13 / 16
会いたかった
しおりを挟む
そのあと皐月は目を覚ましてパジャマを着た。
そして現在、皐月が俺を前に土下座していた。
「ご迷惑をかけてしまいすいませんでした!」
地面に埋まる勢いで頭を床に擦り付けている。よほど申し訳ないと思っているらしい。
「はぁ~。こんなことになるんだったら入らなければよかったのにどうして入ってきたんだ?」
そう問うと皐月は恥ずかしそうにしながら答えた。
「一緒に入りたかったからでしょうかね?」
「なんで疑問系なんだよ・・・。」
「はあ。もういいや。許すからこれからは別々に入ろうぜ。分かったか?」
「はい!」
元気な返事。こいつ絶対わかってねぇ。
逆に皐月から質問された。
「でも一緒に入って悪くはなかったでしょう?」
「こっちは大変だったんだぞ!良いわけあるか!」
「でも私知っていますよ。」
「私を運ぶ時、チラチラと私の裸を見ていた事を。」
「な!?」
「もうエッチですねぇ~。」
「何でそんなこと知って・・・!」
「だいたい予想はつきます。」
確かにこいつの言う通り少し見ていた節はある。
気づいていたというのか!バレないよう隠すの必死だったのに。
「もういい!俺はもう寝る!」
恥ずかしくなった俺は無理矢理話を終わらせ寝るため自室に行こうと立ち上がった。
「顔を真っ赤にして可愛いですね。それとあと一つ聞いてもよろしいですか?」
「何だ?」
「一緒に寝ても良いですか?」
「却下だ!」
俺はそう叫ぶと今度こそ自室に入り部屋の明かりを消した。
ベットに入り今日は皐月のせいですごく疲れたのかすぐに睡魔が襲ってきた。
これからの事についてもう少し考えないといけないのだが流石に眠すぎる。
今日のところはこの眠気に素直に従い眠る事にしようと決めた。
段々と俺の意識は途切れていった。
———咄嗟に俺は目を覚ました。
布団の中で何かが蠢いているのを感じたからだ。
泥棒?それはありえない。布団の中に入る意味がないからな。
ならば皐月か・・・?少し声も聞こえるし間違いないだろう。
そう思った直後、皐月が俺の腰に手を回してきた。
疑問が一気に焦りに変わる。
俺は皐月に向かって怒鳴ろうと起きあがろうとした。
すると皐月の方から啜り泣く声が聞こえた。
・・・・え?なんで泣いているんだ?
こんな状況で起き上がることなどできるわけが無くそのまま数分間は皐月に抱かれていた。
その間も皐月は泣いていた。
1分くらい経っただろうか?啜り泣く声は聞こえなくなったが依然、皐月はベットの中にいる。
すると皐月がより一層、俺を抱きしめる力を強め今度は嗚咽を零しながら声を上げた。
「レン君。貴方に会いたかった・・・。」と・・・。
その言葉を最後に皐月から寝息が聞こえてきた。
・・・寝てやがる。
にしてもさっきの言葉が気になる。
『会いたかった』だと?俺は過去に皐月に会った事は一度たりともない。
それなのにこいつは俺を知っているのか?
考えても考えても分からない。
また眠気が俺を襲う。
俺は答えも出せないまま皐月からまだ抱かれているためベットから出ることもできずそのまま寝るのだった。
これじゃあまるで抱き枕だな・・・。
そして現在、皐月が俺を前に土下座していた。
「ご迷惑をかけてしまいすいませんでした!」
地面に埋まる勢いで頭を床に擦り付けている。よほど申し訳ないと思っているらしい。
「はぁ~。こんなことになるんだったら入らなければよかったのにどうして入ってきたんだ?」
そう問うと皐月は恥ずかしそうにしながら答えた。
「一緒に入りたかったからでしょうかね?」
「なんで疑問系なんだよ・・・。」
「はあ。もういいや。許すからこれからは別々に入ろうぜ。分かったか?」
「はい!」
元気な返事。こいつ絶対わかってねぇ。
逆に皐月から質問された。
「でも一緒に入って悪くはなかったでしょう?」
「こっちは大変だったんだぞ!良いわけあるか!」
「でも私知っていますよ。」
「私を運ぶ時、チラチラと私の裸を見ていた事を。」
「な!?」
「もうエッチですねぇ~。」
「何でそんなこと知って・・・!」
「だいたい予想はつきます。」
確かにこいつの言う通り少し見ていた節はある。
気づいていたというのか!バレないよう隠すの必死だったのに。
「もういい!俺はもう寝る!」
恥ずかしくなった俺は無理矢理話を終わらせ寝るため自室に行こうと立ち上がった。
「顔を真っ赤にして可愛いですね。それとあと一つ聞いてもよろしいですか?」
「何だ?」
「一緒に寝ても良いですか?」
「却下だ!」
俺はそう叫ぶと今度こそ自室に入り部屋の明かりを消した。
ベットに入り今日は皐月のせいですごく疲れたのかすぐに睡魔が襲ってきた。
これからの事についてもう少し考えないといけないのだが流石に眠すぎる。
今日のところはこの眠気に素直に従い眠る事にしようと決めた。
段々と俺の意識は途切れていった。
———咄嗟に俺は目を覚ました。
布団の中で何かが蠢いているのを感じたからだ。
泥棒?それはありえない。布団の中に入る意味がないからな。
ならば皐月か・・・?少し声も聞こえるし間違いないだろう。
そう思った直後、皐月が俺の腰に手を回してきた。
疑問が一気に焦りに変わる。
俺は皐月に向かって怒鳴ろうと起きあがろうとした。
すると皐月の方から啜り泣く声が聞こえた。
・・・・え?なんで泣いているんだ?
こんな状況で起き上がることなどできるわけが無くそのまま数分間は皐月に抱かれていた。
その間も皐月は泣いていた。
1分くらい経っただろうか?啜り泣く声は聞こえなくなったが依然、皐月はベットの中にいる。
すると皐月がより一層、俺を抱きしめる力を強め今度は嗚咽を零しながら声を上げた。
「レン君。貴方に会いたかった・・・。」と・・・。
その言葉を最後に皐月から寝息が聞こえてきた。
・・・寝てやがる。
にしてもさっきの言葉が気になる。
『会いたかった』だと?俺は過去に皐月に会った事は一度たりともない。
それなのにこいつは俺を知っているのか?
考えても考えても分からない。
また眠気が俺を襲う。
俺は答えも出せないまま皐月からまだ抱かれているためベットから出ることもできずそのまま寝るのだった。
これじゃあまるで抱き枕だな・・・。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
皇后マルティナの復讐が幕を開ける時[完]
風龍佳乃
恋愛
マルティナには初恋の人がいたが
王命により皇太子の元に嫁ぎ
無能と言われた夫を支えていた
ある日突然
皇帝になった夫が自分の元婚約者令嬢を
第2夫人迎えたのだった
マルティナは初恋の人である
第2皇子であった彼を新皇帝にするべく
動き出したのだった
マルティナは時間をかけながら
じっくりと王家を牛耳り
自分を蔑ろにした夫に三行半を突き付け
理想の人生を作り上げていく
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる