173 / 203
『温泉トラブルと、心のおしっこ我慢合宿!?』
第171話『温泉卓球、膀胱を揺らす!?』
しおりを挟む
「さーて! 温泉といえばやっぱこれっしょ!」
湯上がりの髪をタオルでくしゃくしゃにしながら、レイナ・クロフォードが片手にラケットを握って立ち上がる。
「卓球大会、開催じゃーっ☆」
彼女のハイテンションな叫びに、旅館の広間がざわめいた。
ここは旅館の娯楽室──昭和レトロな空間に、年季の入った卓球台が一台。天井の蛍光灯は白く唸り、少しだけ湿った畳の匂いが残る。
「うわっ、本当にあるんだ……温泉旅館で卓球って、ギャグじゃなかったんだ」
ナナが感心したように呟き、ミキはタオルを肩に掛けたまま、
「やるやるーっ! でもラケット持つと、戦闘民族の血が騒ぐから注意な!」
と笑った。
ハルカは少し引き気味に笑いながら、畳の端に腰を下ろす。
「えー……やるの? まだ汗かいたら、また温泉入りたくなるじゃん……」
「だからこそ、なのよ!」とレイナは満面の笑みで指を指す。
「温泉で温めて、卓球で揺らして、また風呂で流す! この三段活用が最高なの!!」
「どこの膀胱虐待ルーティンだよ……」
エミリが小声でそうツッコミを入れると、ナナが吹き出した。
「いやマジでさ、これ……意外とヤバいやつじゃない? 湯冷めして、しかも今ビール飲んだばっか……」
「さっきからお腹のあたり、すこーし冷えてる感じするんだよね……」
と、ミキがちょっと脚をすり合わせながら苦笑する。
だが、時すでに遅し。レイナとサバナは勝手にトーナメント表を描き始めていた。
「よーし! 第一試合、レイナ vs ミキ!」
「ふっふっふ、アタシの“バイブレーション・カット”を喰らうがいい!」
「ネーミングがヤバいんだけど!!」
◆ ◆ ◆
そして始まる、浴衣卓球大会──
卓球台の周囲に女子たちがキャーキャー叫びながら応援し、打ち返されるピンポン玉が軽快に飛び交う。
が、その足元では──
「わっ……ちょ、ジャンプすると……っ」
「ぅぅ……わ、笑いすぎた、ちょっとヤバいかも……」
「ちょっとまって、あっ……今、膀胱が“コツン”って音立てた……!」
浴衣での卓球は、意外な難関だった。
ジャンプすると帯がゆるむし、足さばきは制限されるし、何より──膀胱がグラつく!
「これ、リアル膀胱バトルじゃん☆」とレイナが叫べば、
「いやアタシ今、台の前で漏れるかと思ったからな!!」とミキが本気で吠え返す。
ハルカは、ラケットを手にしたまま体をくの字に曲げた。
「笑ってる場合じゃないよこれ……いやもう、“揺れ”がダイレクトに来る……!」
「しかもさ、ここトイレちょっと遠いのよね。裏の廊下まで出て……」
ナナが小声でつぶやくと、エミリが真顔で首を振る。
「すでに私は、体内の温泉が出口を求めて膨張している感覚です」
「うわ、言い方が理系! でも超わかる!」
◆ ◆ ◆
第三試合──ハルカ vs サバナ。
浴衣の袖が邪魔で、ラケットがまともに振れない。
「ぬわぁっ、ぐにゃってなる! 腕が袖ごとしなる!!」
「ハルカ、がんばれー!」
「負けたらペナルティだぞー!」
誰が決めたのか、負けた者は“次の風呂の先頭湯もみ役”になるという罰ゲームが設定されていた。
「風呂に飛び込む前に、お湯かき回す係とか……なにその拷問?」
「腰にくるよね、絶対……ていうか下腹部に……」
そして、その下腹部が限界に近づいていた。
「……っ、ちょ、待って、これ以上跳べない……!」
ハルカの顔から一気に血の気が引く。
「……サバナ、もう勝っていい、投げる、膀胱的に」
「え、まじ? じゃあ本気でいくね!」
バシュッ!!
音を立てて、ラリーが決まる。
「よっしゃーっ!」
「くっ……身体じゃなくて、膀胱が負けたぁぁ……!!」
ガクッと膝を折ったハルカに、ミキが駆け寄る。
「大丈夫? ……って、やば、アタシも近い!」
「私たち、あれだね……青春というより、もう膀胱縛りの戦士たちだよ……」
そして、ふと。ミキが口を開く。
「ねぇ……“膀胱が揺れる青春”って、なんか文学っぽくない?」
「しないわ!!」
全員から全力のツッコミが飛んだ。
◆ ◆ ◆
卓球大会の優勝者は、まさかのレイナだった。
「ふっふーん、やっぱり膀胱コントロールは鍛えないと☆」
勝ち誇るその姿に、ハルカは無言で拳を握った。
(覚えてろ……この借りは、次の“お風呂トーク”で返すからな……!)
