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第六章《俺の布団に入る順番で、人生決まるってマジですか!?編》

第67話 『夜這いの順番、間違えました』

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 ──温泉合宿5日目、深夜。

 

 旅館の畳の部屋、障子越しに月が差し込む。
 俺・久慈川幸喜は、布団の中で緊張のあまり眠れずにいた。

 

 というのも──

 

 今夜の“添い寝ローテーション”は、**妹プロデュースの「公平制ハーレム運用計画」**により、
 ヒロインたちが日替わりで俺と一緒に寝るという、常識の斜め上をいく制度になっていたからである。

 

「はぁ……今日は歩美の日、だよな……落ち着け俺……普通に寝るだけだ、何も起きるわけ──」

 

 ──ガラッ。

 

 襖が開く音。

 

「お邪魔しまーす」

 

 浴衣姿の歩美が、少しだけ恥じらいながら入ってきた。

 

「えへへ、今夜は……“一緒”だから」

 

 ああ……なんて破壊力だ。
 不安と期待がない交ぜになった、正統派幼なじみ系ヒロインの“夜這いスマイル”。

 

 だが──その直後。

 

「……あれ? 歩美さん?」

 

 もう一枚の襖が開いた。

 

 現れたのは──磐城玲奈。

 

 手には「今夜はわたしの番」と書かれたスケジュール表の写し。

 

「私、今日の分、確認しましたよ?」

 

 歩美「は? いや、あたしが先って聞いて──」

 

 玲奈「いえ、わたしは……このために……シャワー浴びて、下着も選んで──」

 

 歩美「私だって気合い入れて……柔軟剤、こうきが好きなやつにしたのに!!」

 

 玲奈「私の……はいてない……んですけど?」

 

 歩美「えぐぅぅ!!?」

 

 ──修羅場は、寝る前から始まっていた。

 

 

 ***

 

【布団、上下からの侵略】

 

 結果──

 

「こうき。私は頭側に入るから、そっちに移動して」
「じゃあ私は……足側からいくね。挟まれる形で♥」

 

「ま、待て! 俺はどこに寝ればいいんだよ!? ていうか“挟む”って何!? なんの罰ゲーム!?」

 

 ──だが、俺の抗議は無視された。

 

 歩美は頭側から、すっと布団に潜り込み、
 玲奈は足元から、するりと滑り込んできた。

 

 そして──

 

「せーのっ!」

 

 同時に、ぎゅっ。

 

「ちょ、ちょっと待って!? お腹の上に頭乗せるのやめ──」
「ひざで腰挟むのも危ないから!!」
「そこっ! 息できない! 息!!」

 

 俺はまさかの、ひとり寝の布団で上下から抱きしめられる構図に陥っていた。

 

 ──左腕:歩美がギュウ。
 ──右脚:玲奈がスリスリ。

 

「こ、これは……理性が……酸欠で……溶け……」

 

「お兄ちゃん、ときめきセンサー、MAX♥」

 

 どこからともなく妹・幸香の声が聞こえる。
(※おそらく天井裏)

 

「酸欠+ときめき暴走=“寸前爆発”反応ですね♥」

 

 爆発て何だよ!?

 

 

 ***

 

【さらに追撃──“ささやき同時発動”】

 

 歩美「こうき……今、すっごくドキドキしてるの、わかるよ」
 玲奈「先輩の鼓動が、私の太ももに伝わってます……」
 歩美「朝になったら、何か“変化”あるかもね……」
 玲奈「……もしそうなったら、“責任”取ってくださいね?」

 

「ダメだ!!もう逃げる!!俺はこの布団から離脱する!!」

 

 ガバッ!

 

 ──だが、動けなかった。

 

 なぜなら、二人の太ももと腕力が、
 絶妙な位置で俺を固定していたからである。

 

「ま、待って!! マジで誰か!! 誰か布団の外から助けてぇぇ!!」

 

 襖の向こうから、妹の声。

 

「ダメだよ、お兄ちゃん♥ これは“男の責任”なんだから」

 

「意味がわからねえぇぇぇ!!」

 

 

 ***

 

【深夜2時・布団内限界突破】

 

 俺はその後、2時間。

 

 布団内で動けないまま、
 ときめきセンサーと羞恥心と下腹部圧迫感のトリプルコンボにより、
 ほぼ無言で悶え続けることになった。

 

 翌朝──

 

 歩美「おはよ、こうき……って、わぁ!?顔真っ青じゃん!!」
 玲奈「心拍数が異常でしたね……救急車、呼びます?」

 

 そして妹は記録表を取り出し、にっこり。

 

「お兄ちゃん、本日の**“圧死スコア”**は3.9ポイントでーす♥」

 

「その単語存在するなぁぁぁあ!!!」

 

 

 ──これは、青春の名を借りた、
 恋と布団と圧力の物語。

 

 俺は誓う。

 

(明日こそ……誰も布団に入ってくるな……!)

 

 だが、明日の布団には3人が並んで潜り込むことを、
 俺はまだ知らない──
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