『お兄ちゃんのオタクを卒業させてみせるんだからね❤ ~ブラコン妹と幼馴染オタク姫の果てしなき戦い~』

本能寺から始める常陸之介寛浩

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第7章 新学期、恋と混沌とオタバトル

【第56話『初日から遅刻者続出!?トラブルメーカー転校生』】

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 2年B組──新学期2日目。

 朝のHRが始まって十分が過ぎても、担任の宇佐見先生は妙に落ち着いていた。

「さて……みんな、今日は特別ゲストがいます」

 特別ゲスト。
 その言葉に、教室がざわめく。

「転校生ですか?」
「え、また美少女枠増える系!?」

「いやいや、さすがにもう定員オーバーでしょ」
「ていうか、初日から遅刻とか、キャラ立ちすぎでしょ」

 ──ガララッ!

 勢いよく教室の扉が開いた。

「おっそくなりましたーッ!!!」

 その声は、小柄な少女の全力ダッシュと共に、教室の空気を一瞬で持っていった。

 リボンは曲がってるし、カバンは逆さま。
 さらに、なぜかランドセルを背負ってる。

「ランドセル!?」
「いや高校生だよね!?」

 教室中が騒然となる中、
 少女──真堂ここなは息を切らしながら自己紹介を始めた。

「えっとー、今日からこの学校に転校してきましたー! 真堂ここなって言いまーす!
 呼び方は“ここにゃん”でも“しんどいちゃん”でも好きに呼んでくださーい♡」

「しんどいちゃんはやめた方がいいって……」

 誰かの突っ込みが入る。

「身長は149センチ!趣味はコスプレと変なポーズです!
 特技は人の部屋に忍び込むことと、フリーダム!」

「特技アウトすぎるでしょ!!」

 全員から突っ込みが飛び交った。

 先生が渋々補足する。

「うん、あの子、推薦じゃなくてオーディションで入学したんだよね」

「先生、なんのオーディションですか」
「芸能コースとかあるんでしたっけ!?(ない)」

 だが、さらに衝撃が続く。

「席は──真壁利家の隣ね」

「おおっとぉ……!?」

 教室全体が、“やっちまった”空気になる。

 英梨、ぴきぴきと無言で震えはじめる。

「な、なんで……よりによって、お兄ちゃんの隣ぃ!?」

 ここなは、そんな視線を気にすることもなく、利家の机にペタッとくっつく。

「よろしくね、となりの“おにいちゃん先輩”♡」

「やめろ、その呼び方はやめろ!!!」

 利家の本気の悲鳴が上がる。

 一方で英梨は、机の下で拳をぎゅっと握りしめていた。

(あの小さいの……妹ポジション、取りに来てる!?)

 昼休み。

 ここなは、校内を徘徊しながら、なぜか迷子になる。

「えーと、どっちがトイレでどっちが保健室だっけ~……?」

 そして保健室に突入 → 先生が着替え中で大事件。

「きゃー!? うそ、まだ始まって2日目だよね!? ギャグ的にはもう4クール目だよね!?」

 ついには生徒会が動く。

「……真堂ここな、風紀の乱れを警戒して経過観察対象とする」

「え!? 私もう観察されてる系女子!?」

 放課後、英梨・陽葵・ひより・あすかたちは緊急女子会を開く。

「みんな、冷静に聞いてほしい。
 “ここな”は、妹ポジに入り込むために転校してきた可能性がある」

「えっそんなシナリオ!? え、じゃあ私が妹ポジでリードしてるのヤバくない!?(陽葵)」

「てか、あのノリで毎日過ごされたら、精神もたないかも……(あすか)」

「観察対象“ここな”。早くも推定カオスポテンシャル最大値(ひより)」

「わたし、お兄ちゃんの妹だもん……本物だもん……!!(英梨・震え声)」

 その夜。
 利家がふとつぶやいた。

「……なんか、春ってほんとにいろんな花が咲くな」

「……雑草も混じってますけどね」

 英梨の心の声は、まだ誰にも聞こえなかった。

 ──つづく。
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