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新しい門出
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パミラに手を引かれて桜庵に来たロペス。
「いらっしゃいませ!あれパミラちゃん?どうしたの?」
「ミルにお客様だよ?」
パミラは、隣にいたロペスをグイグイと前に押す。
「ミルティーヌ様!お久しぶりでございます!私の事、覚えていらっしゃいますか?」
「勿論よ、ロペス。ミディ姉様と一緒に遊ぶ時にいつもあなたが私たちを守っていてくれたもの。
どうしたの?デイブさんを訪ねて来たのかしら?
それとも、和菓子を買いにいらしたの?」
藍色の生地に桜の花を散らした着物を着て、紅い髪をアップにしているミルティーヌは、アーライの貴族令嬢時代の顔とは全く違っていた。
ロペスが覚えている彼女は、笑っていても何処と無く退屈そうな顔をしていたから。
今の彼女は心からの笑顔で微笑んでいるといった風に見える。
「今日は、ミルティーヌ様に会いに来たのですよ。実は、ディオン様からノティス商会のジュビア支部を任されまして…
ミルティーヌ様がこちらにいると聞いて挨拶に伺ったのです」
「そうなの?まだ私は聞いてないのよ!
おじい様ったら!
成人したらミルがノティス商会の代表だからとか言ってたの本気なのかしら?
私が頼りないから、ロペスが巻き込まれちゃったのね…
ごめんなさいね」
◇◇◇◇
ミルティーヌ様は変わられたのだ。
以前のように、平均値の公爵令嬢を義務的に演じるのはやめたのだな。
流石、ディオン様だ。
ノティス商会をミルティーヌ様に任せるのは、孫バカが炸裂した結果ではないようだ。
彼女が本物なら、私は本気でサポートしないと…
「ミルティーヌ様!
成人したばかりで誰からも頼られる者なんていませんよ?
私で良ければ使って下さい。
あなたの手足として、働きましょう。
あなたがジュビアで思うように動けるまで、私が足場を固めますから、御安心を!」
「ロペス、有難う。心強いわ。
まず最初に、あなたには私が作ったお団子を食べて欲しいのよ。
アーライにも、お団子を広めたいの!
作ったお団子をアーライに持っていくのは大変でしょ?
だからね。デイブさんがブレンドしたているお団子の粉をノティス商会で販売したいのよ?」
「成程…では、お団子を試食してみますね」
ミルティーヌ様が、桜庵を手伝い出したのは最近だよな?
やはり、商才があるのだろう。
アーライで団子屋を開くのではなく、デイブがブレンドした粉を販売するという考えが商人らしい。
お嬢には考えつかない事だよな!
ディオン様は、ミルティーヌ様に商才がある事を知っていたんだろう。
面白い!
この令嬢の下で働くのは楽しそうだな。
「ロペス…どう?
もちもちがいいでしょ?
アーライは麺文化だから、粉の使い方はみんな上手なはずよね。
だから、粉で売りたいと思ったのよ?
作り方を実演して販売したらどうかしら?
粉のブレンドも比率を教えてもらって工場で作る予定なのよ」
「ミルティーヌ様!
このもちもちはクセになります!
この甘辛なタレも売りましょう!
他にタレがあるなら、それも…」
ミルティーヌとロペスは、団子の粉とタレの商品化に夢中になっていた。
その隣では、パミラがみたらし団子とゴマ団子を幸せそうに食べている。
お団子の実演販売のサクラはパミラちゃんに決定ね!
ジュビア支部の初オリジナル商品は桜庵のお団子が作れる魔法の粉になるみたいだよ?
みんな買ってね!
「いらっしゃいませ!あれパミラちゃん?どうしたの?」
「ミルにお客様だよ?」
パミラは、隣にいたロペスをグイグイと前に押す。
「ミルティーヌ様!お久しぶりでございます!私の事、覚えていらっしゃいますか?」
「勿論よ、ロペス。ミディ姉様と一緒に遊ぶ時にいつもあなたが私たちを守っていてくれたもの。
どうしたの?デイブさんを訪ねて来たのかしら?
それとも、和菓子を買いにいらしたの?」
藍色の生地に桜の花を散らした着物を着て、紅い髪をアップにしているミルティーヌは、アーライの貴族令嬢時代の顔とは全く違っていた。
ロペスが覚えている彼女は、笑っていても何処と無く退屈そうな顔をしていたから。
今の彼女は心からの笑顔で微笑んでいるといった風に見える。
「今日は、ミルティーヌ様に会いに来たのですよ。実は、ディオン様からノティス商会のジュビア支部を任されまして…
ミルティーヌ様がこちらにいると聞いて挨拶に伺ったのです」
「そうなの?まだ私は聞いてないのよ!
おじい様ったら!
成人したらミルがノティス商会の代表だからとか言ってたの本気なのかしら?
私が頼りないから、ロペスが巻き込まれちゃったのね…
ごめんなさいね」
◇◇◇◇
ミルティーヌ様は変わられたのだ。
以前のように、平均値の公爵令嬢を義務的に演じるのはやめたのだな。
流石、ディオン様だ。
ノティス商会をミルティーヌ様に任せるのは、孫バカが炸裂した結果ではないようだ。
彼女が本物なら、私は本気でサポートしないと…
「ミルティーヌ様!
成人したばかりで誰からも頼られる者なんていませんよ?
私で良ければ使って下さい。
あなたの手足として、働きましょう。
あなたがジュビアで思うように動けるまで、私が足場を固めますから、御安心を!」
「ロペス、有難う。心強いわ。
まず最初に、あなたには私が作ったお団子を食べて欲しいのよ。
アーライにも、お団子を広めたいの!
作ったお団子をアーライに持っていくのは大変でしょ?
だからね。デイブさんがブレンドしたているお団子の粉をノティス商会で販売したいのよ?」
「成程…では、お団子を試食してみますね」
ミルティーヌ様が、桜庵を手伝い出したのは最近だよな?
やはり、商才があるのだろう。
アーライで団子屋を開くのではなく、デイブがブレンドした粉を販売するという考えが商人らしい。
お嬢には考えつかない事だよな!
ディオン様は、ミルティーヌ様に商才がある事を知っていたんだろう。
面白い!
この令嬢の下で働くのは楽しそうだな。
「ロペス…どう?
もちもちがいいでしょ?
アーライは麺文化だから、粉の使い方はみんな上手なはずよね。
だから、粉で売りたいと思ったのよ?
作り方を実演して販売したらどうかしら?
粉のブレンドも比率を教えてもらって工場で作る予定なのよ」
「ミルティーヌ様!
このもちもちはクセになります!
この甘辛なタレも売りましょう!
他にタレがあるなら、それも…」
ミルティーヌとロペスは、団子の粉とタレの商品化に夢中になっていた。
その隣では、パミラがみたらし団子とゴマ団子を幸せそうに食べている。
お団子の実演販売のサクラはパミラちゃんに決定ね!
ジュビア支部の初オリジナル商品は桜庵のお団子が作れる魔法の粉になるみたいだよ?
みんな買ってね!
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