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Episode.01

01-2

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「起きたんならさっさと準備しろ。ただでさえお前と登校なんて恥ずかしいのに、遅刻なんかたまったもんじゃない」


…あ、それから。


「はぁっ!?私だってあんたと一緒に登校なんて嫌よっ!っていうか、あんた1人で行けばいいじゃないっ」


私達、犬猿の仲です。


「お前の分際で、生意気なこと言うんじゃねぇ。お前に発言権なんてねぇんだよ。分かったら黙って支度しろ」


小さい頃はよく2人で遊んで、近所の人からも仲がいいねって言われてた。

けど…


「分かったわよ!!着替えるから部屋出てって!!」

「…お前、女じゃないのに隠す必要あるんだ」


ある日を境に私達の仲は物凄く悪くなった。


いや、正確に言うと、烈の私に対する態度が変わった、かな。

昔はあんなに優しかったのに。




「30秒以内に用意出来なかったら入るからな」

「さ、30秒!?」

「何?口ごたえする気?」

「分かったから!さっさと出てって!」


無茶なことを言う烈を無理矢理部屋から追い出して。


「ふぅっ…」


私はため息を一つ漏らした。



佐倉 奏(さくら かなで)、高2。

好きなタイプ、優しい人。

嫌いなタイプ、烈。

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