初恋の残り香にさよならを

yahagi

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初恋の残り香にさよならを

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 僕はミツ。貧しい農家の産まれだ。
 6つの時に人買いに売られて、雅という妓楼へやってきた。
 僕は将来男娼というものになって、客を取るらしい。
 詳しい事はわからないが、毎日たんまり白いご飯を食べられる。
 僕にはそれで十分だった。

「ミツ、お前も10歳になった。閨のことを少しずつ教える。白いおしっこはまだ出てないね?」

「はい、出てません」

 僕はこの日、子供の作り方と、男女の違いを教わった。
 衝撃的だったのは、女だと思ってた姉さん達が全員男である事。
 この雅という妓楼は、男を売るお店との事だった。

「将来はあんたもあの格好をするのさ。さぁミツ、三味線の稽古の時間だよ。用意しな」

「はい、女将さん」

 僕は三味線がちょっと苦手だ。
 一生懸命、練習する。
 うまくできると、晩飯に卵をつけて貰える。
 ああ、今日も叱られた。

 姉さんの床入りの手伝いをして、廊下を歩いていた時だった。

「もし、君はこの妓楼の子かい?」

 背の高い、優しい目をした男性だった。
 高そうな着物を着ている。
 姉さんの客だろう。

「はい。部屋を案内しますか?」

「いや、女将を呼ぶから君も一緒に来てくれ」

「わかりました」

 僕が男性と一階に降りると、女将がすっ飛んで来た。

「何か粗相がありましたでしょうか」

「いや、この子を買いたい。部屋は空いているだろう?」

「それが旦那様。この子はまだ精通も来ていないし、13にもなっちゃいません。一応16歳になったら水揚げの予定です」

「16歳か。それまで待てない。13歳で売ってくれ。水揚げ代は弾むぞ」

「かしこまりました。それでは今夜は……」

「今夜は尺八だけで良いから、この子をつけてくれ。肌も吸いたい」

「かしこまりました。準備いたしますので、藤の間でお待ち下さい」



 僕は風呂に入れられ、綺麗な桃色の着物を着付けられた。
 化粧をされている間に、尺八のやり方を教わる。

「口に含んで舐める……舐めるんですね、わかりました」

「白いおしっこが出るから、そしたら飲み込みな。吐き出しちゃあ、駄目だ」

「はい」

「身体を触られても、嫌がるんじゃないよ。されるがまま、大人しくしておきな」

「はい、女将さん」

 僕は鏡の中の自分に驚いていた。
 そこには、美しい美少女がいたのだ。

「あの旦那様は銀行財閥の御曹司だ。一生懸命奉仕するんだよ。そうだ、名前がミツじゃ格好がつかないね。あんたは葛葉だ。これからは葛葉と名乗りな」

「はい、わかりました」

 僕は紅を引いた唇でにっこり笑った。




 藤の間へ入ると、旦那様が酒を飲んでいた。

「お待たせしました。葛葉でございます。お酌を……」

「おや、見違えたね。葛葉というのかい。とても良い名前だ。酌は結構。床へ行こう」

「はい」

 旦那様に手を引かれて、朱色の布団に座る。
 旦那様は僕をそっと布団に押し倒した。

「あっ」

 旦那様は僕にキスをした。
 ちゅっちゅっと唇を吸い、舌を入れてくる。
 僕は口の中を舐められ、舌を吸われた。

「んっ……」

 旦那様はしばらく離れず、僕は旦那様の唾液をごくりと飲んだ。

 着物の帯が解かれる。
 僕は着物と下履きを脱がされ、全裸となった。

「綺麗だよ……」

 旦那様は首筋に吸い付き、肌を舐めた。
 ちゅっちゅっと、旦那様は肌を吸っていき、僕の乳首に吸い付いた。
 吸って、舐めて、甘噛みする。
 気持ち良い。
 僕は快感を感じていた。

 両方の乳首を舐めた後、唇を離した旦那様は、ちゅっちゅっと、腹を吸い、舐めて、僕の陰茎を掴んだ。
 べろりと陰茎が舐められる。
 初めての感覚に、身震いした。
 旦那様は、ぺろり、ぺろりと陰茎を舐めていく。

