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✽✽次期王になりたくない双子は…後編
兄とのジャンケンに負けたエディはどうやって断ろうかと悩みながらも、何も知らない素振りで水晶宮へ出向いた。
「お久しぶりです!
母上、何かありましたか?
もしや…父上が浮気ですか?
それならバレない薬がありますよ…
私は秘密が守れる男ですから安心して下さい!」
エディは深刻な空気を茶化すようなセリフを吐いて、母を煙に巻いてみる作戦に出た。
「エディアス…
もっと深刻なのよ。
率直に言うわよ!
お願い!次期王になって!
もう…あなたしかいないの」
「お断り致します!
ふたりも優秀な兄がいるのに魔法ヲタクの私が王になるなんておこがましい…」
「それが…ふたりともダメなのよ…」
参ったな…
これは不味い…
泣き落としのパターンだな。
「母上!
まだいるじゃないですか!
私よりも優秀な妹が…
母上に似た美貌で国民にも人気のアンヌを女王にしましょう!
アンヌが女王になるなら私は協力を惜しみませんよ。
アンヌが無理ならアンヌの婿に王の器がある男をあてがいましょう!
隣国の第2王子とか?」
よし!
母上が考えているうちに…
帰ろう!
「待って!
アンヌと隣国の王子は恋仲なの?
お前は、隣国のダイド王子とも面識があるわよね?
即刻、調べて私に報告してくれるかしら?
それと…アンヌを隣国から呼び戻してちょうだい!
直ぐにね?」
やれやれ…
人使いが荒いなぁ。
僕じゃなくて白百合隊にやらせればよいのに…
「母上…
私もそれ程暇ではないのですよ?
何か私に言う事はございませんか?」
僕をただでこき使うなんて…
母上でも許しませんよ?
「エディアス…悪かったわ。
新しい魔導師庁の敷地を王宮の近くに用意するから私のお願いを聞いて貰えるかしら?」
「勿論です!
王妃リリーアン様、では私はこれで」
悔しそうな顔で僕を見送る母上にウインクして、スキップしながら水晶宮を出たら裏門を守っていた白百合騎士団員にドン引きされた。
「エディアス様が満面の笑みでスキップとか…無いわぁ」って呟いたヤツ…
明日はトイレから出られない呪いかけといたからな!
僕は、優しいからその位で済んで良かったと思いなよ?
僕は父上に母上の命によりアンヌを迎えに行くと念話した。
ついでにダイドには、僕の妹と付き合ってるの?と念話で聞いてみた。
父上からは話は聞いている!アンヌを宜しくと言われたので後から迎えに行くとしよう。
ダイドからは…
残念ながら自分の片想いです!との返事…
案外ヘタレらしい。
◇◇◇◇◇
僕は使い魔を呼び出して母上への手紙を託した。
◈◈ご報告
アンヌとダイド王子は単なる友人です。
今のところ、ダイド王子の片想いのようです。
アンヌが頷けば政略結婚は問題無いでしょう。
夜にアンヌを迎えに参ります。
これでいいだろ?
僕って仕事速いよね?
次に僕はアンヌ付きの侍女に、夜迎えに行くから帰国準備宜しくと念話をしておいた。
アンヌはしっかりしているし…僕たちより優秀なんだから女王になって貰わないとね!
あっ…
未来の女王様にも連絡しないと…
アンヌに迎えに行くと念話したら…喜ばれたので…
割とシスコンな僕は機嫌よく魔導師庁に帰るのだった。
それにしても…
真実の愛に溺れちゃって廃嫡とは…
兄貴、お気の毒に…
それ位、女に溺れてみたいもんだな…
僕には無理だろうけど…
兄とのジャンケンに負けたエディはどうやって断ろうかと悩みながらも、何も知らない素振りで水晶宮へ出向いた。
「お久しぶりです!
母上、何かありましたか?
もしや…父上が浮気ですか?
それならバレない薬がありますよ…
私は秘密が守れる男ですから安心して下さい!」
エディは深刻な空気を茶化すようなセリフを吐いて、母を煙に巻いてみる作戦に出た。
「エディアス…
もっと深刻なのよ。
率直に言うわよ!
お願い!次期王になって!
もう…あなたしかいないの」
「お断り致します!
ふたりも優秀な兄がいるのに魔法ヲタクの私が王になるなんておこがましい…」
「それが…ふたりともダメなのよ…」
参ったな…
これは不味い…
泣き落としのパターンだな。
「母上!
まだいるじゃないですか!
私よりも優秀な妹が…
母上に似た美貌で国民にも人気のアンヌを女王にしましょう!
アンヌが女王になるなら私は協力を惜しみませんよ。
アンヌが無理ならアンヌの婿に王の器がある男をあてがいましょう!
隣国の第2王子とか?」
よし!
母上が考えているうちに…
帰ろう!
「待って!
アンヌと隣国の王子は恋仲なの?
お前は、隣国のダイド王子とも面識があるわよね?
即刻、調べて私に報告してくれるかしら?
それと…アンヌを隣国から呼び戻してちょうだい!
直ぐにね?」
やれやれ…
人使いが荒いなぁ。
僕じゃなくて白百合隊にやらせればよいのに…
「母上…
私もそれ程暇ではないのですよ?
何か私に言う事はございませんか?」
僕をただでこき使うなんて…
母上でも許しませんよ?
「エディアス…悪かったわ。
新しい魔導師庁の敷地を王宮の近くに用意するから私のお願いを聞いて貰えるかしら?」
「勿論です!
王妃リリーアン様、では私はこれで」
悔しそうな顔で僕を見送る母上にウインクして、スキップしながら水晶宮を出たら裏門を守っていた白百合騎士団員にドン引きされた。
「エディアス様が満面の笑みでスキップとか…無いわぁ」って呟いたヤツ…
明日はトイレから出られない呪いかけといたからな!
僕は、優しいからその位で済んで良かったと思いなよ?
僕は父上に母上の命によりアンヌを迎えに行くと念話した。
ついでにダイドには、僕の妹と付き合ってるの?と念話で聞いてみた。
父上からは話は聞いている!アンヌを宜しくと言われたので後から迎えに行くとしよう。
ダイドからは…
残念ながら自分の片想いです!との返事…
案外ヘタレらしい。
◇◇◇◇◇
僕は使い魔を呼び出して母上への手紙を託した。
◈◈ご報告
アンヌとダイド王子は単なる友人です。
今のところ、ダイド王子の片想いのようです。
アンヌが頷けば政略結婚は問題無いでしょう。
夜にアンヌを迎えに参ります。
これでいいだろ?
僕って仕事速いよね?
次に僕はアンヌ付きの侍女に、夜迎えに行くから帰国準備宜しくと念話をしておいた。
アンヌはしっかりしているし…僕たちより優秀なんだから女王になって貰わないとね!
あっ…
未来の女王様にも連絡しないと…
アンヌに迎えに行くと念話したら…喜ばれたので…
割とシスコンな僕は機嫌よく魔導師庁に帰るのだった。
それにしても…
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それ位、女に溺れてみたいもんだな…
僕には無理だろうけど…
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