同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第三〇六話 「処方された孤独──そして“観察対象”の罠」

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翌日。

俺は、医者に言われた言葉を反芻していた。

『胸を張って、しなさい』

『性をコントロールする行為として、真剣に向き合いなさい』

──いや、真剣ってなんだよ。

でも、たしかに……もう我慢するのは限界だった。

(……今日は、誰もいないはずだし)

俺は自室のドアをロックし、深呼吸。

カーテンを閉め、スマホを機内モードにし、
タオルとティッシュを枕元に配置。

準備は万端。

(よし……落ち着け。これは、処方だ……医療だ……!)

──そう言い聞かせながら、俺はベッドに横になった。

◆ ◆ ◆

だがその頃、俺の部屋の外──

リビングに設置されたスマートホームの監視タブレットには、
「主人公の部屋・内カメラ」の映像が映し出されていた。

「観察対象、まもなく発動」

そう呟いたのは、ひより。

「え、マジで……マジでやるの!?」
ルナが口を押さえて笑いを堪える。

「い、一応……医療指導……よね?」
すみれが赤面しながら頬を染める。

「お兄……自分で処理するの、下手そう……」
碧純が真顔でつぶやく。

「ふふ……生データ、収集中」
りあの瞳が怪しく光っている。

「私、正直こういうの、嫌いじゃないですわ」
イザベラは顔を真っ赤にしながらも画面にくぎ付けだった。

◆ ◆ ◆

そのとき──

「……はぁ……」

部屋の中で、俺がひとりつぶやいた。

「いける、いける……俺は今、医者に言われてる……合法……セーフ……」

──そのセリフに、モニター前のヒロインたちが一斉に吹き出した。

「合法って!!」

「なにその言い訳くっそ真面目www」

「これは……私たちで“介入”する必要がありそうですね……♡」

「……許さない、お兄。私たちを差し置いて……」

◆ ◆ ◆

そして次の瞬間。

部屋のドアが突然開いた。

「…………っ!?」

俺の手は、布団の下で完全にフリーズ。

「こ、これは……っ!」

「お兄、診察“再現”中……♡?」

「観察対象、捕獲成功」

「はい、これが証拠動画♪」

「すみません先生、この患者、性欲が暴走しています♡」

「わ、私……その、続き……興味あります……」

──俺のプライバシーは、完全に終わった。

(……次こそ、本気で引っ越そう)
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