「気持ち良いかい? 少し勃起してきたよ」

「その……わかりません」

 旦那様は、上下に手を動かして、陰茎を擦る。
 そして先端を舐め回した。

「ああっ……」

 気持ち良いと思った。
 旦那様は、強く陰茎を吸って、口に咥えた。
 舐めながら頭を上下に動かす。

「旦那様……気持ち良いです……っ」

 じゅぽっじゅぽっじゅぽっじゅぽっ。
 旦那様は激しく頭を上下させた。

 気持ち良い、がずっと続く。
 肌が熱い。

 旦那様はしばらくして口を離した。

「精通したらもっと気持ち良いよ。水揚げが楽しみだね」

「はい……」

 旦那様はあぐらをかいて、陰茎を取り出した。

「葛葉、舐めて貰えるかい?」

「はい」

 旦那様の陰茎は、勃起していた。
 そっと近づき、ぺろりと舐めた。
 ぺろり、ぺろりと舐めていく。

「上手だよ。先っぽを吸ってみて?」

 言われたとおり、先っぽを吸う。
 そうすると苦い汁が出て来たので、舐めとった。
 
「口に咥えてみなさい」

 あーん、と口を開けて、ぱくりと咥えた。
 旦那様がしてくれたように、上下に頭を動かす。
 じゅぽっじゅぽっじゅぽっじゅぽっ。
 淫らな水音が部屋に響く。
 しばらく続けていると、旦那様が頭を撫でてくれた。

「くっ……出すぞ」

 どぴゅっ! びゅびゅーっ!
 これが恐らく白いおしっこだ。
 僕はごくりごくりと飲み込んだ。

「気持ち良かったよ、葛葉」

「はい」

 旦那様は僕をぎゅっと抱き締めた。

「寝ようか」

「はい」

 僕は旦那様の胸で眠りについた。
 僕の初めての仕事は、こうして終わった。



 それから、旦那様は1ヶ月に一度のペースで来てくれた。
 僕ももうすぐ13歳。水揚げだ。

「水揚げの手順は覚えたね、葛葉」

「はい、女将さん」

「手順と違う所があっても、旦那様の言うとおりにするんだ。間違っても嫌がっちゃいけないよ」

「わかりました」

「白いおしっこはまだ出てないのかい」

「はい……」

「夢精して寝てる間に出る事が多いから、そのつもりでね」

「わかりました」



 しばらくして、僕は夢精した。
 女将さんは喜んで赤飯を炊いてくれた。

「旦那様はきっと幼い少年が好きなんだろうさ。せいぜい媚びを売ってまた通って貰うんだよ」

「はい」

「水揚げ後は、他の客も取って貰う。いいね」

「わかりました」

 これが男娼の生き方だ。
 僕だけが、旦那様だけなんて事はない。



 水揚げの日がやってきた。
 僕は日の高いうちから風呂に入れられ、浣腸をし、全身洗い上げた。
 高価な紅色の着物を着付けられ、化粧をされる。
 鏡の中には、綺麗な美少女の姿。
 ほっそりとしていて、線が細い。

「よく似合っているよ。葛葉、握り飯だ。軽く食べておきな。夜は張り切るんだよ」

「ありがとうございます」





 藤の間に入ると、旦那様が酒を飲んでいた。

「葛葉でございます。お待たせしました」

「ああ、綺麗だね、葛葉。せっかくだから、お酌して貰おうかな」

「はい、旦那様」

 僕はそっと近づき、腰を下ろした。
 旦那様にお酌をする。

 旦那様は三度お酒を飲んで、僕を止めた。

「どうにも待ちきれない。床へ行こう」

 僕は隣の間の襖を開けて、朱色のお布団の上に座った。
 旦那様は僕をそっと押し倒し、キスをした。
 舌を絡め、唾液を飲み込む。
 旦那様は帯を解いた。
 僕は全裸にされ、旦那様が馬乗りになる。
 旦那様は首筋に吸い付き、肌を舐めた。
 そして、乳首を舐められる。

「あんっ」

 旦那様に舐められる度、声が漏れた。
 旦那様は吸って、舐めて、甘噛みする。
 僕はしばらく喘ぎ続けた。

「葛葉、精通はしたんだよね?」

「はい、夢精しました」

「その後は触っていない?」

「はい」

 旦那様は僕の陰茎を掴むと、上下に扱き始めた。
 下半身に熱が集まる。
 
「あんっ」

 先走りが溢れてきて、旦那様の手を濡らす。
 ぐちっぐちっぐちっぐちっ。
 僕の陰茎が勃起すると、旦那様はぱくりと僕の陰茎を咥えた。
 頭を上下して、陰茎を舐める。

