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一回目の廃棄
3rd trash -gameset-
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目を開けると視界にはあのベルトコンベアの先端が映っていた。
最上は謎の浮遊感に包まれていた。ああ、俺は死んだのか。しかし最上はすぐに背中の違和感に気づいた。
「熱っ!」
下にはサッカーゴールについているようなネットが張ってあり、そのすぐ真下、2mほど下は溶岩の海だった。
俺は助かったのか? 答えはすぐにわかった。
ネットが次第に上昇しだした。さっきまで遥か遠くに感じていたベルトコンベアの先端はもう目と鼻の先に迫っていた。
ゴム状の床に降りた。その床が動くことはなかった。 どこかで舌打ちが聞こえたが聞こえていないフリをした。
『は~いゲーム終了です~! あなた達は生き残ることに成功しました~!』
気づけばモニターの画面いっぱいにあの忌々しいキャラクターが映っていた。
「お前さっきからふざけたことばっか言いやがって!俺たちの命をなんだと思っているんだ!」
『あなた達の...命? ふざけてるのか?』
最上の怒号は密室内によく響いた。しかしモニター内のキャラクターの声は最上のそれを遥かに凌駕する圧倒的な威圧感を持っていた。
『お前らは人間として最低限果たすべきことができていない者の集まりだ。人権など認めない。』
「はあ?俺は正真正銘この国で生まれ育った国民だぞ!人権はある!」
『人権はある? 違うな。人権は「あった」んだよ。お前が勝手にそれを放棄しただけだ。』
最上とキャラクターの言い合いは続く。
「俺は放棄した覚えはない!そんなことしたら大統領が黙ってないぞ!」
キャラクターの眉がピクリと動いた。数秒の沈黙の後、
『...が...う...』
という音が聞こえた。
「どうした!?何か言いたいことでもあるのか!?」
『俺が!!
俺が...その大統領だ』
「大統領が黙ってないぞ!」
『俺が...その大統領だ』
キャラクターの突然の告白に一同は静まり返った。
『お前らは国のために尽くしていない!俺はこの国を引っ張っている!だがお前らはその俺の足を引っ張っている!ふざけるんじゃないよ!
...お前らがこうなった原因はお前らだ。それを何だ!国民だなんだって言い訳が通用するわけないだろうが!』
数分感の沈黙が続く。
『さーて、君たちは一回バイバイ!』
沈黙を破ったキャラクターはさきほどとはうって変わった態度で俺たちを睨みつけ、
『また明日ね』
とだけ言い残した。
モニターが切れた瞬間、上から色の着いたガスが流れ込んできた。俺はそれが何なのかはすぐに把握した。
「催眠ガスだ!みんな伏せろ!」
俺はそう言うとすぐに身を屈めた。それに釣られるかのように周りの人間も低い姿勢をとった。しかし催眠ガスの放出は止まらなかった。
「畜生め」
俺の意識はそこで途切れた。
最上は謎の浮遊感に包まれていた。ああ、俺は死んだのか。しかし最上はすぐに背中の違和感に気づいた。
「熱っ!」
下にはサッカーゴールについているようなネットが張ってあり、そのすぐ真下、2mほど下は溶岩の海だった。
俺は助かったのか? 答えはすぐにわかった。
ネットが次第に上昇しだした。さっきまで遥か遠くに感じていたベルトコンベアの先端はもう目と鼻の先に迫っていた。
ゴム状の床に降りた。その床が動くことはなかった。 どこかで舌打ちが聞こえたが聞こえていないフリをした。
『は~いゲーム終了です~! あなた達は生き残ることに成功しました~!』
気づけばモニターの画面いっぱいにあの忌々しいキャラクターが映っていた。
「お前さっきからふざけたことばっか言いやがって!俺たちの命をなんだと思っているんだ!」
『あなた達の...命? ふざけてるのか?』
最上の怒号は密室内によく響いた。しかしモニター内のキャラクターの声は最上のそれを遥かに凌駕する圧倒的な威圧感を持っていた。
『お前らは人間として最低限果たすべきことができていない者の集まりだ。人権など認めない。』
「はあ?俺は正真正銘この国で生まれ育った国民だぞ!人権はある!」
『人権はある? 違うな。人権は「あった」んだよ。お前が勝手にそれを放棄しただけだ。』
最上とキャラクターの言い合いは続く。
「俺は放棄した覚えはない!そんなことしたら大統領が黙ってないぞ!」
キャラクターの眉がピクリと動いた。数秒の沈黙の後、
『...が...う...』
という音が聞こえた。
「どうした!?何か言いたいことでもあるのか!?」
『俺が!!
俺が...その大統領だ』
「大統領が黙ってないぞ!」
『俺が...その大統領だ』
キャラクターの突然の告白に一同は静まり返った。
『お前らは国のために尽くしていない!俺はこの国を引っ張っている!だがお前らはその俺の足を引っ張っている!ふざけるんじゃないよ!
...お前らがこうなった原因はお前らだ。それを何だ!国民だなんだって言い訳が通用するわけないだろうが!』
数分感の沈黙が続く。
『さーて、君たちは一回バイバイ!』
沈黙を破ったキャラクターはさきほどとはうって変わった態度で俺たちを睨みつけ、
『また明日ね』
とだけ言い残した。
モニターが切れた瞬間、上から色の着いたガスが流れ込んできた。俺はそれが何なのかはすぐに把握した。
「催眠ガスだ!みんな伏せろ!」
俺はそう言うとすぐに身を屈めた。それに釣られるかのように周りの人間も低い姿勢をとった。しかし催眠ガスの放出は止まらなかった。
「畜生め」
俺の意識はそこで途切れた。
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