そう、温泉旅館の夜は──まだまだ長いのだった。
(つづく)
湯上がりの髪をタオルでくしゃくしゃにしながら、レイナ・クロフォードが片手にラケットを握って立ち上がる。
「卓球大会、開催じゃーっ☆」
彼女のハイテンションな叫びに、旅館の広間がざわめいた。
ここは旅館の娯楽室──昭和レトロな空間に、年季の入った卓球台が一台。天井の蛍光灯は白く唸り、少しだけ湿った畳の匂いが残る。
「うわっ、本当にあるんだ……温泉旅館で卓球って、ギャグじゃなかったんだ」
ナナが感心したように呟き、ミキはタオルを肩に掛けたまま、
「やるやるーっ! でもラケット持つと、戦闘民族の血が騒ぐから注意な!」
と笑った。
ハルカは少し引き気味に笑いながら、畳の端に腰を下ろす。
「えー……やるの? まだ汗かいたら、また温泉入りたくなるじゃん……」
「だからこそ、なのよ!」とレイナは満面の笑みで指を指す。
「温泉で温めて、卓球で揺らして、また風呂で流す! この三段活用が最高なの!!」
「どこの膀胱虐待ルーティンだよ……」
エミリが小声でそうツッコミを入れると、ナナが吹き出した。
「いやマジでさ、これ……意外とヤバいやつじゃない? 湯冷めして、しかも今ビール飲んだばっか……」
「さっきからお腹のあたり、すこーし冷えてる感じするんだよね……」
と、ミキがちょっと脚をすり合わせながら苦笑する。
だが、時すでに遅し。レイナとサバナは勝手にトーナメント表を描き始めていた。
「よーし! 第一試合、レイナ vs ミキ!」
「ふっふっふ、アタシの“バイブレーション・カット”を喰らうがいい!」
「ネーミングがヤバいんだけど!!」
◆ ◆ ◆
そして始まる、浴衣卓球大会──
卓球台の周囲に女子たちがキャーキャー叫びながら応援し、打ち返されるピンポン玉が軽快に飛び交う。
が、その足元では──
「わっ……ちょ、ジャンプすると……っ」
「ぅぅ……わ、笑いすぎた、ちょっとヤバいかも……」
「ちょっとまって、あっ……今、膀胱が“コツン”って音立てた……!」
浴衣での卓球は、意外な難関だった。
ジャンプすると帯がゆるむし、足さばきは制限されるし、何より──膀胱がグラつく!
「これ、リアル膀胱バトルじゃん☆」とレイナが叫べば、
「いやアタシ今、台の前で漏れるかと思ったからな!!」とミキが本気で吠え返す。
ハルカは、ラケットを手にしたまま体をくの字に曲げた。
「笑ってる場合じゃないよこれ……いやもう、“揺れ”がダイレクトに来る……!」
「しかもさ、ここトイレちょっと遠いのよね。裏の廊下まで出て……」
ナナが小声でつぶやくと、エミリが真顔で首を振る。
「すでに私は、体内の温泉が出口を求めて膨張している感覚です」
「うわ、言い方が理系! でも超わかる!」
◆ ◆ ◆
第三試合──ハルカ vs サバナ。
浴衣の袖が邪魔で、ラケットがまともに振れない。
「ぬわぁっ、ぐにゃってなる! 腕が袖ごとしなる!!」
「ハルカ、がんばれー!」
「負けたらペナルティだぞー!」
誰が決めたのか、負けた者は“次の風呂の先頭湯もみ役”になるという罰ゲームが設定されていた。
「風呂に飛び込む前に、お湯かき回す係とか……なにその拷問?」
「腰にくるよね、絶対……ていうか下腹部に……」
そして、その下腹部が限界に近づいていた。
「……っ、ちょ、待って、これ以上跳べない……!」
ハルカの顔から一気に血の気が引く。
「……サバナ、もう勝っていい、投げる、膀胱的に」
「え、まじ? じゃあ本気でいくね!」
バシュッ!!
音を立てて、ラリーが決まる。
「よっしゃーっ!」
「くっ……身体じゃなくて、膀胱が負けたぁぁ……!!」
ガクッと膝を折ったハルカに、ミキが駆け寄る。
「大丈夫? ……って、やば、アタシも近い!」
「私たち、あれだね……青春というより、もう膀胱縛りの戦士たちだよ……」
そして、ふと。ミキが口を開く。
「ねぇ……“膀胱が揺れる青春”って、なんか文学っぽくない?」
「しないわ!!」
全員から全力のツッコミが飛んだ。
◆ ◆ ◆
卓球大会の優勝者は、まさかのレイナだった。
「ふっふーん、やっぱり膀胱コントロールは鍛えないと☆」
勝ち誇るその姿に、ハルカは無言で拳を握った。
(覚えてろ……この借りは、次の“お風呂トーク”で返すからな……!)
そう、温泉旅館の夜は──まだまだ長いのだった。
(つづく)
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる