氷人

Deefy Dalawz

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出会い

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朝は嫌いだ。陽の光は相も変わらず眩しい。それが俺の神経を逆撫でする。
今年高校生になったばかりの皆川晃は宿題や予習で夜寝る時間はなかった。
晃の就寝時間は大体夜の2時前後。起きるのは5時。眠いのは当然である。
けたたましく鳴る目覚まし時計の金属部分を触って音を消し、晃はベッドから降りた。
「ご飯できてるわよ」
下の階から母の声が聞こえる。優しい母は晃の弁当を毎朝作ってくれる。
「今行くよ」
晃はそう返事をすると、高校の制服に着替え、重い体を持ち上げてのそのそと階段を下りて行った。
「母さん、今日の朝ごはんは何?」
「今日は目玉焼きとほうれん草とご飯。今日もしっかり授業受けてくるんだよ。」
他愛もない会話は家庭内の空気をよくする。
「ママー お腹すいたー」
上から声がする。弟の一翔だ。匂いにつられてきたのだろう。
「かずちゃんの分はこれね。」
母は毎日忙しそうだった。
いつものように目玉焼きをほおばり、弁当を受け取ると、
「じゃあ行ってきます」
と言った。
「いってらっしゃい...あ、ちょっと待って。」
母に呼び止められ玄関のドアを開くのを止める。
「何?」
「明後日は父さんの5回忌だから早く帰ってきて。」
「わかった。行ってきます。」
そういってドアを閉めた。
晃は家から学校まで遠いから1時間に2本しか来ない電車に乗っていく。そういう生徒は多いからいつも登校中はほかの生徒に潰されがちだ。
「晃、おはよう」
後ろから声がする。振り向くと、幼馴染の結だった。
「おお、結か。おはよう。数学の宿題やってきた?」
結は思い出したかのように
「あ!やってない!晃一生のお願い!宿題写させて!!」
「バーカ。自分でやらなきゃ宿題の意味がないだろ」
「いじわる。」
電車の中ということも忘れて結と談話していた。周りの生徒はほとんどスマホをいじっていて静かだから大声で話すのは気が引ける。
「写させないけどわからないとこは教えてやるよ。どこがわからないの?」
結はとりわけ頭がいいわけではないが、手のつけようがないほどではなかった。
「この二次関数?の...えーっと、左右に移動するやつ!」
「ああ、平行移動か。あれはだな...」
そんな会話をしているうちに学校の最寄り駅に到着した。
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