『おしっこパニックで恋が始まる!?』

本能寺から始める常陸之介寛浩

文字の大きさ
128 / 203

第126話『衝撃の告白──野ション文化』

しおりを挟む
 昼休み。

 今日も、ハルカたちの周りはにぎやかだった。

「サバナ、もう学校慣れた?」

 ハルカが声をかけると、
 サバナは眩しい笑顔で親指を立てた。

「バッチリ☆ みんなフレンドリーだし、日本めっちゃ好き!」

「それはよかった……」

 ハルカは、心底ほっとした。

(ドタバタはあるけど……いい子だし)

(異文化ギャップは、まぁ……なんとかなる、よね?)

 そう、思いかけた──そのときだった。

「あーでもさー」

 サバナが、
 何気ない雑談の流れでふわっと言った。

「トイレ、混んでるときあるじゃん?」

「うん、あるね……」

 ハルカは、軽く相槌を打つ。

 ミキやナナも、
 うんうんと頷いた。

「そんなときさぁ」

 サバナは、
 悪びれもせずに続けた。

「そのへんでしちゃえばよくない?」

 ──しーーーーーーーん。

 世界が止まった。

 ハルカたちは、
 一瞬、何を聞いたのか理解できなかった。

「……え?」

 ミキが、
 ポカンと口を開けた。

 ナナは、
 スプーンを持ったまま固まっている。

 ユイは、
 水を飲みかけたままフリーズした。

 ハルカも、
 心臓が「ドクン」と跳ねた。

(い、今……)

(何て……言った……?)

 サバナは、
 まったく悪気なく、
 むしろ楽しそうに話し続けた。

「うちの村だとさー!」

「トイレって言ったら、木の陰とか、川のほとりとかだし!」

「だからさ、日本のトイレ待ちってマジ謎だよね☆」

「…………」

 一同、顔面蒼白。

 ハルカは、
 震える声で確認した。

「……今、なんて、言った……?」

 サバナは、キラキラした目で答えた。

「だからぁ!」

「そのへんでしちゃえばいいじゃん!!」

 バァン!!

 ハルカ、机に突っ伏した。

「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 絶叫。

 教室中の視線が、一斉にこちらを向く。

(ち、違う!!)

(わたしたちがやばいんじゃないの!!)

(この子が!! この子がやばいのぉぉぉぉぉ!!!)

 心の中で、
 ハルカは全力で弁解した。

 ***

「さ、サバナ……!」

「日本では、そういうの……ダメだからね……!!」

 ミキが、顔を引きつらせながら必死に訴える。

「えええええ!? なんでぇぇぇ!!?」

 サバナ、純粋に驚愕。

「だって、草むらとか、超ナチュラルじゃん?」

「自然だし、地球に優しいし!」

「いや自然とか地球とか関係ないからぁぁぁぁ!!!」

 ナナが絶叫した。

「そ、そういう問題じゃなくてぇぇぇ!!」

「日本では、ちゃんとトイレでしないとダメなの!!」

「えー? でも混んでたら?」

「待てぇぇぇぇぇぇ!!!」

 ミキとナナとユイ、
 全員でサバナを羽交い締めにする。

「待てぇぇぇぇ!!!」

「絶対! 外ではしない!!」

「絶対だからなぁぁぁぁ!!!」

「ひぇぇぇ……!」

 さすがのサバナも、
 押さえつけられて目を白黒させた。

(……本気で止めないと、マジでやるぞこの子……!)

 ハルカは、
 冷や汗をダラダラ流しながら、
 全力で頷いた。

 ***

「……でもさぁ」

 サバナが、
 ポツリと呟いた。

「日本のトイレ、めっちゃキレイだから、そこは感動した!」

「うんうん、そこは褒めポイント!」

 ミキが、即座に食いつく。

「トイレは建物の中だけ!!」

「外でスッキリしようとしない!!」

「絶対!!」

 三段階で念押し。

 サバナは、
 ちょっと拗ねた顔で頷いた。

「はいはい、わかったよぉ~」

(絶対わかってない顔……!!)

 ハルカは、
 またしても頭を抱えた。

(この子、素直でいい子なんだけどなぁ……)

(野生児パワー、強すぎるよぉぉぉ……!!)

 そして、
 ハルカは確信した。

(これから、まだまだ──)

(大惨事が続く予感しかしない!!)

 ──こうして。

 サバナ・ムトワとのドタバタ異文化バトルが、
 本格的に幕を開けたのだった。

(続く)

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

不思議な夏休み

廣瀬純七
青春
夏休みの初日に体が入れ替わった四人の高校生の男女が経験した不思議な話

処理中です...