147 / 203
【新章・尻尾グッズで大混乱編】
第145話『必死の言い訳&奇跡の回避』
しおりを挟む
──重たいドアが開き、黒田先生が入ってきたあの瞬間、
教室の全員の体温が3度は下がった。
(絶っっっ対終わった……!!)
ハルカは顔面蒼白のまま、震える指先でグッズの袋を机の下に蹴り込む。
(なんで毎回このタイミングで来るの!? 見てた!? 隠しカメラ!?)
そして──
意を決して、口を開いた。
「え、えっと、せ、先生ッ!!」
「わ、わたしたち、演劇部なんです!」
「で、で、今日は、演劇の小道具の練習を……その、尻尾の!」
「動きとか! 表現の練習を!! してたんですっ!!!」
言いながら自分で「無理がある!」と叫びそうになるのを歯を食いしばってこらえる。
(言った──!!)
(もう知らん!!どうにでもなれ!!)
──教室内、静寂。
先生は鋭い目で、順番に全員の顔を見ていく。
・頭ボサボサのミキ(さっきまで尻尾刺さってた)
・顔真っ赤で額に汗だくだくのサバナ(ズボン脱ぎかけ未遂)
・手の中に未開封っぽい袋を握りしめてるレイナ(“もう一本”の尻尾)
・棒立ちでフリーズしてるナナとユイ(固まりすぎて逆に怪しい)
・そして、死にそうな顔で震えているハルカ
──明らかに怪しい。あまりに怪しい。
だが。
「……演劇か」
黒田先生は、腕を組みながらぽつりと呟いた。
「最近の演劇は……難しいな」
「えっ」
ハルカ、変な声が出る。
「ええと、は、はいっ! そうなんです!」
「い、今の演劇って、アニマル要素とか、リアルな動きとかすごく大事で!」
「感情の揺らぎとか! “本能”の表現とかも重視されてて──!」
後半、何を言ってるのかわからなかった。
自分でも。
でも──
黒田先生は、ふっとため息をついて、
「まぁ、表現の幅が広がるのは、いいことだ」
と、まさかの納得。
(な、なんで通ったの!?)
(いまの何一つ論理的じゃなかったのに!?)
「で、でも! 校内でそういう……“過激な表現”は控えてくれよ」
「わかったな?」
「は、はいっっっっっ!!!!!」
全員、超即答。
黒田先生は最後にもう一度、全員の顔を見渡して、
「……元気があるのはいいことだ」とだけ残して、
ドアを静かに閉じていった。
ガチャ。
──静寂。
……そして、
「……生きたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ハルカ、叫んで床に崩れ落ちた。
「通った!? 今の、通ったよね!?!?!?」
「演劇部設定、通用しちゃったよね!?!?!?」
「しゅごい……」
ナナが膝を抱えながら目をうるうるさせていた。
「まじで……」
「私、命が縮んだ気がする……」
ミキは椅子に突っ伏してガクガク震えている。
「ハルカ、よくやった!!」
「女優になれるって!!」
レイナが、涙ぐみながら拍手している。
「うぅぅ……演劇って、すごいんだなぁ……」
サバナも、ズボンをしっかり履き直しながら感動していた。
「演劇じゃねぇぇぇぇぇ!!!!」
「ぜんっぜん演劇じゃなかったからね!?!?!?」
ハルカ、魂のツッコミで絶叫。
「ただ尻尾が飛んで、ズボンが脱げかけてただけだからね!?!?!?」
でももう──
何もかもどうでもよくなっていた。
とりあえず今、
自分たちは補導されていない。
それだけでいい。
それだけで……今は、いい。
「……このクラス、ほんとにヤバい」
ユイが、ボソリと呟いた。
「次はどんなグッズが来るのか、今から怖い」
「だいじょぶだよ♡」
「アタシ、まだ未開封の“ウサミミぷるるんチェーン”っての持ってるから!」
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ハルカ、机をバンバン叩きながら全力絶叫。
こうしてまた──
青春は一歩、終わりの見えない“地獄の宴”へと転がっていくのだった。
(続く)
教室の全員の体温が3度は下がった。
(絶っっっ対終わった……!!)
ハルカは顔面蒼白のまま、震える指先でグッズの袋を机の下に蹴り込む。
(なんで毎回このタイミングで来るの!? 見てた!? 隠しカメラ!?)
そして──
意を決して、口を開いた。
「え、えっと、せ、先生ッ!!」
「わ、わたしたち、演劇部なんです!」
「で、で、今日は、演劇の小道具の練習を……その、尻尾の!」
「動きとか! 表現の練習を!! してたんですっ!!!」
言いながら自分で「無理がある!」と叫びそうになるのを歯を食いしばってこらえる。
(言った──!!)
(もう知らん!!どうにでもなれ!!)
──教室内、静寂。
先生は鋭い目で、順番に全員の顔を見ていく。
・頭ボサボサのミキ(さっきまで尻尾刺さってた)
・顔真っ赤で額に汗だくだくのサバナ(ズボン脱ぎかけ未遂)
・手の中に未開封っぽい袋を握りしめてるレイナ(“もう一本”の尻尾)
・棒立ちでフリーズしてるナナとユイ(固まりすぎて逆に怪しい)
・そして、死にそうな顔で震えているハルカ
──明らかに怪しい。あまりに怪しい。
だが。
「……演劇か」
黒田先生は、腕を組みながらぽつりと呟いた。
「最近の演劇は……難しいな」
「えっ」
ハルカ、変な声が出る。
「ええと、は、はいっ! そうなんです!」
「い、今の演劇って、アニマル要素とか、リアルな動きとかすごく大事で!」
「感情の揺らぎとか! “本能”の表現とかも重視されてて──!」
後半、何を言ってるのかわからなかった。
自分でも。
でも──
黒田先生は、ふっとため息をついて、
「まぁ、表現の幅が広がるのは、いいことだ」
と、まさかの納得。
(な、なんで通ったの!?)
(いまの何一つ論理的じゃなかったのに!?)
「で、でも! 校内でそういう……“過激な表現”は控えてくれよ」
「わかったな?」
「は、はいっっっっっ!!!!!」
全員、超即答。
黒田先生は最後にもう一度、全員の顔を見渡して、
「……元気があるのはいいことだ」とだけ残して、
ドアを静かに閉じていった。
ガチャ。
──静寂。
……そして、
「……生きたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ハルカ、叫んで床に崩れ落ちた。
「通った!? 今の、通ったよね!?!?!?」
「演劇部設定、通用しちゃったよね!?!?!?」
「しゅごい……」
ナナが膝を抱えながら目をうるうるさせていた。
「まじで……」
「私、命が縮んだ気がする……」
ミキは椅子に突っ伏してガクガク震えている。
「ハルカ、よくやった!!」
「女優になれるって!!」
レイナが、涙ぐみながら拍手している。
「うぅぅ……演劇って、すごいんだなぁ……」
サバナも、ズボンをしっかり履き直しながら感動していた。
「演劇じゃねぇぇぇぇぇ!!!!」
「ぜんっぜん演劇じゃなかったからね!?!?!?」
ハルカ、魂のツッコミで絶叫。
「ただ尻尾が飛んで、ズボンが脱げかけてただけだからね!?!?!?」
でももう──
何もかもどうでもよくなっていた。
とりあえず今、
自分たちは補導されていない。
それだけでいい。
それだけで……今は、いい。
「……このクラス、ほんとにヤバい」
ユイが、ボソリと呟いた。
「次はどんなグッズが来るのか、今から怖い」
「だいじょぶだよ♡」
「アタシ、まだ未開封の“ウサミミぷるるんチェーン”っての持ってるから!」
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
ハルカ、机をバンバン叩きながら全力絶叫。
こうしてまた──
青春は一歩、終わりの見えない“地獄の宴”へと転がっていくのだった。
(続く)
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる