしが本命って公言してるから、わたしが取るべきじゃん」
ルナがビキニの上からTシャツを羽織りながら反論。

「では、わたくしは“脚元”に。王族の忠誠として、護る立場から添い寝します」
「場所が独特なんだよ毎回!」

「ひより……は、どこに行くの?」

「観察記録的に、“左側”が最もデータが多い。わたし、左側で」

「お兄の隣、私が先に取ってたんだからね……」
碧純は無言ですでに枕を布団の真横に配置済みだった。

「……弘弥の……体温、知りたい……」
りあは、黙って俺の布団の中へ侵入しようとしていた。

「だぁぁぁぁ!! やめろおおおおお!!!」

俺の悲鳴が夜の宿にこだました。

◆ ◆ ◆

「ということで、話し合おう」

座卓を囲む形で、夜の“添い寝ポジション会議”が始まった。

提案①:じゃんけんで決める
提案②:日替わり制(曜日担当制)
提案③:ポイント制(好感度+努力値による)
提案④:布団を合体し、みんなで川の字(※危険)

「公平性と秩序を保つなら、日替わり制が妥当だと思います」

「ポイント制は……主観入りすぎてケンカになる気がする……」

「曜日制にしても、私が週3取ればいいだけじゃん!」
「それ、週の半分以上じゃねえか!」

◆ ◆ ◆

最終的に、

**“くじ引きによる添い寝順決定法”**が採用された。

折り紙でくじを作り、「今夜の右側」「今夜の左側」「今夜は離れて」などランダムな指示入り。

「……くじとか……運命の女神に任せるとか……最高にロマンチックね♡」
「くそぉ、神様の気まぐれに俺の安眠が左右されるのか……!」

そして、引かれたくじの結果──

右:ルナ
左:すみれ
脚元:イザベラ

残りのヒロインズは、後方に設置された“予備布団ゾーン”に。

「やったぁぁ♡ お兄の右ゲットぉ~~!!」
「まぁ……一晩だけなら……いいでしょう」
「……距離はあれど、精神は隣に」

◆ ◆ ◆

その夜、俺は布団の中で天井を見上げていた。

左右には、心地よい温度と柔らかな香り。

──これは……全然寝れる気がしない!!

心臓がばくばくして、視線が定まらない。

(これが……ハーレムラブコメの“夜の戦場”ってやつか……)

目を閉じれば、
右からはルナの甘い寝息。
左からはすみれの静かな寝息。

そして脚元では、なぜかイザベラが祈っている声が聞こえる。

「……神よ、どうか、彼の夢に私を……」

「無理無理無理ぃぃぃぃ!! 寝れるかああああああああ!!!」
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