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28.魔王城

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「魔王城か……」

 魔王城の禍々しさに前にいた騎士達は愕然としていた
 三十年前に比べるとそこまで大きくはないが、今日の戦った魔王軍よりも強い気配を多く感じる

「それで、スターフ、作戦はどうするんだ?」

「そうですね……魔王城の一番上には魔王がいますが、それより前には強力な魔王軍がいます」

 スターフの言う通り、魔王は生存率が高い最上階におり、その下には囲うように魔族がいる

「騎士団に魔王は倒せませんので、その下にいる魔王軍を倒してもらいます。あとはあなたが魔王を倒すだけです」

 至ってシンプルだが、騎士団と魔王の実力を考えれば良い作戦だ、今の魔王の実力がどれほどか分からないが……

「分かった、レガンもそれでいいな?」

「ああ」

 魔王城の内部はかなり複雑だが、レガンがそこにいれば心強い

「そろそろ始めれるか?」

「……始めましょうか」

 スターフの許可も出たとこで、レガンが腕を上にあげ口を開いた

「皆の者!!   この国の為に、必ず魔王を討伐するぞ!!   全騎士!   突入!!!」

 教官の合図で騎士団が一斉に魔王城へ入っていく

「俺達も行くぞ」

 魔王城に入ろうとすると、教官に「待て」と呼び止められた

「何だ?」

「ルーク……間違っても相討ちにはなるな、必ず討って帰って来い!!」

「……もちろんだ」




 ~魔王城~




「【風刃】!」

 魔王城にいる魔王軍はやはりは強い、見る限り騎士達も苦戦している
 熟練の騎士は前へ進んでいるみたいだが、一般の騎士ではその場から動けないみたいだ

「【ゴーレム召喚】!」

 魔王城の壁からゴーレムを作り出し、苦戦している騎士を援護させる

 騎士団が勢いを上げ、俺もそのまま上の階に上がって行った
 魔王城の構造は、中に入れば階段があり、それを守るように魔王軍がいる。無論階段を登った所には罠があり、階を上がっていけばより厳重になっていく






「余裕のある者は先に上がっておけ!!」

 騎士団長のレガンはルークより比較的低い階で指揮を執っていた

 その指揮のおかげで、魔王城の攻略は円滑に進んでいた

「怪我した者は……」

 その時、突如目の前に転移して来た魔族がいた

「!?」

「……ロラウズダ……」

 少し困惑したが、ルークから聞いていた通り少し透けていて転移が得意、これは本当にロラウズで間違いなさそうだ……

「団長……!!」

「大丈夫だ」

 魔王がやられれば魔族の力は圧倒的に弱まる、ルークが戦っている間にこいつを倒すか、引き留めなければならない

「ここは任せておけ!」







「……おらぁっ!」

 かなり上の方に来たが、騎士もおらず魔王軍に囲まれて上に上がることが出来ない

「……やはり来たか」

 戦っている最中、上の階段から下ってきたのは、魔王側近の【ガウズ】

「ククク、そんな囲まれた状態でよく余裕でいられるのぉ」

 向こうは挑発してきたが、俺はあえて魔力を温存していた。たがこのままいけば奴にやられてしまうかもしれない

「【ゴーレム召喚】」

 仕方ないが、魔力を使いゴーレムを召喚した、今はあいつとの戦いに集中する事にしる

「疲れた状態でわしを倒せると思っておるのか?」

「……そのつもりだ」

 こいつが降りてきたということはすぐ上に魔王がいるということだ、戦力的にもこいつは早めに倒しておきたい

「……【雷極剣】!!」

 剣のスキルの中で最火力の【雷極剣】だが、ガウズにも同じようなスキルがあった

「【風操剣】」

 当てようとした刃は止められ、その刃で攻撃を返される。この繰り返しを高速に行い、もはや横のゴーレム達の様子を見る余裕はなかった
 しかし、それは奴も同じであった

「ぶはっ!   全く当てれないわ、本当に勇者で間違いないんじゃの」

 やはりここは魔王戦を考えて魔法は使いたくない……が


「致し方がない!!   【天光】!!」


「天光……!?」
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