「あんっ、あんっ」

 僕は気持ちよさに涙が滲んだ。
 じゅぽっじゅぽっじゅぽっじゅぽっ。
 旦那様が、強く陰茎を吸った。

「あんっ、出ますっ」

 どぴゅっ! びゅびゅーっ!
 旦那様は、僕が出したものをごくりごくりと飲み干した。

「ふう、美味い。葛葉の精液は格別だね」

 旦那様は笑顔でそう言った。

「油を入れるから、四つん這いになってくれ」

「はい」

 僕は四つん這いになった。

「指を入れるよ」

 お尻の穴に、指が一本入ってきた。
 痛みはなく、違和感が凄い。

 二本目の指が入ってきた。
 指はバラバラに動き、ふとしこりを掠めた。

「あんっ、そこ、何か変です……」

「前立腺だね。男が気持ち良くなる場所さ」

 旦那様は、三本目の指を入れた。
 弱い所を刺激され、腰が震えた。

 しばらく馴染ませてから、旦那様は指を抜いた。

 旦那様が着物を脱ぎ、裸になった。
 勃起した陰茎を、僕の尻の穴にぴたりとあてがう。

「葛葉、君の処女を貰うよ」

 ずぶずぶずぶずぶっ!
 一息で根元まで埋め込んだ旦那様は、ゆっくりと腰を振り始めた。
 弱い所を狙われて、突き上げられる。
 たまらず、僕は喘いだ。

「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ」

「葛葉……君は最高だよ……」

 旦那様は、激しく腰を振った。
 僕は気持ち良くて仕方ない。
 旦那様にすがりつき、喘いだ。
 旦那様が数度突き上げ、限界が訪れた。

「旦那様……イくっ……!」

「くっ……!」

 どぴゅっ! びゅびゅーっ!
 僕は快楽の中、射精した。
 旦那様は僕の最奥で射精した。

「葛葉……気持ち良かったよ」

「僕も気持ち良かったです、旦那様」

 旦那様はちゅっちゅっと、キスをして、僕を抱き締めた。

 たくさんキスをして、一緒に眠る。
 僕は幸せだった。




 翌日からは、違う客を取った。
 老人だったり、若者だったり、色々だ。
 それからも旦那様は1ヶ月に一度来てくれた。



 それから三年が過ぎ、僕は16歳になった。
 僕は身長がにょきにょき伸びて、身体もゴツくなった。

 旦那様は最近足が遠のいていた。
 他に常連客はいるけれど、旦那様は特別だ。
 僕は寂しくて泣いてしまった。

「あの旦那様は幼い子供が好きなのさ。仕方ないよ。あんた、恋をしてたんだねぇ。残念だが、諦めな。あんたにゃもっといい人が出来るよ」

「女将さん……」

 この胸の痛みが、恋?
 僕は戸惑うと共に失恋していた。

 それから二年が経ち、僕は18歳になっていた。
 旦那様は全く音沙汰がなくなった。

 そんな折、僕に身請け話が持ち上がった。
 僕の常連客の一人で、実業家。
 奥様はいるので、妾になるそうだ。

「葛葉には、小料理屋をやって貰おうと思っている。俺が出資するよ」

 そのように、とても良い話だった。

「葛葉、どうする? あんたが旦那様を忘れられないのはわかるけどね、いい話だよ。恋は身請けして貰ってからするといいさ」

「はい……そうですね。この話、お受けして下さい、女将さん」

「よっしゃ! じゃあ、連絡入れて置くからね。宜しく頼んだよ」

 女将さんはご機嫌だ。
 




 そして、妓楼雅を去る日が来た。

「元気でやるんだよ。小料理屋も頑張ってね」

「今まで、ありがとうございました。お世話になりました」

「旦那様とも仲良くね。さようなら」

 僕は武史さん──旦那様と呼ぶ──と一緒に、花街を出た。





 小料理屋は順調だった。
 僕は女物の着物を脱ぎ、髪を短くして、給仕をしている。

「いらっしゃいませー!」

「二名で頼むよ。日替わり二つね」

「かしこまりました」

 毎日が早足で過ぎ去っていく。
 
 今夜は旦那様がやってくる。
 先触れがあった。

 僕は風呂に入り、浣腸をした。
 全身を洗い上げ、尻の穴をほぐす。
 しっかりほぐした後、油をたっぷりと入れた。
 薄い女物のキャミソールを着て、旦那様を待つ。

 旦那様はほろ酔いでやってきた。
 すぐに床入りし、布団に押し倒される。
 舌を絡めるキスをして、キャミソールを脱がされる。
 素っ裸になり、旦那様の服を脱がす。
 旦那様の勃起した陰茎を口に咥えて、舐め上げた。
 頭を上下させ、舌を絡める。
 旦那様は荒い息を吐いた。
 僕の尻を揉む。

