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オーストラリア奪還計画
第六話「希望へと続く第一歩」
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神崎定進が講堂にて全校集会を行った日から四日、遂にオーストラリア奪還計画に向けて艦を出航させる日となった。
「穂月、どうやら着いたみたいだぞ」
送迎車の車窓から外を眺めていた彼は、同乗しているに津田穂月そう報告した。
「クソっ、めんどくさいのが居る」
瓜二つの男子生徒二人が神崎定進と津田穂月を乗せた送迎車に向けて手を振っている。
「あの人たちは誰なんですか?」
あの二人の事を知らない津田穂月はそう尋ねる。
「アイツらは大阪の松山兄弟、松山の楽人と楽斗。めんどくさい事をボヤボヤと言ってくるめんどくさい奴らだ」
めんどくさいからと言って逃げる訳にもいかない。車から降りた二人に松山兄弟は歩み寄ってきた。
「おうおう、東京の神崎定進やないかぁっ。オーストラリア旅行行くんやっけ?えぇなぁ俺らもグレートバリアリーフ行きたいわぁってな」
確実にそんな事は思っていないだろう。冷やかしで松山楽人はそんな風に語りかけてきた。
「松山楽人先輩。なんでしたら代わりますか?って言っても俺はお前らと違って戦力値が一騎当千だから、俺が行かない訳にはならないんだけどな」
神崎定進も言い返した。津田穂月は神崎定進が良くある男子生徒の様なノリで話しているのを見た事がなく、この人達とはとても仲が良い事はよく分かった。
「他の人とは距離があるのに、松山先輩二人とはとても仲が良いんですね」
ちょっとした驚きなどを口にしてしまった。松山兄弟はそれを見逃さなかった。
「いやいや、誰が仲いいって?そんな事有り得へんて、コイツとは他人や他人」と松山楽人。
「ホンマやで他人や他人!俺は牛と豚でコイツが玉子みたいなもんやで!」と続ける松山楽斗。
「いやいや、俺らが牛と豚やったら俺らも他人やんけ!」と言うツッコミを返す松山楽人。
「ハッハッハッハー!あぁおもろ」二人は最後に声を揃えて締めくくる。
津田穂月はそんな二人に圧倒されていた。
「あっそう言えば兄貴。この娘が噂の彼女で生徒会副会長とちゃうか?隣におるし。知らんけど」
楽斗は兄の楽人にそう呟いた。
「あぁ、初めて会うから自己紹介せなあかんなぁ。俺は松山楽人って言うねん。一応三年で大阪校の生徒会長やってるんや。めっちゃ強い能力なんやで?気になるやろうから教えたろう。物の構造を理解して使えるって能力、俺のコードは道筋」
そこまで言った楽人は静かに右手を上げ、その右手を楽斗が軽く叩いてバトンタッチ。
「そんで多分二人が似てるから不思議思ったんちゃうか?俺らはなんと双子やねんなそんで三年で会長と副会長をしてるんや。多分俺の能力も気になるやろう?俺のコードは組立。設計図通りに組み立てる能力。俺と兄貴の二人は道具を使って戦う皆を助けてるんやどや?」
津田穂月はそれに対する回答を出そうとしたのだが、それよりも先に二人が話し出す。
「多分なんの為にって思ったんやろ?」
二人は揃って右手を前にだし、親指と人差し指で輪を作る。
「そりゃぁ、金のためやわな!ハッハッハッハー!おもろ!」
そしてまたその言葉で締めくくる。
「俺らも自己紹介したし、俺らも自己紹介聞きたいなぁ。能力気になるわぁ」
多分この二人は能力が一番気になるのだろうと理解して、津田穂月は自己紹介を始める。
「私は津田穂月です。コードは付与の能力で、他の人の思考能力と身体能力を向上させる事ができます」
神崎定進はスタスタと近づく足音に気づいていた。
「なんか用か?」
振り返ってそう言った神崎定進に返事を返すのは埼玉校の生徒会長だった。
「ねぇねぇ、ちょっと楽しそうな話、僕も混ぜてくれないかな?」
神崎定進がこの多田充に関しては居ても居なくても良いどうでも良い存在でしかなかった。
「僕はソフィアちゃんに会えるの楽しみにしてるんだけど、皆楽しみじゃないのかなって。どうかな?」
その問に答えを返した人物に津田穂月は騒然とした。
「貴方のそれは性的な意味を含んでるんのでは?貴方はいちいち気持ち悪いですね」
頭の中に直接語りかけてくる声、生徒会長達にとってこの声はあまりにも有名だった。
「ホンマ何度聞いてもびっくりするからやめて欲しいわ。って上浦はんはどこに隠れて話しとるんや?」
状況に慣れている松山楽人は即座にそう叫んで返事を返す。
「私はもう艦内です。松山君は私に会えなくてガッカリかしら?」
「んなわけないやろ?神崎と一緒におる例のあの娘は上浦はんの能力の事を知らんからめっちゃビックリしとったからなぁ?直接きて話せって思ったんや」
「あら、それは失礼。私は上浦綾瀬今回のオーストラリア奪還計画ではテレパシーの能力を使って上の指示を各員へ伝える役目を命じられたからよろしくね」
