『お兄ちゃんのオタクを卒業させてみせるんだからね❤ ~ブラコン妹と幼馴染オタク姫の果てしなき戦い~』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第4章 オタクに優しい日焼け黒ギャル

【第37話『英梨、決意──好きって、簡単に渡したくない』】

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 夜、ベッドの上。

 私は、天井を見上げながら、ひとり考えていた。

 今日、みんなで決めた「利家ガード作戦」。

 あやめも、こころも、ひなこも、紗季ちゃんも。

 みんな真剣だった。

(それくらい……)

 陽葵ちゃんの存在が、怖かった。

 あの子は、明るくて、
 真っ直ぐで、
 ずるさがなくて。

 だから──すごく、強い。

「好き」って気持ちに、
 何の迷いもないから。

(あたしは……)

 布団をぎゅっと握りしめた。

(あたしは……どうなんだろう)

 お兄ちゃんが、誰かに取られるのが怖い。

 誰かに笑いかけているのを見るのが、苦しい。

 それが、なんでなのか。

 今まで、考えないようにしてきた。

 でも、今日。

 ちゃんと、思った。

(お兄ちゃんが、誰かに取られるのが嫌なんだ)

 ただの妹だから?
 家族だから?
 子供だから?

 そんな言い訳は、
 もう通用しない気がした。

(たぶん──)

 私は、好きなんだ。

 お兄ちゃんのことが。

 家族とか、そんな肩書きじゃなくて。

 もっと、ずっと、
 大事な、大好きな人として。

(……認めるの、こわいな)

 怖かった。

 この気持ちを認めたら、
 きっと、もう後戻りできなくなるから。

 でも。

(負けたくない)

 陽葵にも。

 自分の弱さにも。

 私は、
 あのお兄ちゃんの笑顔を、

 簡単になんか、渡したくない。

 誰かに、
 奪われたくない。

 好きなものを、好きだって、
 胸を張って言える自分でいたい。

(だから──)

 私は、そっと目を閉じた。

(強くなろう)

 簡単になんか、諦めない。

 泣きたくなっても、
 怖くても、
 苦しくても。

 この「好き」を、
 ちゃんと抱きしめて、生きていこう。

 だって。

 それが、
 あたしの青春だから。

 ふと、スマホが震えた。

 メッセージが来ていた。

『明日も、頑張ろうな』

 利家お兄ちゃんからだった。

 シンプルな言葉。

 でも、それだけで、
 胸がいっぱいになった。

(……うん)

 私は、小さな声で呟いた。

『うん!絶対に、負けない!』

 返信して、スマホを握りしめた。

 外では、秋の虫たちが静かに鳴いている。

 季節は、少しずつ変わろうとしている。

 でも。

 私たちの青春は、
 まだ、これからだ。

 ──つづく。
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