同居のヒロイン達に夢精がバレる俺は、正妻戦争の中心にいるらしい件

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第四六七話『たとえパンツがなくても、俺たちは家族(ハーレム)だった』

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 病室の窓からは、穏やかな午後の日差しが差し込んでいた。

 カーテンがふわりと揺れ、春の風が中へ入り込んでくる。

 ベッドの周りには、俺の“家族”がいた。

 いや、血の繋がりはない。
 けれど、ここにいるヒロインたちは、確かに俺の一部で、俺の帰る場所だった。

「……みんな、本当にありがとう」

 俺はベッドから身を起こし、ゆっくりと声を出す。

「今回の騒動、正直……生きた心地がしなかった。
 でも、皆の気遣いも、悪ふざけも、俺にとっては、ちゃんと“家族”の一面だったと思う。
 だからこそ──言わせてくれ」

 深く息を吸い、真顔で告げる。

「……パンツは、履いてください」

 その瞬間、

「ぶっはははははは!!!」

 病室が爆笑の渦に包まれた。

 すみれが肩を震わせながら微笑む。
 ひよりは「観察終了、満足です」と呟き、
 ことねは「信仰を一時休止しよう」と囁く。
 ルナはお腹を抱えて転げ回り、
 そして碧純が、ツッコミながらこう言った。

「じゃあ、お兄ちゃん。
 “好きなパンツ”、買ってきてよ」

「……えっ?」

「履けって言うなら、弘弥セレクトにしてよ。そしたら文句ないでしょ?」

 なぜか全員が頷いている。

 俺は一瞬言葉を失った。

 だが、次第に湧き上がってくるある種の覚悟。

「……わかった。じゃあ、俺、行ってくるよ」

 そう言って立ち上がると、ルナがからかうように言った。

「“男子高校生がひとりで女子下着売り場に突入”って、もうそれ、戦だよ?」

「戦だとしても、これは……履いてもらうための使命だ」

 そうして俺は、決意の表情で扉を開けた。

 向かう先は、下着売り場。
 そして、**さらなる混沌──『勝負パンツ編』**への入口だった。
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