津田穂月は各校の生徒会長達は個性的な人が多いらしいと聞いていたが、本当にそうなんだろうなと実感していた。
「穂月、どうやら着いたみたいだぞ」
送迎車の車窓から外を眺めていた彼は、同乗しているに津田穂月そう報告した。
「クソっ、めんどくさいのが居る」
瓜二つの男子生徒二人が神崎定進と津田穂月を乗せた送迎車に向けて手を振っている。
「あの人たちは誰なんですか?」
あの二人の事を知らない津田穂月はそう尋ねる。
「アイツらは大阪の松山兄弟、松山の楽人と楽斗。めんどくさい事をボヤボヤと言ってくるめんどくさい奴らだ」
めんどくさいからと言って逃げる訳にもいかない。車から降りた二人に松山兄弟は歩み寄ってきた。
「おうおう、東京の神崎定進やないかぁっ。オーストラリア旅行行くんやっけ?えぇなぁ俺らもグレートバリアリーフ行きたいわぁってな」
確実にそんな事は思っていないだろう。冷やかしで松山楽人はそんな風に語りかけてきた。
「松山楽人先輩。なんでしたら代わりますか?って言っても俺はお前らと違って戦力値が一騎当千だから、俺が行かない訳にはならないんだけどな」
神崎定進も言い返した。津田穂月は神崎定進が良くある男子生徒の様なノリで話しているのを見た事がなく、この人達とはとても仲が良い事はよく分かった。
「他の人とは距離があるのに、松山先輩二人とはとても仲が良いんですね」
ちょっとした驚きなどを口にしてしまった。松山兄弟はそれを見逃さなかった。
「いやいや、誰が仲いいって?そんな事有り得へんて、コイツとは他人や他人」と松山楽人。
「ホンマやで他人や他人!俺は牛と豚でコイツが玉子みたいなもんやで!」と続ける松山楽斗。
「いやいや、俺らが牛と豚やったら俺らも他人やんけ!」と言うツッコミを返す松山楽人。
「ハッハッハッハー!あぁおもろ」二人は最後に声を揃えて締めくくる。
津田穂月はそんな二人に圧倒されていた。
「あっそう言えば兄貴。この娘が噂の彼女で生徒会副会長とちゃうか?隣におるし。知らんけど」
楽斗は兄の楽人にそう呟いた。
「あぁ、初めて会うから自己紹介せなあかんなぁ。俺は松山楽人って言うねん。一応三年で大阪校の生徒会長やってるんや。めっちゃ強い能力なんやで?気になるやろうから教えたろう。物の構造を理解して使えるって能力、俺のコードは道筋」
そこまで言った楽人は静かに右手を上げ、その右手を楽斗が軽く叩いてバトンタッチ。
「そんで多分二人が似てるから不思議思ったんちゃうか?俺らはなんと双子やねんなそんで三年で会長と副会長をしてるんや。多分俺の能力も気になるやろう?俺のコードは組立。設計図通りに組み立てる能力。俺と兄貴の二人は道具を使って戦う皆を助けてるんやどや?」
津田穂月はそれに対する回答を出そうとしたのだが、それよりも先に二人が話し出す。
「多分なんの為にって思ったんやろ?」
二人は揃って右手を前にだし、親指と人差し指で輪を作る。
「そりゃぁ、金のためやわな!ハッハッハッハー!おもろ!」
そしてまたその言葉で締めくくる。
「俺らも自己紹介したし、俺らも自己紹介聞きたいなぁ。能力気になるわぁ」
多分この二人は能力が一番気になるのだろうと理解して、津田穂月は自己紹介を始める。
「私は津田穂月です。コードは付与の能力で、他の人の思考能力と身体能力を向上させる事ができます」
神崎定進はスタスタと近づく足音に気づいていた。
「なんか用か?」
振り返ってそう言った神崎定進に返事を返すのは埼玉校の生徒会長だった。
「ねぇねぇ、ちょっと楽しそうな話、僕も混ぜてくれないかな?」
神崎定進がこの多田充に関しては居ても居なくても良いどうでも良い存在でしかなかった。
「僕はソフィアちゃんに会えるの楽しみにしてるんだけど、皆楽しみじゃないのかなって。どうかな?」
その問に答えを返した人物に津田穂月は騒然とした。
「貴方のそれは性的な意味を含んでるんのでは?貴方はいちいち気持ち悪いですね」
頭の中に直接語りかけてくる声、生徒会長達にとってこの声はあまりにも有名だった。
「ホンマ何度聞いてもびっくりするからやめて欲しいわ。って上浦はんはどこに隠れて話しとるんや?」
状況に慣れている松山楽人は即座にそう叫んで返事を返す。
「私はもう艦内です。松山君は私に会えなくてガッカリかしら?」
「んなわけないやろ?神崎と一緒におる例のあの娘は上浦はんの能力の事を知らんからめっちゃビックリしとったからなぁ?直接きて話せって思ったんや」
「あら、それは失礼。私は上浦綾瀬今回のオーストラリア奪還計画ではテレパシーの能力を使って上の指示を各員へ伝える役目を命じられたからよろしくね」
津田穂月は各校の生徒会長達は個性的な人が多いらしいと聞いていたが、本当にそうなんだろうなと実感していた。
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