「準備は出来ているか?」

「はい。すぐに下さいますか?」

「尺八はもういい。足を開け」

「はい」

 僕が足を開くと、旦那様はずぶずぶずぶっと入ってきた。
 旦那様が激しく腰を振った。
 気持ちよさに、目の前で火花が散った。
 
「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ」

「いい具合だ。それっ、まだ気をやるなよ」

「あんっ、旦那様っ、気持ち良いっ!」

「ふっふっふ、可愛い奴だ……」

 旦那様は激しく腰を振った。
 弱い所を狙って穿たれ、僕は泣きすがった。
 気持ち良くてたまらない。
 旦那様が深く穿つ。

「もう駄目っ、イく、イきますっ」

「くっ……」

 僕は激しく射精した。
 旦那様は僕の最奥で射精した。

「次はお前に乗って貰おうか。久し振りだ。たっぷり愛してやろう」

「嬉しいです、旦那様……」

 僕は旦那様に尺八をして、上に乗った。
 激しく腰を振る。

「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ」

 僕は弱い所に当たるように腰を振った。
 旦那様にすがりつき、腰を振る。
 じゅぷっじゅぷっと、淫らな水音が部屋に響く。
 僕は激しく腰を振った。

「あんっ、イきますっ、ああああ!」

「俺も出すぞ……!」

 どぴゅっ! びゅびゅーっ!
 僕は気持ち良く射精した。
 旦那様は僕の最奥に射精した。

「お前は可愛いな、葛葉……」

 旦那様は僕を押し倒し、ずぶずぶずぶっと入ってきた。
 
「ああんっ!」

「俺の葛葉……俺だけのものだ‥…!」

 旦那様は激しく腰を振った。
 僕は旦那様に泣きすがった。
 弱い場所を突かれる度にイきそうだ。
 僕はよだれを垂らして喘ぎ続けた。

「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ」

 旦那様は激しく腰を振った。
 僕は気持ち良くてたまらず、腰を振った。
 旦那様が深く突き上げた。

「あんっ、イく、イきますっ」

「くっ……」

 僕は気持ち良く射精した。
 旦那様は僕の最奥に射精した。

「葛葉……愛してるよ……」

「僕も愛しています、旦那様」

 旦那様はいびきをかいて眠ってしまった。
 旦那様を愛していると思う。
 僕は幸せだ。
 僕はぎゅっと目をつむった。




 それから二年が過ぎた。
 僕は20歳になり、毎日忙しく働いている。
 小料理屋も少し大きくなり、従業員も増えた。

 ふと、お客様を見て固まる。
 旦那様だ……!
 僕を水揚げしてくれた旦那様。
 一気に緊張が高まる。

「葛葉さん、三名様です」

「じゃあ、奥の襖のテーブルに案内して」

「わかりました」

 従業員が旦那様を案内していく。
 胸がドキドキとうるさい。

「葛葉さん、四名様です」

「じゃあ、右のテーブルに案内して」

「葛葉さん…………」

 仕事は忙しく、旦那様のテーブルに近付けない。
 そもそも、僕は見目が違っているのだ。
 気付いて貰える筈がない。

「葛葉さん、襖のテーブルのお客様が、店主を呼んでくれって言ってます」

「今行きます」

 テーブルに着くと、三名の男性が僕を見ていた。
 旦那様が、僕に話し掛ける。

「料理が見事だったから呼んだんだ。とても美味しかったよ」

「それは、ありがとうございます」

「これは別件なんだけど、葛葉、俺を覚えているかい? 13歳の君を水揚げした」

「はい、覚えております。御無沙汰しております」

「覚えていてくれたんだね。こんなところにいるなんて、驚いたよ。旦那様がいるのかい?」

「はい。妾をしています」

「幸せそうで何よりだ。雅に行かなくなって悪かったね」

「いえ。たくさん可愛がって頂きました。十分です」

「またこの店に来ることもあると思う。良いかい?」

「勿論です。本日はご来店、誠にありがとうございました」

 深く頭を下げて、席を辞した。
 胸が痛い。
 初恋の残り香だ。

 僕は仕事に没頭した。
 夜は旦那様に抱かれ、泣きすがった。

 胸の痛みは、もうない。
 しかし、残り香が胸を惑わせる。

「愛しています、旦那様」

「俺も愛しているよ、葛葉」

 僕は旦那様の胸で眠りにつく。
 初恋の思い出は甘くほろ苦いが、よい区切りが出来た。
 僕の旦那様は、一人だけ。
 僕は愛している旦那様と生きていく。

 おしまい。
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