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第四章『妹ルート暴走編:文化祭決戦パート』

第49話 『答えじゃなくて、想いを』

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 雪は、すっかり止んでいた。

 神社の山を下りた俺たちは、駅前近くの喫茶店に集まっていた。

 

 メンバーは──

 ・幼なじみ、袋田歩美
 ・お嬢様イラストレーター、舞香=L=クレストン
 ・図書委員の後輩、磐城玲奈
 ・そして、俺の妹であり“問題の発端”である、久慈川幸香

 

 一人ひとりが、少し疲れた顔で座っていた。
 でも、全員の目が、ちゃんと前を見ていた。

 

 

 ***

 

「……あたし、あのままだったら、多分ほんとに……戻れなかったと思う」

 幸香が、ゆっくりと語り出す。

「誰にも届かない“好き”なんて、持ってちゃいけないって、
 ずっと、自分に言い聞かせてたから……」

 

「でも、違った」

「誰かを好きになるって、
 “叶える”ことじゃなくて、“向き合う”ことなんだって、
 やっと分かった気がする」

 

 その言葉に、舞香が小さく頷く。

 

「恋は、勝ち負けじゃありませんわ。
 誰かに勝つんじゃなく、その人の隣に“居続ける”覚悟が必要なんですの」

 

 歩美が、少し照れくさそうに笑う。

「こっちだってね、ずっと“選ばれる”のを待ってたけど……
 あんたの妹見てたら、ちょっとだけ、考え直した」

 

「“想ってる”ってだけで、
 すごく……強くて、苦しいんだなって」

 

 

 ***

 

 俺は、みんなの言葉を黙って聞いていた。

 胸の中が、温かいもので満たされていくのを感じた。

 それは、きっと“答え”じゃない。

 でも、確かに“何かを受け止める”覚悟だった。

 

 そのとき、玲奈が口を開いた。

 

「先輩。……私たち、分かってます」

 

「すぐに誰かを選べなんて、無理なことだって。
 でも、今日だけは──全部の想いを、まっすぐ見てください」

 

「傷ついても、苦しくてもいい。
 その代わり、嘘だけは、つかないでください」

 

 

 ***

 

 俺は、立ち上がって、みんなを見渡した。

 一人ひとりの顔を、ちゃんと見た。

 

「……ありがとう。みんな」

 

「俺、本当はずっと、
 誰かを選ぶのが怖かった。
 “選ぶこと=他を捨てること”だって思い込んでた」

 

「でも、今日分かったんだ。
 それよりも怖いのは、“向き合わないこと”なんだって」

 

 

 ──だから。

 

 俺は、手を差し出した。

 まずは、歩美に。
 そして、舞香に。
 玲奈に。
 幸香に。

 

 ひとりずつ、その手を取り、ぎゅっと握った。

 

「俺に“想ってくれてる人”がいるってこと。
 その奇跡を、絶対に忘れない。
 この気持ちに、ちゃんと応える。
 時間がかかっても──向き合い続ける」

 

 みんなが、少しずつ笑った。

 少し泣いて、でもちゃんと、笑ってくれた。

 

 

 ***

 

 帰り道。

 駅に向かう途中、隣を歩く幸香が、ぽつりと言った。

 

「……ありがとう。お兄ちゃん」

 

「うん」

 

「でもね。だからって、あたしの“好き”は引っ込めないから」

 

「毎日布団入るし、パンツは集めるし、朝は一緒に起きるし、
 合法の妹ルート、推進します♥」

 

「……今の感動返せよ」

 

「えへへ、返しません♪」

 

 

 ***

 

 こうして、
 俺たちの“答えじゃない青春”がまた始まった。

 

 でもそれで、いいんだ。

 

 “答え”はまだ先でいい。

 ただ、みんなの“想い”を受け止めて、
 前に進めばいいんだ。

 
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