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嫁の務めって…

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パミラから色々と黒の王との生活について聞かされたミディ。

最初は興味津々で聞いていたものの、ふたりの熱々ぶりやパミラを溺愛する黒の王の様子、ふたりの甘々な生活について聞けば聞くほど胸焼けがしそうになっている。

黒の王って…

クールなのかと思ったらパミラが傍にいるとデレデレなのね。

パミラの事を可愛がって大事にしてくれているのは嬉しいんだけど…

目の前で溺愛っぷりを見せられると中々キツいわね。

デイブも私に凄く優しいし、甘やかしてくれているけど、放任主義だもんね。

常に近くにいないと気がすまないとかないからなぁ…私たちは…

私だったら、黒の王みたいに常に一緒にいたがる旦那様とは暮らせないなぁ。

好きな時に依頼を受けて長くダンジョンに潜ったり、潜入捜査でしばらく留守にしたり…

仕事で家を空けてばっかりだもの。

デイブは私の事を不満に思ってたりしないのかな?

目の前で愛を囁き合うふたりを眺めながらため息をつくミディである。

「あーミディ、何か変な事考えてるでしょ?私と黒の王がラブラブなのは気にしなくていいからね?

私たちとミディとデイブは違うんだからね」

「パミラ…

何で私が考えていた事が分かるの?

私たち以心伝心?」

「ふふっ。

ミディは、考えている事が全部顔に出ちゃうからねぇ。

直ぐにバレるわよ」

「そうなの?」

考えていた事をパミラに当てられ恥ずかしそうに笑うミディ。


「私は長い間、番を探していたからね。

ようやく巡り会えた番をひとときも離したくないのだよ。

番は特別だからね。

たまにはパミラをあなたの所に預けてもよいのだが…

我が番は、可愛いから心配で…」

黒の王はパミラを抱っこしたままである。

パミラが何も気にしていないので、ふたりの時はいつもこんな感じなのだろう。

「私もね。

黒の王としばらく離れていると胸が苦しくなって泣きたくなるの。

傍にいないとダメなのよ。番ってそんなもんなんだと思う」

そう言いながら、パミラは黒の王のふわふわした腹毛にダイブするのだった。

もふもふ好きのミディは…

あのふわふわの腹毛と全体的に艶々でもふもふな毛並みはズルい…と羨ましそうにふたりを見つめるのであった。

ちょっと撫でさせて欲しいけど…

パミラが嫌がるよね?

黒の王も困るだろうし…

ミディは、黒の王の毛並みの撫で心地が気になるようだ。

撫でさせてくれないよねぇ…と黒の王の腹毛を堪能しているパミラを羨ましそうに見つめるミディであった。

毎日あの様子じゃ、側近達も大変よねぇ。

夫婦も色々なんだなぁ…

世の中広いんだから、色んな夫婦の形があるよね。

私は私でいいんだ。

今まで通りの私でいよう。

無理したら私が私じゃいられなくなるから…

ミディは、アーライ神国で神王妃になる為に毎日やりたくもない事をしていた時代を思い出していた。

私には向いていなかったなぁ…

あの時、婚約破棄されてジュビアへ来て良かったなぁと思いながら、父ラテルが買ってきたやたら甘いジュースを飲むミディだった。

これ、何のフルーツかしらねぇと考えながら。



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