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第四章『妹ルート暴走編:文化祭決戦パート』

第42話 『ステージ乱入ヒロインズ──私たちが止める!』

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 ──文化祭特設ステージ。
 混乱の真っ只中で、俺は完全にフリーズしていた。

 隣にはウェディングドレス姿の妹・幸香。
 対峙するのは──舞台に乱入してきた3人のヒロインたち。

 幼なじみ・袋田歩美。
 金髪転校生・舞香・A・C・リーヴス・天城。
 図書委員・磐城玲奈。

 

 この空間に、逃げ道はない。

 そして、次の瞬間──

 

「宣言する!!」

 

 真っ先に叫んだのは歩美だった。

 

「私は、久慈川幸喜の“初恋”であり“隣人”であり、“最初の嫁ポジ”だ!!
 妹だからって調子乗ってんじゃないわよ、この合法系病みロリがッ!!!」

 

 観客「ヒロイン宣言きたあああああああああ!!」

「初恋ポジの逆襲!!」「立ち絵変わった!? ちょっと大人びてない!?」

 

 舞香も一歩前に出る。

 

「我が祖国では、婚姻は“意志と実績”によって結ばれます!
 我は既に、ご両親への挨拶を済ませ、3度の同衾実績を有する者!
 妹よ、国家の重みに勝てるか!?」

 

 観客「異国パワーきたああああ!!」「合法ロイヤル勢力!!」

「同衾3回は強い……!」「記録済み!? 監視されてる!?」

 

 そして、玲奈。

 

「私は静かに、確実に、先輩との記憶を積み上げてきました。
 誰にも見えない“物語の裏”を、私は知っている──
 だからこそ言います。“兄妹という言葉”に、愛を偽装しないでください」

 

 観客「文学系ヒロイン……説得力がある……」「全員推せる……助けて……」

 

 

 ***

 

 だが、妹・幸香は一歩も引かなかった。

 

 ステージ脇に置かれていた司会用マイクを、彼女はスッと手に取る。

 

「──ふふ、よく言うよね。
 でもね?」

 

「私は、妹だよ?
 朝も夜も、同じ屋根の下で、同じ空気を吸ってきた。
 “お兄ちゃんのこと、誰より近くで見てきた”のは──私だよ?」

 

「これはね、“正当な権利”なの♥」

 

 ──観客、どよめき。

 だが、妹は止まらない。

 

「それに──証拠も、あるよ?」

 

 彼女がバッグから取り出したのは、USBメモリ。

 スクリーンに映し出されたのは……

 

 ・“兄の寝顔コレクション”スライドショー(99枚)
 ・布団内添い寝映像(モザイク付き)
 ・手編みパンツ収納棚(整理整頓済)
 ・兄抱き枕と一緒に眠る妹(自撮り)

 

「このぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!!」

 俺は地面に崩れ落ちた。

 

 観客、爆笑&悲鳴。

 

「これマジでやばいやつだって!!」「倫理崩壊ステージwww」
「文化祭で一番盛り上がってるのコレかよ!!」「いや警察呼べレベル!」

 

 

 ***

 

 一方、先生たちは──

 

 風紀委員「ステージの使用申請、“演劇形式の青春模擬告白”で通ってたんですが……」

 担任「いやまさか“リアル妹プロポーズ劇”だとは……」

 教頭「責任、誰が取るんだコレ」

 

 一人の教師(国語科)が、うっとりした顔で呟いた。

 

「……これは、もはや“愛の暴走文学”だね。比喩じゃなくて」

 

 

 ***

 

 その後、ステージは強制的にカーテンが下ろされ、
 “中止”という形で終わりを迎えた。

 

 だが、全てを終えた妹・幸香は──

 最後にマイクを手にして、こう言い残した。

 

「私は、“好き”で壊れてもいいの。
 お兄ちゃんの隣にいるためなら、
 倫理でも、理性でも、世界でも──何も惜しくないから♥」

 

 ステージ裏で、歩美たちは静かに息を呑んだ。

 

 誰も、笑えなかった。

 なぜならその言葉が──
 “本物”の覚悟で発せられていたから。

 

 

 ***

 

 その夜、Twitterのトレンド1位は《#妹プロポーズ》。
 TikTokでは「兄妹ステージのラスト5秒」が謎のバズを見せ、
 YouTubeには《実況・妹ルートの狂気》なる切り抜きが急上昇していた。

 

 だが──これは、まだ“前哨戦”にすぎなかった。
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